(隊長作)

9月2日(土)  14:00   - 154 -    訪問者数

    六甲フィルハーモニー管弦楽団  松井真之介、森康一指揮   神戸文化ホール

     芥川也寸志    交響管弦楽のための音楽
     シベリウス    交響曲第6番
     ベートーヴェン  交響曲第7番

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  道路看板
弊紙メルマガの突撃訪問地を
更に西方に拡大できました。
今までは
兵庫県立芸術文化センター(西宮)が
最西端だった。

そう、忘れもしないアノ神戸大
「プロコ・ナンバー5」の爆演です。


  あれ以来すっかり兵庫には好印象をもってしまったのですが、
  諸般の事情により、今回やっと兵庫の本丸・神戸に突入する事が出来ました。

  実はわたし、高速道路を使うのがキライ。
  いやなに、金が惜しいって言ってんじゃない。
  スピードが恐いって言ってんでも無い。
  その土地の風景を楽しみながら(古本屋を探しながら)、ぶらり、
  ドライブしたいんですよね。
  
  そんな私もさすがに休日の大阪は忌避して、環状線初体験。
  あとはゆるりと2号線を下って神戸に着いたのは1時半でした。
  神戸文化ホール
ホールも初入場でして、
何だか懐かしい雰囲気。
昔のホールって、どうしてこうも
似たり寄ったりなんでしょう。

どことなく高級映画館というか、
劇場と云ったような趣きです。

だけど古いホールは余程の事が無い限り、
音響はまろやかで安心して聴けます。

  逆に、船橋と高崎の二大デッド・ホールが懐かしい。
  多くの人に罵倒されながら、でも取り壊される事もなく。
  設計者を恨みつつただただ佇立している、あのホールが可愛そうでいじらしい。
  (隊長作)

話は戻って六甲フィル。
  私は物心ついた頃からの阪神ファンで、六甲フィルと聞けば、アンコールに
  六甲おろしなんぞ演奏してくれんちゃうん?なあ!と期待してしまいます。
  当団プログラムは私が主張している通りの組み方で、良く分かっている人が多い。
  
  何が分かってるかって言うと、名曲とやりたい曲を上手くブレンドしているってこと。
  ベト7をメインに据えれば、集客はまず安泰。
  なんせベト7は、のだめ効果もありますからね。
  それに対して中プロ・前プロをどうするかが楽団の腕(見識)の見せ所。
  
  よくあるパターンは、ビゼーやチャイコフスキーの組曲(カルメン、アルル、
  ナッツクラッカー、スワンレイク)やシューベルトの未完成あたりを持ってくるオケ。
  ベト7は超難しいんだから、ここは手堅く形が整う曲をもって来ようと。   (隊長作)

だけどね、大体そういうオケは前プロ・中プロの演奏がおろそか。
  名曲ラクチン曲のはずで選んだのに、大して気合も入れずに演奏するもん
  だから、どうでもいい演奏ばかりになってしまう。
  だから私はそういうプログラムをやってる所は、選びません。
  目に見えてますから。
  
  名曲は多くの聴衆に愛され、多くのアマチュア奏者にも演奏されたがってる
  んだから、プログラムに採り上げて何が悪い?
  こういったご質問に私は答えましょう。
  「あなたは、名曲しか知らないんじゃないんですか?」
  
  秘曲珍曲を知ってる人が、マニアだと言いたい訳じゃない。
  いろんな曲を聴いて、いろんな世界を知った上で名曲を決定的に名曲だと
  自分の中で位置づけているのなら、私は文句を言えない。
  しかしベスト100以外の曲には食指も伸ばさず、ベスト100あたりで
  十分満足している人、そんな人に秘曲珍曲を一蹴されたくない。
  それらの日陰の花が、どれだけ創造主に丹精込めて創られたことか。
  知ってるんだろうか。
  神戸文化ホール
しかし、しかしですなぁ、
六甲フィルは良く分かっている。
そういう名曲をメインに据えたときこそ、
日頃採り上げにくかった隠れた名曲を
採り上げられる好機到来ということを。

そして選んだ曲が
シベリウスの第6番とアクタガワ。
くぅ〜!やりおる。
  
  私はシベリウスが大好きなんですが、番号付ではこの第6番が最高に好き。
  あの妖精の世界のような第1楽章。
  これほど儚(はかな)く愛らしい、しかもそれが交響曲だなんて、奇蹟のような曲です。
  こういう音楽に辿り着く人間がいたってこと自体、人類が地球で遺伝子を
  伝え続けてきたことに意味があったと感じます。
  
  アクタガワの曲、これはプロコ・パクリと言っていい曲ですが、この曲が
  プロコへの導火線になってくれるのでしたら、私は構いません。   (隊長作)

きっとアクタガワもプロコが大好きだったんでしょう。
  プロコからの影響を恥ずかしげもなく恥らうことなく惜しげなく
  赤裸々に叫んでいます。

  ここまで自分自身の惚れた姿を率直に曝け出している音楽に出会うと、
  同じプロコ・ファンとしては微笑んでしまう。
  プロコ音楽への絶対の敬愛だからこそ、真似し漫才と言われたって
  構わない、というその興奮と気概。

  彼にあと十年寿命があったら、プロコから発展した彼独自の世界が
  歌われていただろうにと、それが残念。
  
  さて、演奏の方なんですが、このオケはアクタガワにしろベト7にしろ、
  爆裂系に真骨頂がある。
  その強烈なトゥッティにおける全団員が一極集中したフォルテの地響きは爽快。
  
  一方、シベリウスのような淡い夢見るようなおとぎ話はキツイのかも。
  更に、アンコールで六甲おろしが出なかったのが、チト残念(冗談)。
  神戸文化ホール
次回定演は、な、なんと、
ショスタコーヴィッチ「レニングラード」。
このオケの特色を臨界点まで
発揮できること間違いナシ。
小田原フィルの奇蹟が、
来年2月17日兵庫県立芸術センターで
起こるだろう。


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