(隊長作)

9月16日(土)  14:00   - 156 -    訪問者数

   フロイデ室内管弦楽団  余語徳雅指揮  羽島市文化センター・スカイホール
    
     ブラームス    大学祝典序曲
     シベリウス    「カレリア」組曲
     ベートーヴェン  交響曲第2番

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  名古屋とか京阪神の大都市に偏重しているコンサート突撃ですが、
  常々地方のコンサートにも行ってみたいと思っている。
  羽島市文化センター
どうしてもプログラム的に行くしかない!と
いったコンサートなら、これからも
愛知県芸術劇場や大阪シンフォニー・ホールでも
行くけど、出来れば初めてのホールや
オーケストラを積極的に紹介してゆきたい。
名づけて地方突撃編。
  
第1弾の今回は「岐阜羽島」。

  新幹線乗る人なら、知ってるよね。
  各駅かぁ、なんて言ったら殺されますよ。
  岐阜に無理矢理作った新幹線駅。
  なぁんも無い所に、新幹線駅を中心に街が発展した珍しい町。
  ここから車で十分ほど行った所にありました、ギリシャ神殿が!

羽島市文化センター
  田舎では恥ずかしくなるほど巨大な、結婚式場みたいにゴゥジャスな
  複合施設です。

  まったく地方って、どうしてこういうハコモノには
  とことんお金掛けられるんだろ。

  地元の人も、このホールが誇りに思う人も居るんだろうけど、
  ここまで贅沢に金を使うのもどうなのかなぁ、と考える人もいると思う。
  
  だって、立派にクラシックが演奏できるホールなのに、ホール前に
  飾ってあった看板は「假屋崎省吾 」講演会ですよ。
  
私はおすぎと假屋崎は
ソレ系の人の中では
好きなんですが、
こんな立派なホールで
結局講演会だったら、
なんとも虚しくなっちまう。

でも、ちょっと行ってみたいのは、
私だけ?

  ホール横にはこれまた立派な図書館が。
  この図書館は頭のいい本揃えで、私の大好きな「新書」がほぼ網羅されてます。

  新書を特化して収集している図書館も珍しい。
  ここで開演前まで、読書と本漁りを堪能。
  
  中学年のころ、近所に大規模図書館が出来て、本当の本当に
  毎日図書館に行っていた。
  施設が超豪華で本のほとんどが新品だったこともあるけど、
  あの図書館のせいで今の読書漬けになったんだと思う。
  (隊長作)

さて、開演。
  実は今日の演奏会、それほど期待せず行きました。
  私の経験では、しょぼいプログラムの演奏はそれに付随するからです。
  何もベト2やカレリアが、駄曲だと言ってる訳ではない。
  一つ一つのパーツは地味でも、組み合わせ次第で面白い知的好奇心を
  掻き立てられる事もある。
  しかし今日のこの組み合わせ、何かコンセプトはあるのだろうか?
  
  まず大学祝典序曲。
  この曲が好き、という人は意外と多い。
  しかし私はこの曲から「ブラームス作曲」というブランドを取ったら、
  何が残るんだろうと思うほど駄曲だと思う。
  逆にそれだけ、この曲で客を唸らせるほどの演奏をする事はかなり難しい。
  案の定、溜め息の出る演奏だった。
  しかし前プロが、練習不足ゆえに厳しい演奏結果になる事は多い。
  
  カレリア組曲とベト2。
  実は両曲とも学生時代演奏しており、そこそこ一般の人よりは細部まで
  知っている自負があるし、意外な楽しみ処も心得ているつもり。
  「ベートーヴェン交響曲はアンサンブルの基礎力を養うに最適である」
  なんて抜かしている嘘つきが世間には多いが、私は逆にこれほどボロが
  曝け出してしまう難曲は無いと思う。
  演奏時間は長いが英雄の方が客を楽しませ易いし、運命の方が難しいが
  お客も分かり易く無難なコンサートに仕上がる。
  
  しかしベト2をトコトン分かっている観客は些少だし、その良さまで
  解って聴きに来る観客はもっと少ない。
  そんな状態で、化粧をせずスッピン勝負でデートに挑むような曲がベト2なのだ。
  よほど美しい衣装で幻惑するか、トークで盛り上げないとデート相手は
  直ぐに退屈してしまう。
  
  ベートーヴェンを何十年も聴いてきたオッサン連中に、2番ファンは多い。
  確かにこの曲は地味ながら、味わい深い旨味がふんだんにある。
  ベートーヴェンが好きな人ほど、この曲の真の良さが解っているから
  この曲をプログラムに載せるオケも多い。
  譜面面(ふめんづら)も簡単だしね。
  しかし、客はそう聴かない。
  下手な演奏だと、実につまらないのだ。
  
かつてベートーヴェン全曲演奏会で
故・岩城宏之が質問に答えていた事を
思い出す。

「一番嫌いなベートーヴェンの交響曲は...」
暫く考えたあと、彼は言った。
「2番かなぁ」

彼はやっぱり優れた指揮者だと思った。

  この曲が観客を満足させるのに最も難しいナンバーだという事を、
  彼は知っていたんだと思う。
  
  大指揮者&名門オケの名盤でベト2を聴くと、その真価は素晴らしいことが良く分かる。
  しかしキツイ演奏でこの曲を聴くと、まったくツライ時間が過ぎるだけとなる。
  いっそチャイ5の方が、ジェットコースターに乗っているように時間が過ぎるのに。
  譜面は難しいが、誤魔化しがあれほど効く曲は無いのに。
  羽島市文化センター
そんなこんなで
演奏会は終了。

地方突撃編は、
第1弾から暗雲
垂れ込めております。


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