(隊長作)

7月31日(日)  14:00   - 90 -   訪問者数

    横島勝人指揮     高田馬場管弦楽団  中野ZEROホール
    
    モーツァルト     「魔笛」序曲
    R・シュトラウス   交響詩「死と変容」
    ブラームス      交響曲第2番
  
  acacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacacaccacacacacacacacacac
  中野ZEROホール
約1年振りになるかな、のババ管です。

昨年はリヒャルトの「英雄の生涯」という事もあって、
大きすぎる期待もあったんですが、
今回は「死と変容」が意外と珍しく、
ブラ2をメインに据える事で
手堅いプログラムにしている所がグッ!

  そうです、そうなんです。
  こういう組み合わせでいいんです。
  
  04年6月の高田馬場管コンサート感想
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai2/dai32.html

  よく、大珍曲プログラミング・コンサートを見かけますが、
  ああいうのは結局集客が伴わない。

  そうすると、保守派の輩が
  (隊長作)
「だぁから言ったんだよ、ボクが危惧した通りになってしまったよ。
聴衆はやっぱりこんな曲を聴きたがっていなかったんだよ!」

  などと憎ったらしいことをほざきます。
  
  彼らの言いたい事は十二分に分かるんですが、
  聴衆も名曲路線だけで満足していないことは事実。
  知らなくとも良い曲があるんなら、聴いてみたい。
  でも知らない曲ばっかりじゃ、足が進まない。
  そこで、聴いてみたい名曲と、名曲ながらそれほど膾炙されていない曲を組み合わせる。
  そこに、プログラミングという知的ゲームがあるんじゃないでしょうか。
  
  「死と変容」が知られていないってことは無いだろうけど、
  それほど採り上げられているとも言い難い微妙な立場。   (隊長作)

それでいてこの曲は滅法よい。

  私は大学時代までリヒャルト知らずでした。
  あるときカー・ラジオから凄い音楽が流れていた。
  漫然と聴いていたので、曲名や演奏者は聴き逃していたので、
  純粋に「いいな」と思ったので途中から聴き込んで行った、といった具合だ。
  演奏終了後、ラジオのアナウンサーはベーム指揮の「死と変容」と言ったんですが、
  この時からです。
  心を入れ替えてリヒャルトを聴くようになったのは。
  
  リヒャルトは若くして成功を収め、自らを英雄気取りするかのような曲を書き、
  ナチスともウマく関係をあわせ、平穏に長寿を全うした作曲家。
  そんな悪意に満ちた略歴が、リヒャルト音痴を続けさせていた。
  それだけに、なんの前口上も無く掛かっていたラジオ音楽から、
  その真剣な音楽の語り口を耳にしてからは、   (隊長作)

リヒャルトを避けているのは勿体無さ過ぎる、と
  思うようになった。
  
  ババ管のリヒャルト演奏は、リヒャルトが持つ噎(む)せ返るような音響は出て無かった。
  各パートからの微量な雑音の集積が、リヒャルトの難しすぎるハーモニィを
  損ねているのだが、これだけ上手いオケでも思い通りには成らんのだな。
  
  リヒャルトのCDといえば、ウィーン・フィルとかドイツの名門オケばかり
  聴いているので、その音響と比較してしまっているのだろう。
  あまりにも酷な話だ。
  
  しかしブラ2ではそういった不満が一切無く、滑らかな主旋律を横目に、
  ゴリゴリとした低音の主張も心地よく、それでいてブラームス独特の響きも
  再現されていて、このオケの実力が遺憾なく発揮されていた。   (隊長作)

要するに、リヒャルトの響き再現が難しすぎるのだ。
  だからと言って、諦めないで欲しい。
  前回の「英雄の生涯」よりよほど凝縮された結実が決まっていたし、
  アマオケで継続的にリヒャルトに挑戦し続けている事こそ快挙だ。
  同団の過去演奏履歴を拝見するに、04年の「英雄の生涯」、
  02年「ドン・ファン」、01年「ティル」、97年「薔薇の騎士組曲」ときている。
  
  こうなってくれば、期待したいのは「アルペン」でしょう。
  私が最も好きなリヒャルト音楽です。
  「エレクトラ」や「サロメ」「インテルメッツォ」などのオーケストラ・ヴァリエィションでも
  面白いと思うけど、そろそろ「アルペン・シンフォニィ」で大爆発して欲しい。
  どうでしょうか?


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