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コンサート感想


2007年11月17日(土)15:00  長野県松本文化会館
信州大学交響楽団 / 桜井優徳 指揮
 ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番

     (隊長作)

東京コンサート旅行の感動冷めやらぬ昨今、こうなったら行ける所は行って見よう!
てな興奮状態。

名古屋や大阪では飽きたらず、静岡や北陸、和歌山や兵庫も視野に入れ、
日夜獲物を探してます。もちろん遥か彼方の東京も、ターゲットとしてロックオン!

(隊長作)


マイカーと各駅列車の組み合わせで東京14時開演は間に合うと分かったので、
体力とカネの可能な限り、東京も選択肢に入ってます。

最重要ポイントは、選曲。
手堅い名曲を、キッチリと演奏し、皆様に感動をご提供します...。
駄目ダメ!そんなの。音楽はハート、音楽は情熱、音楽はパッションですって。
熱情こそが、岩をも砕く。
完璧な演奏が聴きたけりゃ、スタジオ録音で修正しまくったCDを聴いてますって。

私がこうまでして生演奏に、特にアマオケに拘るのは、金銭的な理由も少しは
あるけど、アマオケこそが(特に大学オケ)突然変異な興奮パワーで
異常な演奏を時たま起こしてくれるから。
外来オケや在京プロオケの職業的演奏では、数十回に一回しか
本気演奏をしてくれませんから。


今回信州大学交響楽団を
選んだ理由は4点。

一、信州は弦楽器の産地、弦は上手いはずだ。

二、タコ5と「皇帝」を併せてくる大学、やる気を感じた。

三、オザワ・キネンで有名な長野県松本文化会館を、
安い入場料で入って見たい。

四、兎に角、遠い所までドライブしたい
(ドライブ大好き)。

高校時代、どの大学を受験しようかと選んだり悩んだりするのが大好きでした。
大学案内本なんかが大好きで、よく空想に浸ってました。
信州大もまた然りで、学生生活を千曲川と過ごし、キャンパスが
県内各地に分散されてて大変だろうな、とか。

実際この大学オケは練習は苦労されてるそうです。
自分の大学は一箇所にありましたが、理系と文系の授業(実験とかゼミと
か研究室)密度が学部間で大きく違い、理系の奴等はよくぼやいてました。
そのくせ理系ほど音楽好きが多いんだから、文系への風当たりは大きかった。


話は信州へ戻って。
信州はちょこちょこっと、思い出あり。
学生時代の合宿で何度か行って楽しかった。

蕎麦を食いに行って、思った以上に旨かった。
東京の仕事に疲れた頃、山中湖や信州の高原で随分リフレッシュした。

ある意味、良い思い出しかない、信州。
そんな信州だから、きっとイイ事あるだろう、そりゃまぁ恐ろしく
長いドライブをしました。行きは高速、帰りは国道19号線。
もう信州も遠征エリアに入りましたよ(ただしプログラムに食指が動かないと行きません)。


外観は堂々として格好いい建物
長野県松本文化会館。

建物全体の構造も凝っていて、一部分が大ホールになってます。
しかし、肝心な大ホールの構造は、そこら辺の市民会館と似ています。
2階座席が少し変わっている程度で、馬蹄型でもワインヤード型でもありません。

音響が抜群だったら最新型を羨む必要も無いのですが、音響面も中の下かな。
ボワーンとまではしませんが、ボワボワといった響き方。
我々は2階中央に座ったので、1階の方が音響は良いのかもしれません。
1階が良いホール、2階の方が良いホール、中央が良い、端が良い、と
ホールは座席によって音響もサマザマ。
中の下、と決め付けるのは早計ですね。

ファリャの「三角帽子」が終わり、一つ目の楽しみ、「皇帝」。
実はこの「皇帝」、私が最初に本格的に聴いたクラシックで、
高校一年生の春は毎日聴いてました。今ではこれより第4番の方が
好きですが、やっぱり15の春を思い出して嬉しくなります。

しかしこの日のソリストが酷かった。
入場券もキッチリ払ったし、高速道路でかなりの交通費も掛けて
聴きに来たんだから、本音で書いてもいいよね。
冒頭の華麗なヴィルトゥオーゾ溢れる独奏からミス。
ヨシモト新喜劇みたいに、オーケストラ全員がズコーと椅子から滑り落ちたら
美味しい笑いになったのに。。。
(隊長作)


この後も早いパッセージでチラチラとあれ?と思う箇所が。
致命的なミスは冒頭だったが、それを忘れさせてくれる程の演奏は、
その後も起こらなかった。
(隊長作)

先週の川崎のヴァイオリン協奏曲でも感じたんですが、
協奏曲を中プロに入れるアマオケは多い。
自称プロのソリストを呼ぶと、演奏会が本格的になるの?
協奏曲は交響曲ほど練習量が多く無いから、全体の練習量の調整が図れるの?

