(隊長作)

3月11日(土)  18:00   - 112 -    訪問者数

    齊藤栄一指揮   水星交響楽団    東京芸術劇場

    ガーシュウィン   キューバ序曲 
    バーバー      ヴァイオリン協奏曲
    コープランド    交響曲第3番

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  常々コンサートはプログラムが重要だと云うのが持論なんですが、
  ショスタコの第4番とかリヒャルトのアルペンとか、大曲一発でドカンと
  一大プログラミングするのもいいケド、今回のように3曲の組み合わせで
  ここまで秀逸なプログラミングっつぅのも珍しい。
  (隊長作)
早くも本年度最高のベスト・プログラム大賞を差し上げたい
  (特に何も出ませんが...)。
  
  ま、そんなわけで、こりゃ聴かなかんがね、と張り切って聴いてきました。
  (最近ポッドキャストで宮地佑紀生の名古屋弁トークが気に入ってます)
    
  このコンサート感想を書く前から、バーバーのヴァイオリン協奏曲については、
  書こう書こうと思っていてCD紹介で採り上げたかったんだけど、
  ずるずると書いていなかった。

  それくらい好きな曲だし良い曲です。
  更にコープランドも紹介しようと思いつつ...という曲なんで、
  そんな2曲が組み合わさったプログラムというのも、まさに
  爆音クラシッックのためのようなコンサートで驚きました。
  ちなみに、ガーシュインは嫌い。
  いろいろワケはあるのですが、昔からガーシュインは嫌いなんです。
  
  田野倉雅秋(広島響コンマス)のソロでバーバーは始まりますが、
  ソリストは可もなく不可もなく。
  日頃、スターン、ナージャ、ハーン等のCDを聴き込んでいるので、
  彼らと比較するのは酷と云うもの。
  
  このバーバーのVコン(以下ババコン)は、全3楽章というオーソドックスな協奏曲だし、
  20〜25分という収まり易い演目なんですが、曲の形態はチト変っている。
  普通、急・緩・急という構成が多いが、これは緩・緩・急。
  そして第1と第2楽章が、非常に素晴らしい。   (隊長作)

素晴らしすぎです。
  ロマンティックな基調にノスタルジィなソースがふんだんに掛かっていて、
  優しい気持ち似させてくれます。
  夕焼けの景色を思い浮かぶ曲ではないでしょうか。
  残念なのは最終楽章で、無窮動という奴で、コチャコチャクチャクチャと
  休みなしの引っ切り無し。
  テクニックの誇示であり、見せ場でもあるのですが、私はこういうのは
  嫌いです。
  
  ババコンが今一メジャーになれないのも、ひとえにこの終楽章のせいでしょう。
  第1第2があんなにゆったりとした素晴らしさなんだから、いっそ終楽章も
  諦観のアダージョで弾き切ってくれれば、どんなに徹底したフォームになっていたことか。

  バーバーも仕事として終楽章に見せ場を書いたんだろうけど、
  改訂版を書いてでも、この曲は終楽章を改変しとくべきだった。
  そんなことを水星響のコンサート感想で愚痴ってもしょうがないんだけど。
  
もう一つのお宝演奏、コープランドの第3番。
この曲をアマオケで聴いたのは初めて。
何でこんなに良い曲なのに?
  
ようやくアマオケ界にも出てきたか、と
感無量だったのですが、演奏ではこの第3番の偉大さが
今一つ顕わし切れてなかったのが残念。

だって難しい、難しすぎるもんね。


  この曲はアメリカの全てを謳ったような曲で、アメリカ大陸の神秘、
  アメリカのパワー、アメリカの栄光といったドリームを音楽化したような凄い作品。
  ベトベンやブラームスといったヨーロッパ音楽大好きな人には、
  このアメリカ&アメリカした楽想はどうなんだろ。
  でも私にはかなり嵌る音楽です。
  
  結局、CD感想もしないことだろうから、ババコンとコープランドの
  お薦めCDを紹介しときます。
  
  まず、バーバーはスターンがヴァイオリンを弾いているもの。
  これがもっとも清廉な演奏。
  いろいろ聴き比べてきた上で、そう思います。
  
  コープランドはバーンスタインのしか持っていないので、これしか推奨できません。
  だけどそれは間違って無いと思いますよ。
  コープランドとバーンスタインの関係を考えても、これほど理解しあえた関係は少ないでしょう。
  
  
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