(隊長作)

2008年1月20日(日)  18:30   - 181 -    訪問者数

    名古屋大学交響楽団   黒岩英臣指揮   愛知県芸術劇場
  
     ドヴォルザーク  序曲「謝肉祭」
     ブラームス    ハイドン・ヴァリエィション
     サン=サーンス  交響曲第3番「オルガン付き」

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ディ・ムジカンテンを聴き終え、ぶらぶらと
名古屋伏見から地下鉄一駅分歩けば、
名古屋を代表する中心街、栄。

今回は楽しいダブル・ヘッダー。

名古屋のコンサート・ホールは
ここ栄(愛知県芸術劇場)を中心に、西に一駅で
伏見(しらかわホール)(ザ・コンサートホール)、
南に4駅で金山(名古屋市民会館)。

  頻繁にクラシック・コンサートを行なっているホールはこの4ホールだから、
  十分前後の移動で簡単に梯子ができる。
  こんなにホールがかたまっている地域は、名古屋だけだろう。
  
  今回も名物のような、大入場行列。
  関西東海は名門大学オケの定期演奏会は大賑わいだ。
  一時間前に行ったおかげで、整理券は50番内が取れた。
  しかし実際入場してみると、1〜2階席ばかりが大人気で、
  私の第一希望3階席はガラガラ。   (隊長作)

そういった席が希望な人なら、並ぶ必要ない。
  
  演奏は今年も素晴らしい出来映え。
  3階席からは、楽団員全ての演奏状態が俯瞰できたが、誰一人として
  未熟な奏者が見つけられず、大学オケとしてもアマオケ全体から考察しても
  驚異的な技術レベル。
  
  そんな技量をもつスーパー大学オケなのに、前プロは「謝肉祭」。
  選曲会議なんかで選ばれたんだろうから、学生にも人気の曲なんだろうが、
  一体この曲のどこがいいのか?   (隊長作)

この曲より素晴らしい曲は山ほどあると思うが、ナゼ?
  案の定、「謝肉祭」の演奏は素晴らしいだけに、これだけの演奏が
  出来るんだったら、選曲ももっと野心作にすればいいのにと非常に残念。
  
ハイドン・バリエイション。
ブラームスの短いオーケストラ曲といえば、
「悲劇的」「大学祝典」
「ハイドン」。

どれも大人気の曲だが、「悲劇的」以外は、
私は好きじゃない。
「謝肉祭」に続いて自分の好きじゃない曲が
続いたが、それにも関わらず、
この演奏には感服してしまった。
  
  丁寧でいて熱っぽく、丹念でいてゴリゴリ弾いてくれちゃったりして、
  こういう演奏に出会うと、聴く側も感じずにはいられない。
  そもそもの演奏技術レベルも特上で、なおかつ、訴えてくる気迫に溢れる。   (隊長作)

最上のコンサート。
  毎年あれだけの行列が出来るのも頷ける。
  
  メインはオルガン付き。
  人気は高く演奏効果も高い。
  パイプオルガン使用料さへ無かったら、もっともっと演奏されている曲だろう。
  弦が強烈に弾きまくるシーンが多く、難しそうに聴こえる。
  簡単ではなかろうが、音列進行は複雑ではない。
  転調や調性崩壊はなく、基本がしっかりしているオケなら選曲は
  恐れる必要は無い。
  
  やはり、問題はパイプオルガンなんだろう。
  練習時はキーボードで十分だろうが、楽団にペシミストが多いと
  そういった練習は否定されやすいのだろう。
  幻想交響曲なら「鐘」、チャイコフスキー1812年の大砲、
  マーラー第4番ならコンマスの「2丁ヴァイオリン」、
  ニールセン第4番なら「ダブル・ティンパニ」・・・。

  良い曲なんだけど、採り上げるには課題がある楽曲は多い。
  逆にベートーヴェンならトロンボーンをどうするか、などもある。
  コンサートの前に食べた名古屋名物あんかけスパゲティ
選曲はそういった難題課題を乗り越える
妙があるが、それを避けたがる人が多い。

パイプオルガン使用料はたしかに
予定外の費用だが、それをクリアできれば
今回のような大感動の演奏会に
辿り着ける訳だから、
この困難を克服した彼らだけが
享受できる幸福なのかもしれない。
  
  今冬は、この名大と阪大が採り上げている。
  名阪対決ということで、シンフォニーホールのオルガンで阪大も
  聴きたい所だが、ヤボ用があって行けなかった。
  3月29日の西日本医科学生オーケストラフェスティバルで、
  「オルガン付き」をザ・シンフォニーホールで聴けるので、大阪のオルガンは
  それで楽しもうと思っている。
  
  愛知のパイプオルガンは、輪郭が明瞭で鳴りっぷりは上々。
  かつてNHKホールで聴いた時は音勢が弱く、オケ対オルガンの構図が出来てなかった。
  今回は3階座席の位置が良かったのか、この対立対決がドラマチックで、
  弦はギシギシと悲鳴を上げつつ、必死に取っ組み合うような力演。
  
  心残りなのは、打楽器系。
  指揮者の指示か、フランス音楽の特徴か、楽譜に明確な指示があるのか、
  ここぞという時に強打音が聴こえてこない。
  ホールと座席のせいかも知れないが・・・。

  オルガンとオケ全員をかいくぐる強打は難しいのだろうが、
  それを乗り越えてティンパニが轟いてくれると、もっとアツかっただろう。
  全体の音響にうまく溶け込んでいたとも言えるが、ここだけが
  私好みではなかった。
  ただアツイのだけを目指すんじゃないのがフランス音楽、なのかもしれない。
  
とは言っても、総体としては
素晴らしい大秀演。

この冬、
各大学定演の中では、
ピカイチの演奏だったと、

早くも宣言したい。


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  ●過去聴いた 『名古屋大学』 なコンサート感想●

   2006年12月17日 名古屋大学交響楽団 武藤英明指揮
   チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲、 ブラームス交響曲第4番 他
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai7/dai133.html














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