聴衆は協奏曲が大好きだと、オケは思っているの?
(私的には、どう考えても交響曲2曲(大曲ね)の方が、お得感が大きいんだけどなぁ)

私がいた大学オケも、協奏曲をよく取り入れてました。
協奏曲が好きじゃなかったので不服でしたが、指揮者が強引にソリストを
連れてきて、多くの仲間はソリストを有難がってました。
子供あがりの学生にとっては、初めて身近に接するプロ演奏家ですもんね。
私はひねくれ者なんで、近づこうとも思いませんけど。
敬愛するギーレンだったら、尻尾フリフリで擦り寄っちゃうけど。

大学オケに来るソリストでも、ギャラはそこそこしました。
ピンキリでしょうけど、交通費宿泊代別で数十万から大台。
どの人も偉そうな態度で、数回全奏に参加して、
終わったら速攻で帰って行かはった。
何様じゃ?と思ってたら、みんな今では消えてます。(隊長作)

次から次へと現れる若手ソリスト。
コンクールに入選すると持て囃されますが、十年もすればほとんどが
何処かの大学講師に有りついて消えてゆく。

そんな掃いて捨てるほどいるソリストを有難く押し戴いて、
高いギャラ払って、観客は何だかなぁと思っている。
どこぞのやる気のある音大生をソリストとして弾かせた方が、
よっぽどお互いの利益になるんじゃないかしら。

協奏曲で迫真の大熱演をするオケも少ない。
逆にソリストを際立たせなきゃならないから、オケは伴奏、なんて
指示するバカ指揮者が多い。
協奏曲ってのは、あくまで「協奏」するもんじゃないのかな。
協奏曲については門外漢なので、素人の戯言ですが、素人なりに思うんです。

ピアノとオケの一騎打ちみたいな演奏の方が面白くない?
オケは一騎じゃないけどね。
ソリストが丁々(ちょうちょう)とやれば、オケは発止(はっし)と受け止める。

オケは独奏者のBGMなのかな。
圧倒的にカリスマ的なソロを弾いちゃうソリストならいざ知らず、
ソロとトゥッティが協奏してこそ、スリリングな音楽になるんじゃ無いのかぁ。


今回はソロが○○○だったので、大学生が可哀想だった。
自分が学生の時、こんな演奏しやがったら、
終わった途端大騒ぎだったろうなぁ。

気持ちを押し静めながら、ショスタコに挑む。
協奏曲で練習配分が上手くいったようで、こちらは大方安心して聴けた。
特に低弦は良かった。管楽器は緊張するのかなぁ、厳しいところも
多々あったが、まぁまぁ良い演奏だった。

「皇帝」がインパクト有り過ぎな喜演だったので、私の心を盗み去って
いったのは、あのソリストなのでした。
(隊長作)

何だかんだ言っても、大学生なのにショスタコと「皇帝」に挑戦したんだから
拍手喝采すべきなんだろな。だってこんなプログラムはあまり見ないもん。
手堅く同じ様なプログラムを繰り返しているオケより、よっぽど凄いよ。
この勢いを加速させて、来年は信州初演のプログラムに挑戦して欲しい。

過去のコンサート感想。

ショスタコ5番なコンサート感想。

2004年2月11日(祝) 14:00  東京芸術劇場
オーケストラ・ダスビダーニャ / 長田雅人 指揮
 ショスタコービチ : 映画「馬虻」の音楽による組曲 (L.アドヴミャーン 編)
 ショスタコービチ : 交響曲第5番 他
2004年11月24日(木) 18:00  東京文化会館
桐朋学園オーケストラ / 尾高忠明 指揮
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番
2005年4月30日(土) 18:00  東京芸術劇場
読売日響 / スクロヴァチェフスキー 指揮
 ベートーヴェン : 交響曲第6番「田園」
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番
2005年8月7日(日) 14:00  習志野文化ホール
ウインドミルオーケストラ / 現田茂夫 指揮
 プロコフィエフ : 「ロメオとジュリエット」より
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番
2006年10月7日(土) 18:00  大田区民ホール・アプリコ
成城管弦楽団 / 松岡究 指揮
 ロッシーニ : 歌劇「どろうぼうかささぎ」序曲
 リスト : 交響詩「前奏曲」
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番
2007年2月9日(金) 19:00  ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 / 飯森泰次郎 指揮
 シベリウス : 交響詩「フィンランディア」
 伊福部昭 : ピアノと管弦楽の為の「リトミカ・オスティナータ」
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第5番
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