「サッカーとクラッシク、世界と日本」　　-　12　-　　(２００６年７月) 　　
　　
　　クラシック・ファンのみなさんにお聞きしたい。
　　ワールド･カップはご覧ですか？ 　　

やっぱり日本代表を応援ですか？
　　
　　クラシック･ファンの中には、日本人演奏家を妙に肩入れしている人がいる。
　　日本人なら、世界を相手に奮闘している日本人を応援して当たり前、
　　という気持ちは解らないでは無いのですが、世界レベルからみて応援するほどの
　　日本人演奏家（指揮者含む）がいないのは否定しがたい現実です。
　　そういった日本人が皆無ではないことは、川口や中田を見てもそうですが、
　　他の多くの選手は明らかな格下だった。
　　
　　あれ、サッカーとクラシック、ごっちゃになってしまいましたが、そう、
　　そうなんです。
　　サッカーもクラシックも大きな世界レベルから見たら、まだまだ子供。
　　一部の突出した人材は世界で活躍すればいいし、まだまだ子供なレベルなら
　　もっともとお練磨すればいい。
　　問題は、今回のような日本代表になると、多くの同国人はナショナリズムに
　　大いに共感して燃え上がってしまうこと。
　　
　　日頃私たちクラシック・ファン（一部除く）は欧米を中心とした
　　オーケストラや指揮者に才能を見出し、感動を享受しています。
　　日本の地方オケ常任指揮者や国内を活躍の中心にしている演奏会には
　　あまり目を向けないでしょう。
　　なぜか？
　　大した人が少ないからです。
　　
　　あれほど日本人の指揮者や演奏家を欧米のそれより格下に決め付けている
　　我々なのに、ことサッカーとなるとヘタクソな日本人代表を盲目的に応援しています。 　　

不思議だ。
　　これは世界一流のサッカーをいかに多くの日本人が知らないかを
　　顕わしているかであり、日本のＪリーグだけしか観ていないかを物語っています。
　　
　　ただし私だって日本には強くなってもらいたい。
　　サッカーにしろ、クラシックにしろ。
　　今回のサッカーを観戦していて、テクニックのレベルに目をそらせても、
　　攻撃力が完全に劣っていることは誰の目にもハッキリした。
　　これはクラシックにも言える事で、攻撃的な闘争心旺盛な人が日本には少ない。
　　お隣の韓国や中国には沢山いるだけに、不思議な民族性だと思います。
　　
　　今回の日本敗退を機にサッカー熱が冷めてしまうのが怖いですが、
　　これはクラシックにも言える事で、日頃の底辺で切磋琢磨している音楽を
　　応援・注目し続けることも、大切だと思ってます。

　　よく、「私は外来オケしか聴かない」と自慢している人がいますが、
　　なんて底の浅い人間かと思う。

　　私はカネが無いのもありますが、外来オケなんて佳い演奏して当たり前でしょう、
　　日本の地方オケやアマオケを応援してこそ、
　　そこにダイヤの原石を発見するかもしれないのだし、
　　芸術の面白味が落っこちてるだろうに。