(隊長作)

11月14日(月)  20:00   - 103 -    訪問者数

    ギーレン指揮  ルクセンブルク・フィル
    ベルリン・フィルハーモニー・ホール     - その2 -

    ベートーヴェン   ミサ・ソレムニス

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  彼の演奏の特徴は、デュナーミクが大きく、細部のニュアンスが実に
  チャーミングでその美しい彫琢によって音楽がくっきりと輝いていること。
  テクニック偏重ではなく、精神的高揚が、そのデュナーミクの積み重ねから、
  自然と浮き上がっている。
  ベルリン・フィルハーモニー・ホール(でも、こっちは大ホールじゃない)
第二曲のグロリアの合唱の輪唱から
盛り上がるところなんぞ、
まさに白眉で、
ここらへんで完全にホールは、
天空の世界に浮遊した。

高齢指揮者にありがちな、
テンポの間延びが無い。

  いきいきとした展開は、彼が何歳なのか分からなくなるほどだ。
  目隠しでこの音楽を聴いて、指揮者が何歳くらいかと聴かれれば、
  多くの人が壮年の人だと思うんじゃ無いだろうか。
  そこへ、若いだけじゃない泣けてくるような寝技や渋さが加わってくるんだから、
  堪ったもんじゃない。
  
  第三曲でも少々遅めのテンポが意外だったくらいで、しかしこれも終盤への布石だった
  わけで、まさしく荘厳なミサにするべく、テンポ設定だったんだなと分かった。   (隊長作)

心配だったのは、楽章間の休みの取り方。
  ここではさすがに年齢を感じさせ、2〜3分肩で息をつくように、
  次への闘いに備えているようだった。
  第二曲後半のグロリアが始まるところなど、合唱団もおそろしく美しく強い。
  そして、そのあとの積み重なるサマと云ったら!
  
  そこはゴシック建築のような格好イイ箇所だが、こういったことは実は
  相当な力配分が要るんだと思う。
  単調になりかねないしね。
  カイザー・ヴィルヘルム教会
しかし、これがドラマティッマで、
どうにも崩れようも無い石づくりの教会が
天に向かって築き上がってゆくような
ラスト「グロリアッ!」と叫び、
この楽章は終るのだが、
このぶったぎるような響きがホールの残響へと
消えていった美しさは、どんな言葉でも
言い表せられない。
  
  ここまで、ミサSの力強いところばかりを述べてきたが、私が音楽の
  メメしいところを愛好しているのは、御存知なところ。
  第三曲も5分も過ぎれば、ルネサンス期のような旋律が出てくる。
  そして、それを打ち消すような激しい葛藤が続くのだが、ここでCDでは
  あまり聴き分けにくい有名で面白い箇所がある。
  
  低弦楽器が3連符で否定するモチーフがある。これがSQ後期(確か14番)と全く一緒。
  どちらがオリジナリティか分からないが、ギーレンはこの技法を
  ことさら強調しており、チェロによる「ジャ・ジャ・ジャ・ジャ」という音型が、
  してやったりという面白さだった。
  
  第4曲では、中盤からコンマスによる長大なソロと、それに絡む独唱・合唱がある。   (隊長作)

このヴァイオリンの謠(うた)もまた味わい深いものだった。
  ギーレンも終演後、何度も彼を讃えていたが、ほんとに高雅で連綿と、
  神の国からもれてくるような音色だった。
  また、うた以外にも、木管などが時折やさしく絡んでくるのだが、
  これが実に繊細で、これでこそ指揮者妙利な出来合いだと感心した。
  ホールのバルコニーから見えるベルリンの夜景
指揮者振りからは、
まだまだ健康そうだが、年齢を考えれば
いつ何があっても不思議でも無い。

元気なうちに彼の実演、
しかもミサSを聴けれて、
ほんとうに良かった。

  
  
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