名古屋フィルの来シーズン・プログラム発表 - 21 - (2007年9月)
08年4月−09年3月シーズンの
名古屋フィルのプログラムが
発表されました。
指揮者陣はN響や読響に
比ぶるまでもないけど、選曲が実に秀逸。
これだけ凝っている年間プログラムは、
そう無いと思う。
ほんの一例を挙げると、こうだ。
○4/18(金)18:45、4/19(土)16:00 マックス・ポンマー指揮
アイヴズ 答えのない質問
ツィンマーマン トランペット協奏曲『誰も知らない私の悩み』
ハイドン 交響曲第22番変ホ長調Hob.I-22『哲学者』
R.シュトラウス 交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』作品30
マックス・ポンマーって誰?は置いといて、
「質問」をして、「悩み」を提示し、「哲学者」登場、
「ツァラトゥストラはかく語りき」とくる。
クラヲタが酒飲んで理想を語ったようなプログラムだ。
本当にこんな手の混んだプログラムが、名古屋で登場するとは。
「ツァラトゥストラ」を主題にプログラムを発展させているそうで、
「次期常任指揮者・フィッシャーの監修」。
それくらい思い入れ込めないとこういったプログラムにはならないよね。
こんな調子が一年間ずぅっと続く。
メイン曲でも、ブルックナー第9番や、シベリウス第5番、グラズノフ第5番が登場。
しかも今迄の国内では、有り得なかったカプリング曲と伴に登場。
かと思えばブラームス(シェーンベルク編曲)ピアノ四重奏曲第1番が
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番より第3楽章「病癒えた者の神
への聖なる感謝の歌」[弦楽合奏版]とカプリングされて登場。
この日はレスピーギとチャイコも組み合わさってるので、
一体どんな演奏会になるのかワクワク。
手堅いところではベルリオーズの幻想やマーラーの巨人。
面白いトコロでベートーヴェンのエグモンド全曲やダフクロ全曲
(勿論おなか満杯になるほどのカプリング曲付)。
この組み立て型は明らかに海外(ヨーロッパ)と同一。
いっときアバドが似たような「コンセプト型」演奏会やCDを出していた
けど、その流れを日本に、しかも名古屋に、突然持ち込んできたわけだ。
これは話題になると思うし、在京在阪のプロオケは焦るだろうな。
更に考えれば、こういった自由自在なプログラム創りの楽しさを実感する
名古屋人のアマオケ・プログラムにもきっと反映すると思う。
それこそが、文化の伝播というもの。
プログラミング最先端都市になってしまうんじゃなかな。