ベトベン全曲演奏会に思うこと - 26 - (2009年12月)
東京の大晦日で、もっとも羨ましい行事といえば、今やすっかり名物となった
上野の文化会館でやるベトベン全曲演奏会。
あれを知って、大阪や名古屋の音楽家はなんとも思わないのか?
東京だからこそ、ああいった度肝を抜くような行事が毎年おこなわれているのか?
たしかに演奏者人口や観客動員数、会場の手配など上手く合致するための
各種インフラ条件がもっとも楽なのは東京であろう。
しかし、いつもは対抗心アリまくりの大阪、もしくは関西でこの手の企画が
ちっとも巻き起こらないのはどういったことか。
かつてサイトウ・キネン・オーケストラというのが全国を席巻した。
朝比奈が亡くなった後、わたしは、「こりゃ、いずれアサヒナ・キネンが出てくるぞ」
と予想したんだが、そんな発足話は未だ聞かれない。
関西も東海も、どうせやらないんだろうが、負けない事をやって欲しいものだ。
たとえば。
朝比奈御大を懐かしんで、ブルックナー全曲演奏会。
0番やダブルオーは流石に置いといて、1番から9番まで一日掛けて全曲やる。
二組のオケを交互に演奏させてもいいし、管楽器群を2セット準備させてもいい。
朝比奈、ブルックナー、全曲演奏会、大晦日。
大阪が大騒ぎになる企画ではないだろうか。
大学生にチャイコが人気あるんだったら、チャイコ全曲だと可能性はある。
現に4・5・6番はどこかの大学オケが採り上げてるし、第1番は今年大阪府立大、
第2番は福井大が採り上げる(第3番を採り上げる大学オケは見当たらないね)。
チャイコを選曲しようと言う楽団スタッフは近隣大学と相談し、ナンバーをずらし合う。
できれば土曜14時と19時、日曜14時と18時とかに分ければ、
4曲のナンバーは土日で演奏できる。
ブラームスやシベリウスだったら、本当に可能になるのではないだろうか?
最後に、東京。
ベトベン全曲演奏会はプロがやっている。
アマチュアにも立ち上がって欲しい。
まずはブラームス全曲でもいいし、シューマンでもいい。
究極の祭となるのは、やっぱりショスタコだな。