(隊長作)

2008年1月5日(土)  16:30   - 174 -    訪問者数

    オストメールフィルハーモニカー  角田鋼亮指揮   愛知県芸術劇場
    ピアノ独奏 小川典子
  
      ショスタコーヴィチ   ピアノ協奏曲第1番
      マーラー        交響曲第6番「悲劇的」

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  愛芸の模型
約百人の男だけで構成されたオケ。

かつてウィーン・フィルに女性が
入団するしないで揉めた事があったが、
日本にも男性だけのオケがあったとは。

その理由は、
男子校OBが母体となっている楽団のため。

  一面黒の礼服がステージにビッシリ。
  おおっ、これは壮観!
  女性に対して大変失礼だが、女性が多い楽団に出くわした時、
  大音量やスフォルツァンドが心配になってしまう。

  大音量や激情表現よりも、正確な音程や楽譜に忠実な演奏を
  第一に心掛けてる人が、女性には多い気がするから。
  それだけ細やかな感情の起伏なんかは得意なんだろうけど。
  そんな一元的な見方をするのは、もう古いのかな。
  強烈な女性は、この世に沢山いるし。
  
  今回は全員男子オケ。
  男だけでやると演奏はどうなる?という一つの答えが得られるかもしれない。
  
  しかもマーラーの悲劇的。   (隊長作)

楽曲に不足なし。
  今年1回目の演奏会としても、これ以上のプログラムは少ない。
  カプリングにはショスタコのPコンと、ここまで徹底した選曲も
  名古屋にしては先進的。
  愛知県芸劇
問題は、ホール。
今回で8回目の訪問となった
愛知県芸劇ですが、
ワンワン・ホールという
汚名は免れ得ないでしょう。

私にとってのこのホールは、
建設当時に多少の縁があり想い出深い。

それだけに、

  ワンワン響き過ぎて演奏がぼやけてしまう悲しさを認めるのは忍びなかった。
  名古屋にはいくつか音楽専用ホールがあるが、このホールを選択している段階で、
  楽団に識者は少ないのか?と思ってしまう。
  逆に、名古屋市民会館やしらかわホールを選択している楽団には、
  「解かった上でホール選定しているんだね?」と嬉しくなってしまう。
  
  愛知県芸劇はゴージャスで綺麗でシューボックス、立地条件も抜群。
  言うこと無しの愛知県が誇る音楽ホールだが、ホールにとって
  最も重要な音響が気に入らないのは、私的には致命傷。
  楽曲や演奏にもよるんだろうが、8回も演奏会を聴いて、
  やっぱり気に入らないんだから、そろそろ認めざるを得ないようだ。
  
  そんなハンディキャップをモノともせず、オスフィルは奮戦健闘したのか。
  まずはショスタコのPコンですが、これは結果的にはつらかった。
  ピアノとトランペットのための協奏曲、と言うべき超絶協奏曲であり、
  プロフェッショナルなトランペッターでさへ、一か八かの超難曲。

  小川典子のピアノは健闘していたが、ピアノとタイマン張らされる
  ペットはプロ中のプロでないと無理だって。
  そんな難曲に敢えて挑んだ意義は大きく、タコのPコン1をやった、
  という実績は日本広しと言えども滅多に無いでしょう。
  凄いと思う。   (隊長作)

さて、本題の悲劇的。
  このマーラー畢生の大音楽は、どうも「私には」旬を過ぎたのかなと、
  寂しく聴いた。
  現在のオーケストラ界は、既に演奏頻度最多はマーラーかもしれない。
  ベートーヴェン、ブラームス、チャイコ、ドヴォルザーク。
  そりゃこれらは毎日どこかの街で演奏されているが、
  ここぞという時に選出されるのはマーラーが多くなっている。
  
  高校二年生で「復活」に目覚めて以来、私の脳味噌は
  マーラーとショスタコで長らく二分割されていた。
  しかしその後、ブルックナーが入り、プロコも勢力伸張。
  ニールセンやシベリウスまでもが、確固たる領土を確保。
  最近ではパリー、ステンハンマル、ベルワルド、バタワース、
  フォールズ、など、さまざまな新興国が台頭。
  昔日の大国マーラー帝国は、没落する一方だ。
  あんなに好きだったのに、どうした私!
  
演奏技術は高く、演奏姿勢も前傾体勢、
何かに追いつこう掴み取ろうと
驀進するマーラー演奏だったが、
若き日々に狂喜した感慨は産まれてこなかった。

私のマーラー愛は醒めたのか?
演奏にあと一振りスパイスが欠けていたのか。
先日も別のマーラー実演に出掛けて、
同じ様な感慨を抱いたばかり。

本楽団によるものでなく、私自身のマーラー感受性が
劣ってきたんだと、今は思う...。
  
  今回の演奏も含め、最近立て続けにマーラー実演に出掛けた。
  その中で共通して感じることは、ベルアップ。
  管楽器がここぞという時、筒口を前方に上向けて斉奏するデモンストレィションなのだが、
  客席から耳を凝らして聴いてみても、音量変化はほとんどナシ。
  
  1回や2回なら視覚的に効果大だが、何度も何度もベルアップ。
  何度も何度もでは、効果なし。
  逆に、マーラーのあざとさを感じてしまうのは、私だけ?
  
  悲劇的で大いに気になる所は、ハンマー。
  ほんまミーハーなんですが、ハンマーブッ叩きの箇所は身を乗り出して待ち構える。
  視覚的には最高で、音響面では左程ではないが、これは良かった。
  少し前から垂直に振り上げたハンマーは、天を目指して高く振りかざす。
  
  大見得を切ったような静止がさまになっており、かなり重いだろうに
  2度までも大見得を切った振り上げは格好良かった。
  ああいうパフォーマンスはイイと思う。
  
昔の私なら、もっともっと絶賛してるような
演奏でしたが、私のマーラー愛縮小のせいで、
こんな感想になってしまいました。

それなら書かない方がいいのだがと、
悩んでいるんですが、自分の中の
マーラーと向き合う意味で書いてます。
とんだトバッチリで、申し訳無い。
演奏はスーパーナゴヤに相応しい
素晴らしいレベルでした。


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   ●過去聴いた 『悲劇的』 なコンサート感想●

    2004年 10月17日 尾高忠明指揮  札幌交響楽団
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai3/dai50.html

    2004年 5月14日 サラステ指揮 NHK交響楽団
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai2/dai22.html

    2005年 10月2日 松沼俊彦指揮 TAMA21交響楽団
    http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai5/dai96.html












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