Saru(隊長作)

「白波五人男」 四月大歌舞伎(夜の部) 歌舞伎座  - 2 -  (2004年4月)   訪問者数

歌舞伎座 【 銀座 】

この日(4月4日)は疲れた。
まずはCD買うぞ!と張り切ってアキバへ。
小雨が降る中、石丸電気CD館へ。

今日のお目当てはロジェヴェンのBBCレジェンドシリーズ
「チャイ4」とC・デイヴィス&LSO「シベ5&6」。

  店内には告知ポスターやコピーが貼ってあるので、せっせと探しちゃいました。
  クラ・オタの名に賭けても易々と探し出しちゃる、と隈なく見ましたが、ありません。
  店員さんに聞くのは苦手なんですよね。
  「あのぉ、ロジェベンのチャイ4とコリン・デイヴィスのシベリウス新譜出てますか?」
  ね!まるでオタクみたいでしょぉ。
  イヤなんですよ、オタクである事、自覚するのが。
  
  結局、未入荷と判明。
  そりゃいくら探しても無いわな。
  
  それでもどうしても欲しいので、新宿タワーレコードへ移動。
  しかし、ここも無い。ホントに未入荷のようだ(4月4日現在)。
  
  今日はCD漁りに出てきたのでなく、久方ぶりの歌舞伎見物に繰り出して来た。
  どお?ナウいだろ?
  みなさんの頭の中には、歌舞伎なんてこれっぽっちも無いでしょぅ?
  アウト・オブ眼中。そんな表現もありましたな。
  私だって1年前まではそうだった。
  
  まず、どこでやってんの?そんなもん。
  たまにしかやってへんのやろ?
  やってたとしても、高いんやろなぁ。
  それより何より、面白なさそ...
  
  全く、こう考えてた。
  考える余地さへ無かった。
  
  しかし違うんですよ、これが。大いなる勘違い。
  まず、東銀座に歌舞伎座という常設劇場がある。
  これは日本のシュターツオーパーみたいなもんですよ。
  新国みたいな無機質な建物じゃなく、こういう建物で日本のオペラ座を建てれば良かったのに...!
  それから、毎月毎月25日前後も上演している。
  しかも朝から晩まででっせ。ウィーンなんて目じゃない上演回数。
  そして、安い席がある。一幕千円前後。
  一幕は30分から2時間までと、ケース・バイ・ケース。
  歌舞伎座のHPで時間・金額はしっかりチェックできます。
  
  歌舞伎座ホームページ
  http://www.kabuki-za.co.jp/
  
  私は天井桟敷という場所に妙な憧れがあって、この安くて庶民的な席が大好き。
  これはヒガミで言ってるのではなく、通ぶってるのに近いかな。
  実際、歌舞伎座一幕席には「通」らしきお爺さんが鋭い眼光で「オモダカヤ!」とか叫んでる。
  「ちょっと、静かにしてくんない?」なんて言えない迫力がある。
  
  白人の観光客も多い。
  君達には難しすぎるんだよ、と言いたいが、こんな東の果てまで来たくらいだから、
  歌舞伎は外せないスポットなんだろう。
  まるで我々が欧州のオペラ座近辺で、どこにチケットボックスが在るんだ?と
  ウロウロ嗅ぎ回ってる風情で、大いに親近感を感じる。
  日本人のワテでもよぅ分からんのに、偉いことでっしゃなぁ、と声を掛けたくなる。
  彼らは一様に期待一杯のご様子で、ハーイ・テーンショーン。
  凄くウルサイ。
  まぁ我々も強烈演出のオペラを観る前、期待もすればハシャギもするかなぁ。
    
矢場とん
話は前後するが、終演後、「矢場とん」で食す。
知ってます?「矢場とん」。
「YA・BA・TO・NN」です。
名古屋が誇る「味噌かつ」の超老舗。
なんとそれが銀座の外れに進出してたんです。
味もまさに矢場とんでした。違うのは空いている事だけ。
名古屋じゃ、行列ですよ、並ぶんですよ。
それが並びもせず、即食える。なんてラッキー。

  「矢場とん」
  http://www.yabaton.com/ginza/
  
  あと銀座の松屋で弁当を買ったんですが、歌舞伎座では幕間で弁当を広げるのも楽しい一時です。
  どうして日本のホールでは食事関係が貧弱なんでしょうねぇ。
  いろんな利害関係が絡んでるのか。
  巧い音楽に美味いメシ、そして旨い酒まであったら、どんなに素敵な時間になる事でしょう。
  銀座松屋では「常盤軒」が美味い。一個一個の味が旨くて、どれも食べ尽くすのが惜しいくらい。
  今日はおむすび弁当「奥の細道」にしました。
  おむすびの具がこれまた凝ってます。おかずも負けてません。
  
  「常盤軒」
   http://www.tokiwaken.co.jp/   
  
  
  【2】歌舞伎鑑賞 (第 1 回 隊員報告)
    
  「白波五人男」 四月大歌舞伎(夜の部) 歌舞伎座
  
   勘九郎 仁左衛門 三津五郎 福助 信二郎 ほか
  
  「白波五人男」、タイトルは有名ですよね。
  そろいの伊達衣装に、唐傘さして、五人揃ってゴレンジャー、みたいな。
  
  4月26日まで毎日やってますから、初体験にはもってこいですよ。
  昼の部は「番町皿屋敷」や「義経千本桜」とこれまた有名。
  朝寝坊の私は、「番町皿屋敷」が見たいんだけど、難しいかなぁ。
  
  弁天小僧が勘九郎なんですが、やっぱり江戸っ子義賊モノは勘九郎の十八番でしょう。
  少々声が小さいのがなんですが、彼の語り口は巧いです。
  南郷力丸役は三津五郎。伴侍役も堂に入ってて感心した。
  しかし先ほどの御老人は何が気に食わないのか、ぶっすり。
  どの世界でもマニアは厳しいなぁと思う。
  
  「大詰め」はたったの30分なので、一幕席はなんと500円。
  だからか、入れ替え時に外人さんが大挙してやってきた。
  30分なら気軽だし、500円というのもトライし易いのだろう。
  
  この「大詰め」は音楽と拍子木とチャンバラが全てなんですが、外人さん
  には面白かっただろうな。三味一本と長唄で始まり、これがまた渋い出だし。
  長唄が終わったところで、水色の垂れ幕がサッと落ちたと思ったら大屋根瓦上での捕り物。
  外人さん達と一緒に歓声の私。
  剣術の型のようなスローモーションでチャンバラは始まるが、テンポ・アップと共に
  チャンバラは殺陣へと変化して行く。面白いよ、純粋に。
  オペラでここまで殺陣することってあるのかな?
  今月はプロコの「ロメジュリ」を新国で観るんだけど、どれほどの決闘シーンか
  比較してしまいそう。これはバレエだけどね。
  
  歌舞伎を観るにつけて想い起こすはオペラ。
  オペラを観る人は、話のネタでもいいから歌舞伎も観て御覧なさいまし。
  
  こんだけの芸術が育ってたのに、オペラとの交流があったら、どれほど日本の
  独自オペラが生まれていた事か、と嘆じます。

   前へ  HOMEへ  次へ









inserted by FC2 system