(隊長作)

12月3日(土)  18:30   - 101 -    訪問者数

    金聖響指揮   千葉大学管弦楽団    千葉県文化会館ホール

    ハチャトリアン    組曲「仮面舞踏会」
    チャイコフスキー   幻想序曲「ロメオとジュリエット」
    プロコフィエフ    交響曲第5番

  cececececececececececececececececececececececececececececececececececec
  
  帰国後最初の日本のコンサート。
  向こうで一週間も極楽音楽を聴いてきた耳では、ちと感想も厳しくなりそう、
  ですが、大好きなプロコ・ナンバー・ファイブということなので、
  2時間かけて千葉まで行ってきました。
  
  千葉駅よりさらに一駅南下した本千葉駅(駅前はブックオフがある
  素敵なステイション)より徒歩十分。
  千葉県文化会館
実はこの千葉県文化会館、初の入館。
ホール・マニアとしても楽しみだったのですが、
なかなか良いホールでした。

昔の建築設計に趣向と余裕を凝らした造りで、
ホワイエなんてひーろびろ。

2階座席配置も贅沢な間取り。
問題は、音響。

  船橋市民文化ホールや群馬音楽センターほどではないけれど、
  横幅が広く、音の拡散が大きそう。
  今回のプロコのように、大音響で耳をツンザクような音響空間が
  不可欠な楽曲には不向きだったのでは?
  千葉大だから御膝元のホールで演奏は避けがたかったんだろうけど、
  錦糸町トリフォニーあたりまで出てきてやってたら、
  音響も随分違ったと思う。
  
  今回は第98回定演だから、第100回はサントリーか芸劇か。
  東京文化会館でも面白いと思うが、ミューザはやめた方がいい。
  
  自分の大学オケがそうだったんだけど、
  冬の定演では1年生が初舞台を踏むんですよね。
  恐らく前プロのハチャトリアンに1年生が乗ってたんだろうけど、
  1年生にこの曲は辛かったんじゃなかろうか。
  音楽はとっても面白く、私は「黒いワルツ」と感じてる。

  ウィーンのワルツが華のようであり、
  チャイコのワルツもまさに花のワルツであるなら、
  ハチャトリアンのワルツはまさに「黒」。   (隊長作)

格好いい。
  プロコをメインに持ってこれただけでも「快挙」なのに、
  前プロにハチャトリアンを組み合わせるとは、
  相当な策士が学生さんに多いオケなんだろう。
  こういう学生オケで青春を過ごしたかったよ...。
  
  チャイコのロメジュリは非常にオーソドックスな演奏。
  どちらかというと遅めのテンポで、楽団員全体も
  音楽を楽しんでいる感が伝わってくる。
  この力ならプロコも大丈夫だろうと安心。
  千葉県文化会館
さて、問題のプロコ。

これを聴かんがために、
はるばる2時間もかけてやってきたわけだから、
当然頑張って欲しい。

また、こういう名曲なのに
あまり採り上げられない楽曲をすれば、
2時間かけても聴きに来る人間が
いてることも解って欲しい。

まず感想を述べる前に、演奏は水準以上であり、
ある一定のレベル以上だからこそ
次元の高い要求を述べたい
事を
前置きしておきます。
  
  この千葉大のプロコを聴きながら、思った。
  例えばチャイコの5番を大感動させる演奏会と、難曲プロコ5番をどうにか
  イッパシのプロコとして成り立たせるのと、どちらが凄いことだろうか、
  と。
  
  当然私の考えは後者で、敢えて試練の道を選択した千葉大メンバーに
  敬意を払いたい。
  恐らくこの面子がチャイコの交響曲をやったら凄い演奏になったと思う。
  そして、それはかなりの感動を巻き起こし、演奏会としても大成功だった
  だろう。   (隊長作)

しかし、しかしです。
  そういったコンサートは初中終(しょっちゅう)ある。
  それに引き換え、果たしてまともに楽曲に纏め上げられるか
  想像もつかない難曲に挑戦する。
  そして「なんだか難しかったねぇ」といった顔のお客さんもありはしたが、
  千葉に滅多に演奏されない音楽を見事に紹介する。
  未開の荒地に貴種の苗を植えるように、敢えて試練の道を切り開いたようで、
  若い人たちの挑戦的な楽団にとても胸が熱くなりました。
  
  あなたたちは、わかっている!
  若い時のこういった冒険は、将来きっと役に立つよ。
  そう言いたい。
  
  
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