(隊長作)

2008年4月27日(日)  13:30   - 198 -    訪問者数

    名古屋ワーグナー管弦楽団   山下一史指揮    愛知県芸術劇場

     ワーグナー   ジークフリート牧歌
             「ワルキューレ」第一幕 演奏会形式

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  オアシス21
私が理想とする専門オケが、名古屋でまたひとつ誕生した。
しかもその名が「ワーグナー管」だ、驚くべき快挙である。
東京ではショスタコーヴィチ、シベリウス、マーラー、
日本人作品を専門とするオケが。

名古屋でもブルックナー専門オケが進化を続けている。
ここへ持ってまた一つ、
しかも最も困難を伴うことが容易に推察できる
「ワーグナー」を目的として結成された。

  チラシ、チケット、パンフレットのどこを見ても書いていないのが「第1回定期演奏会」の文字。
  かろうじて「演奏会」とはあるが、「定期」とか「第1回」という文字が
  無い。   (隊長作)

一発オケなのか?

  しかしパンフレットを読み進めていくと、流動的な状況が推察される。
  第2回へと続くのか、大きな花火として燦華するかは、未定なのだ。
  これは、是非、どしどし続いて欲しい。
  当日入場券2千円は、我々にはかなり高いチケットだったが、
  久々に2千円が安く感じられた名演奏会だった。
  これは、是非、続けて欲しい。
  
  ちなみに私のワーグナー歴はお恥ずかしい限りでして、ケルン歌劇場の
  「ライン・ゴールド」と、ウィーン国立歌劇場の「ジークフリート」だけ。
  隊長はこのほか、ルネ・コロの「タンホイザー」(日本公演)と
  演奏会形式「ワルキューレ」があるだけ。
  全然、語れない。
  
  しかし、CDでなら頑張って聴き込んでいる。
  特別に愛聴限りないケーゲル盤「パルジファル」を始め、
  カラヤン盤「ジークフリート」「ワルキューレ」、
  ヤノフスキ盤「ライン・ゴールド」「ジークフリート」といったトコロか。
  まだまだ初心者です。
  
  ワーグナーの、しかも特にリングは、数十年単位で愛し抜いていかないと
  その真価は聴こえて来ない(と思う・・・)。
  最近とみにパルジファルが好きになってきたが、それもケーゲル盤に
  出会えたからというお粗末さ。
  でも、こうやって一歩一歩じっくり攻め登るには絶好な音楽が、ワーグナーなのだ。
  
  学生時代、年末深夜のFMはリング特集で、毎年格闘してみたが
  ちっとも解らなかったのが微笑ましい。
  あの頃の自分と比べると、少しは丘も登ってこれた感慨を抱く。
  
  ワーグナーの楽劇や演奏会は、やはりあまり無い。
  しかもチケット入手は難しく、予定が合致することも少なく、それだけに
  休日にこうやって演奏会形式で「低額」で提供して頂けるとは、本当に嬉しい。
  
  2千円そのものは安くないが、あれだけ声量と伸びのあるジークムント(二塚直紀)と
  ワーグナー歌手としては少し優しすぎるがそこが返って清楚で美しかった
  ジークリンデ(池田香織)というプロも招聘していることを考えると、
  もう少し値が張っても高くは無い演奏だった。
  名古屋・栄
このメルマガを読み続けて下さっている
読者様にはお分かりいただけるでしょうが、
名古屋のアマオケは社会人オケも大学オケも、
テンションが究めて高い。

ゆえに名古屋のアマオケにヘタレは少なく、
そこからワーグナーを弾きたい連中を集めた
という事で、当然上手かった。
  
しかし、かなり贅沢を言えば、音量が欲しかった。

  音程や構成は見事で「楽劇」の趣旨を十二分に理解している演奏だったが、
  もっともっと、演奏者は自分たちが思っている以上に馬鹿げているほど
  大袈裟に演奏したり音量をヒートアップさせないと、ワーグナーの世界は表現できない。

  そもそもあのおっさん(ワーグナー)はイカレタ野郎なんだから、ここはという決め所は
  強烈に決め込まないとあの毒々しい世界は浮かび上がらない。
  
  また、そこがワーグナーのぞくぞくするような世界だ。
  座った座席の音響によるのかもしれないが、もっともっとファーストと低弦が
  キンキン・ゴリゴリして欲しかった。
  管の迫力に押されていた感があり、管は十分その世界を彷彿とさせてくれた。
  
  
  今回はもう少し、細かな点も。

  開演前に「ファンファーレ」が金管隊だけで演奏されたが、バイロイト音楽祭みたいだね。
  ああいうこだわりはステキだし、他のオケも大いに取り入れて貰いたい。
  演奏会前はとかく緊張するもんだろうが、徹底して演奏会をワーグナー風にしようという精神が素晴らしい。
  ショスタコ演奏会前は「南京虫」の一節なんかをやってくれると悶絶もんなんだが。   (隊長作)

ああいうのは実に面白い。
  
  プログラム(紙の小冊子)も凝った装丁で、しかもセンスがあった。
  ワルキューレ第1幕の対訳は勿論のこと、楽団代表の「ご挨拶」が泣ける。
  苦節5年、これほどの演奏会を実現まで持ってこれたとは、本当に実力のある人だ。
  実力だけでなく、ワーグナーへの愛が半端でなく、これほどの人なら
  次回はきっとパルジファルだと信じる。
  
  企画も凝っており、大学講師を招聘して軽くレクチャーもあった。
  しかしこれは残念で、ホールの音響とスピーカーのせいで、
  何を話しているのか90%は聞き取れなかった。
  ちょっとした解説程度ではリングの背景は伝わらないだけに、
  解説そのものも難しいと思う。
  
思い返すにつれ、ぜひ、常設オケになって欲しい。
独唱者や合唱団の手配が大変なら
オーケストラ版でも良いし、抜粋集でも
良いと思う。

半年後とにワーグナーだけの演奏会が開かれたら、
なんてステキな事だろう。
  

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  ++ 過去聴いた 【ワーグナー】 なオペラ感想。++

  *2001年  またもやゴミ系演出 ケルンの《ラインゴールド》
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/ryo2/ryo35.html (旅行記の途中なので中途半端に始まります。)













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