(隊長作)

12月1日(土)  18:00   - 167 -    訪問者数

    滋賀医科大学管弦楽団    岩井一也指揮    しが県民芸術創造館

     ドヴォルザーク   スラブ舞曲第1番
     ビゼー       「アルルの女」第一組曲
     ドヴォルザーク   交響曲第9番「新世界より」

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しが県民芸術創造館

  どうも私はドヴォルザークを軽んじているようで、我ながら情けない。
  どんな楽団も、作曲家も、音楽も、聴いてみなけりゃ解らない!
  というのが私のモットーなのに、どうもドヴォルザークは避けてきた。
  
  4年間、メルマガでコンサート突撃を繰り返してきたが、「新世界より」
  を聴いたのはネッロ・サンティのN響だけ。
  
  2004年9月19日N響「新世界」感想
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai3/dai45.html
  
  読むまでも無い感想だったが、あの曲は冷静に向き合えば、
  やっぱり佳い曲。

  それなのに何故だか軽んじられてるし、私も軽んじているのが本音。
  これは恥ずかしいことだな、と感じていた昨今、
  大学オケでプログラムに挙がっていた。   (隊長作)

一丁聴こう!草津へ飛んだ。
  
  今回の滋賀医科大を選別したのは、冷静な判断もある。
  医科大学とは、まさに「医学部」であり、頭がイイ。
  頭のイイ大学や学部には、不思議な法則があるようで、楽器経験者が多い。
  しが県民芸術創造館
ある一定以上の御子息御令嬢は、
幼くして楽器を与えられ、
英才教育が施されるのか?

音楽一辺倒ではく適度に音楽を愛することで
情操教育は成功するのか、
豊かな音楽感性を磨きつつ、
地元の名門校へ進み、
大学医学部へ進んだのが、
彼らなのか。

  そう言えば、私の大学オケの医学部先輩後輩は、思い出せる人々全員が   (隊長作)

楽器経験者だった。

  恐ろしいまでの偶然か?常識なのか?
  幼児からピアノをやってましたという凡人は多いが、
  医学部の楽器達人は不思議と多い。

  医学部や医者が必ずしも幸福な人生が約束されているとは思わないが、   (隊長作)

幼児からの音楽には医学部へ通じる抜け穴があるのかもしれない。

  医科大学=楽器経験者多数=演奏ウマイ。
  このように私は考えたわけであります。
  しかも、この滋賀医科大、単科大学(カレッジ)なのに「管弦楽団」と云う。
  
  同日、名古屋では「名古屋大学医学部室内合奏団」が演奏会を開いていたが、
  オーケストラでないのが残念だった。
  名大の方が大きいが、名大響があるせいか、室内合奏団。
  室内管弦楽団とさへ名乗らない点は奥床しさを感じたが、単科大学なのに
  管弦楽団とブチ上げてる滋賀医科大には、逆に興味が沸いた。
  しが県民芸術創造館
最近、コンサートホール・マニア
にもなりつつある我が隊ですが、
「しが県民芸術創造館」というホールが初モノだったのも、
ポイント高かった。
  
JR南草津からかなり遠い所だった上に、
ネーミングからは最近出来た新造ホールのように思われるが、
実際は古臭い市民会館だった。

  名称変更しているようで、近江商人の逞しさが伝わる。
  
  先日、平凡な「文化会館」よりは「芸術道場」の方が面白いと書いたが、
  滋賀県は言われなくともそれをやっていたわけだ。
  しかも「芸術創造館」ですよ、あなた。   (隊長作)

フツーな文化会館なのに。
  ここまで開き直れば、立派だと思う。
  まんまと一杯食わされたわけで、小気味良い。
  
  肝心な演奏への感想。
  推察通り経験者が多い。
  特にヴァイオリンのウマさは抜群で、高弦のレベルは玄人跣(くろうとはだし)。
  これは結構な事なのだけれど、それが返って低弦や木管とのレベルの相違を
  目立たさせる。
  
  しかし情熱面では、今までの名門大学オケとは異なっていた。
  東大、阪大、早慶といった名門を聴いてきたが、いずれも冷静な思考が
  支配しており、私には少し合わなかった。   (隊長作)

しかし滋賀医科大はアツイ。

  新世界と云う、誰もをアツクさせる名曲ゆえの興奮とばかり言えない。
  だって中プロのアルルの女も、切れ味鋭かったのだから。
  ケーゲル盤アルルを愛聴している人がいるのか、随分ケーゲル調で、鋭い演奏。
  
  しかもヴァイオリンが滅法うまいわけだから、映える。
  しが県民芸術創造館
これだけの知性と情熱を持つオケなのに、
どうにも合点が逝かぬのがプログラム。
  
スラヴ・ダンス、アルル、新世界と、
コテコテの名曲街道まっしぐら。
アンコールにハンガリアン・ダンスと来た時は、
その徹底振りにニヤリ。

ここまで来れば、意図的なシュールレアリズム。

  名曲も徹底した技術と情熱で挑めば、こうなりますよ、と突きつけられたような演奏会だった。


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