(隊長作)

8月20日(土)  18:00   - 93 -    訪問者数

    金子建志指揮    千葉フィルハーモニー管弦楽団  習志野文化ホール

    ワーグナー   歌劇「タンホイザー」序曲とバッカナール(パリ版)
    マーラー    交響曲第10番(全5楽章版、クック版に準拠)

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  習志野文化ホール

マーラー交響曲の中でも
壱弐を争う実演の希少性、

第10番全曲版の登場

です。

  といっても、私は大いにこの第10番全曲版に肩入れしてまして、
  過去にも2回採り上げています(自慢)!。
  
  最初はバルシャイ指揮のCDにて
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/cd/cd16.html

  そしてその実演(バルシャイ指揮群馬響)の感想
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai4/dai62.html

  
  マーラーがフル・オーケストラで作曲完成できたのは第1楽章「アダージョ」だけ
  ゆえに、よくマーラーの「第10番アダージョ」という名前でCDになっています。

  しかし!、
  何度も申してますがこの曲最大の白眉は終楽章に他なりません。

  マーラーの第9交響曲なんかは、第1楽章も最終楽章も同等の偉大さがあるのですが、
  なぜか第10番は第1楽章と最終楽章には大きな格差を感じてしまうのは私だけ?
  (隊長作)
マーラー直々が書いたのは第1楽章なんだから、他人の補筆した終楽章より
第1楽章の方が優れているんじゃ?と思いたいのは私だって同じです。
  
  しかし平静な心で、そんな前知識を取り払った心で聞いてみると、
  第10番最終楽章こそ、マーラーの究極の到達した世界が広がっている
  と思うんです。
  
  じゃぁ、いっちょCDで聞いてみんべと思ったあなた、ちょっと待った!
  あなたが聴こうとしているCDは、誰が指揮したものですか?
  私はマラ10全曲版のCDは、大体所有しているつもりなんですが、
  ほとんどのCDはダメダメ演奏です。   (隊長作)

ほんと、悲しくなるくらい。
  わざとこの全曲版の真価を知らしめまいと、邪悪な策略を感じます。
  ですから、私も永らくマラ10全曲版はたいして評価してませんでした。
  
  終楽章冒頭の大太鼓連打もアザとらしくて、そんなわざとらしい事を
  ほんとにマーラーが書いたのかね?と思うくらいでした。
  ですから、バルシャイ版CDを聴いた時は、
  始めてこの曲を聴いたかのような驚きと新鮮さがありました。

  今の所、この演奏を上回るCDを確認してませんし、
  この演奏を乗り越えるには相当な時間が必要でしょう。
  というわけで、是非、マラ10全曲版を聴いてみようと思われた方は、
  バルシャイ版(輸入盤しか無いと思う)を探して下さい。
  
  さぁて、そんなマラ10全曲版をアマオケが採り上げるという。
  凄い時代がやってきたものじゃ。
  この勢いで。どんどん採り上げて欲しい。   (隊長作)

そこのアマオケ団員さん!「巨人」なんかやってる場合じゃありませんよ!
  
  習志野文化ホールは8月7日に初めて行ったんですが、
  こんな不思議な縁で同月に2回も行く事になってしまった。
  千葉は我が家から遠い事もあって、千葉フィルを聴くのも初めて。
  千葉フィルの実力も未知だったんですが、こういったプログラムを組むオケに
  ヘタレはありえません。
  
  演奏は私的に大好きな姿勢でした。
  こまかい演奏細部にこだわるより、大きな流れと熱い感情を音楽に捻じり込む芸風で、
  こういった演奏こそ感動が湧き上がるんです。
  鏡のようにツルツルした演奏でも、こころが篭もって無いと何にもならない。
  演奏だって決して粗雑ではなく、十二分に鍛錬されたもの。
  とはいっても、こうやって実演で聴くと、メチャンコ難しい曲ですわな。
  
  音の高低がしっちゃかめっちゃかに跳ね飛んで、
  この楽曲をまともに演奏するだけで一苦労だろうと思います。
  それをよくここまで熱い感情を織り込んで弾いたものです。   (隊長作)

終楽章の弦の謳歌などは、涙が滲みました。
  どうなんだろ?
  千葉の人は、この演奏を聴いて「うちのオケもマラ10をやるぞ!」と
  思った人はいないのかしら?


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