(隊長作)

2006年9月18日(月祝)  14:00   - 126 -    訪問者数

    新田ユリ指揮  オーケストラ・エレティール  杉並公会堂

    モーツァルト   交響曲第31番「パリ」
    伊福部昭     交響譚詩
    ニールセン    交響曲第4番「滅びざるもの(不滅)」

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杉並公会堂

アイノラ響ですっかりお馴染みになった
新田ユリの指揮で、
エレティールを聴く。
今迄も聴くチャンスはあったのだが、
今回初めて聴く事が出来た。

私はこのメルマガが張り合いにもなって、
多くのアマオケを聴いているが、
こうやって初めてのオケを聴くのは、
ワクワクして愉しい。

  もちろん確実に爆演名演が期待できるスーパー・アマオケも愉しいのだが、
  初ものはどんな結果が飛び出すか解らない所がイイ。
  
  とは云っても、ご覧下さい。
  このオケの演目を。

  ニールセンの不滅をメインに持ってきてるだけでも愉快なのに、中プロが
  イフクベときた。
  (隊長作)

  これは東京広しと云えども、今年はここだけではなかろうか?
  全国的にも、伊福部の交響譚詩を演るオケってあるのだろうか?
  もしあるのなら望外の喜びだが、とにかく東京には「ニールセンとイフクベ」
  をセットでやってくれるオケがあるのだ。
  全くもって有り難い。
  実に素晴らしい。(隊長作)
  
  正直、前プロのモーツァルトは退屈な演奏だった。
  これじゃぁモーツァルティアンには、不満だったろう。
  今年は特にこういった、前菜的な配置でモーツァルトがカプリングされた
  プログラムが目立つが、大方の前菜モーツァルトは音出しで、予行演習に近い。

  きっと中には心底モーツァルトが好きで演目に加えたくて、今回の演奏に
  溌剌と参加した人も居るのだろうが、何せ中プロとメインが大変な難物だ。
  

モーツァルトは音符だけ見て見れば、
何とかなるだろうと考えてしまうのだろうが、
何ともならない音楽だ。

いっそモーツァルトは本腰入れて、
メインとかでやらなきゃ
マトモなものに仕上がらない。

モーツァルト・イヤーだから、
モーツァルトも混ぜときたい風では、
なかなか難しいのではないだろうか。
  
  その分、中プロのイフクベは良かった。
  これは指揮者の解釈が滅法素晴らしく、私の持っているCDよりも遥かに
  素晴らしい演奏だった。

  主旋律とリズム伴奏の比重を対等に捉え、要するにリズムを強調した
  演奏なのだが、これがサマになっていて実に格好いい。

  どうしてこんなイイ曲が年に一回しか演奏されてないのだ?
  二番煎じと思わずに、是非他のオーケストラさんも交響譚詩を採り上げて欲しい。
  演奏会効果は、かなり上がると思う。
  なんて書いても、伊福部昭の交響譚詩なんて聴いたことさへ無い人が
  多いんだろうな、残念なことに。
  
  逆にメインのニールセンはオーソドックスな演奏だった。
  新田ユリはシベリウスのスペシャリストであり、イフクベで予想外の解釈で
  攻めてきたのに、ニールセンではこれといった変化球も隠し玉もなく、
  正攻法で直球勝負と来たが、スピードがあるわけでもなく、球に重量感が
  あるで無く、打者も平凡なライトフライに打ち終わったかのような、
  残念さが残った。

  オケは指揮に誠実であっただけに、指揮者の調理法が私には合わなかったんだと思う。
  
  ニールセン、特に第4番や第5番は大好きな楽曲なだけに、反応や感想が
  かなり厳しくなってしまっていることを、敢えて申し上げときます。
  
  
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  *** 2010年の 『オーケストラ・エレティール』 なコンサート感想。

    * Rシュトラウス「薔薇の騎士」組曲、メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」他























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