(隊長作)

2008年1月12日(土)  14:00   - 175 -    訪問者数

    オーケストラハモン   長田雅人指揮   サントリーホール
  
      マーラー   交響曲第2番「復活」

  vnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvnvn
  18切符と都内23区内フリー乗車券
11月、12月に続き、3回目の東京遠征。
あんまりにも楽しいんで、毎月上京している。
今回は2泊3日、4公演の旅です。

往復には青春18切符を大活用。
往復なのに5千円未満の交通費。
宿泊費は2泊で12,000円でしたから、
コンサート以外の諸費用は約17,000円。
1日あたりの諸費用、5,666円。


  この値段で聴きたいコンサートが聴けれた上に、CDや古本の蒐集を
  組み合わせますから、我が隊にとっては十分元が取れる東京遠征と云えます。
  肝心なのは、コンサート演奏の良し悪し。
  
  今回のサントリーホールは、実に2006年5月27日キタエンコ指揮
  東響のレニングラード交響曲以来。
  赤坂アークヒルズ
サントリーホールはやっぱり、東京を代表するホールですよね。
久々に訪れたら、心ウキウキになっている自分が、恥ずかしい。
「復活」90分一本勝負という混じりッ気なしの演目。
聴く側としても気合が入ります。

13時ちょい、東海道線新橋駅下車、
駅下ガードレールでカツ丼を食し、
銀座線で溜池山王駅へ。
13時40分着、13時50分ホール入場。

いつもながらギリギリの行動であり、
今回は少しハラハラした。

  だって遅刻したら、「復活」第1楽章を聴き逃すし、楽曲の途中入場する人って、   (隊長作)

凄く腹立つんですよね。
  自分自身が腹立つ事を、自分自身がやっちゃぁおしめぇよぉ。
  しかし遠路8時間かけてサントリーまで来て、タイムアウトで
  聴けませんでしたは無いよな。
  全てが計画通り、演奏も当たるのか。
  
  演奏感想の前に、プログラム・パンフレット(入口で頂く小冊子)について。
  当楽団は毎回ハイセンスなデザインで、他楽団と完全に一線を画する
  レベルなんですが、今回のパンフ・デザインも非常にステキ。
  わたしはパンフ・デザインについて語った事が少ないけど、今回は
  斬新でいてかわいく、クラシック・コンサートとは駆け離れているのにオシャレ。
  
  スケートに興じている複数の若者男女が全面に描かれているのだが、
  イラストが楽しげで、「復活」と全然違う。
  それなのにこんなに惹かれるのは、何かあるんだと思う。
  
さて、久々のサントリーでのコンサート、
しかも「復活」。

サントリーでは「復活」を何度か聴いている。
忘れもしないアバド&BPOの来日公演しかり、
ザ・シンフォニカーを補助席で
聴かせてもらった想い出しかり。

そして今回がはるばる8時間かけて
上京した、ハモン。

  「復活」演奏会は聴く側としても特別な労力と思い出が残る。
  それだけに会場全体がヒートアップするし、奏者も聴衆も燃え上がる。
  
  チェロがゴリゴリゴリ!!と、大いに気合の入った導入部から曲は始まった。
  オーボエ、フルートが極上にウマく、あの二人は何者なんだ?職人か?と
  思わせるほどの手練れが混じっている。
  こういう団員が混じってるからこそ、復活を採り上げるんだろうし、
  楽曲演奏も本格的な玄人裸足。
  ゴリゴリ弾いてくれるチェロ軍団も驚きの統率力で、低弦と木管が
  ズバ抜けてウマい(勿論他のパートも高水準ですよ)。
  ここからはプロオケを聴いている感覚で、感想を書きます。
  
  それなのに全体の印象は、「荒々しさ」がない。
  言い換えれば、流麗で滑らかなマーラー演奏。
  初期マーラーの苦悩の境地を顕した「復活」は、七転八倒した演奏の方が、
  わたしは良いと思う。
  上手に演奏しろ、じゃなく、七転八倒な演奏を望む、というのも酷すぎる話だが、
  「復活」が好きな人ならこのニュアンスは感じていただけるんじゃないか、
  と勝手に思う。
  
  一人一人の技量が高過ぎて、楽々と演奏しているように聴こえ、
  苦しむサマが出て来ない。
  難所に次ぐ難所を乗り越えたりズっこけたりしつつ、
  一楽章づつクリアしてゆくサマにハラハラ感が生まれる時があるが、
  今回の演奏は飄々と進み行く凄腕たちの演奏。
  
  終盤、大合唱も加わり、いよいよハートのエンジンが懸かったところで、
  クライマックス。
  この大きな興奮が、中盤くらいから生じていれば、全然違った世界が
  現出されてたんじゃないか、と残念に思う。
  「復活」は動と静が交互に、コントラスト大きく交代する。
  情熱と冷却の繰り返しで、長い大曲なのに長期に亘る盛り上げ方が難しい。
  
  本演奏は、一コマ一コマはきっちりと攻略しつつ、大局観に立った構築が
  今一つだったと私は思う。
  こんな風に感じたのは私だけだろうし、私の感受性はおかしいんだろう。
  
  ただ、残念なのは期待していた指揮者。
  オーソドックスな解釈、安定した棒捌き、冒険は無く、面白く無い。
  こんな指揮する人だったかなぁ。
  最近ますます、マーラーが分からなくなってきた。


   前へ  HOMEへ  次へ













inserted by FC2 system