「 仕事という名の悪魔 」 - 18 -
会社に休みを申請し、チケットも予約でき、準備万全。
ルンルンしながら日々生活を送っていた隊長を、地獄に突き落とす悪魔が降臨する。
隊員「休めへんかもしれへ〜ん。」
隊長「はぁぁ?」
(ピキピキ)←頭の中で何かが切れた音。
その時、既に出発まで1週間を切っていた。
頭がくらくらした。
ツアーでは無いので、飛行機とホテルは別々の旅行会社で予約しているし、
なおかつホテルは2つのホテル予約会社を使って取っていた。
1つの旅行会社に電話して、「キャンセルしたいんですけど〜」の一言では、済まないのである。
それより、何より、旅行に行けない・・・。
ザンデルリンクが聴けない・・・。
キャンセル料も取られる〜!!(ぱにっく)
当時、主婦をしながらフルタイムで働いていた隊長は、
正直、「家事と仕事」の両立でヘロヘロになっていた。
結婚してからは、平日の夜のコンサートを行かない様になり、
ストレス溜まりまくり!!
年一回の「ヨーロッパへのコンサート旅行」だけが、唯一の生き甲斐だったのです。
この為に、ヘロヘロになりながらも、働いていた訳だ!
「そんな私の生きがいを、潰すのね〜、踏み潰すのね〜、にぎり潰すのね〜、
ううう・・・うわぁぁぁぁーーーーん!!」
気がつくと、真夜中12時、何も持たず家を飛び出ている自分がいた。
auauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauaua
家の近くに、公園があったので、そこでベンチに座り、メソメソ泣いていた。
すると、野良猫がどこからともなくやってきて、私のヒザに手を乗せ、
「にゃ〜。」
「ありがとう、ネコちゃん、なぐさめてくれるのね。」
「にゃ〜(エサくれ〜)。」
猫になぐさめられ、気が落ち着いたので、家に帰った。
翌日、目をはらしながら、派遣先である会社に行くと、大変な事になっていた。
突然、社員さんは「徹夜をするような状態(!)」に職場が豹変していた。
隊員だけじゃなく、こっちもか・・・ダブルパンチかよっ!!
仕事なのだから、しょうがないのである。
行けなかったら、キャンセル料100%(当日キャンセル)払ったるわーい!!
腹をくくった。
ホントに前日まで、行けるかどうかワカラナイという状態で、1週間が過ぎていった。
当然、隊員・隊長共々、残業の日々である・・・とほほ。
隊長の仕事の方は、派遣社員に旅行をキャンセルさせてまで
残れ、とは言えないと私を解放してくれた。有難い。
隊員の方は、前日、夜中2時頃に帰ってきた。
でも、ちゃんと休みは確保してきた。
明日は、朝5時起きです。(成田、遠すぎ!!)
3時間しか寝れません。
こんな旅行は、初めてデス。
eeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneeneen
アッという間に、朝になった。
だって、3時間しか寝れないんだもーん、そりゃアッという間さっ!
こんなに寝てなくて、具合悪くなって、旅行できないんじゃないの?
と思っていましたが、これは返って良い方法かもしれないと気付きました。
寝ていないので、飛行機の中で、爆睡できる。
ブタちゃんの様に、ゴハンを食べている時以外は、ひたすら寝れる。
ヨーロッパがこんなに近くに感じたのは、初めてです。
4時間くらいで着いちゃった。
アレ?みたいな感じ。
飛行機が怖いとか不安なんて気に全然なら無い。
だって「とにかく眠い」んだもん。
旅行前夜は「完徹」、時差ボケ対策に持ってこいです。
フランクフルトでの乗換えも、無事クリアし、乗り継ぎの時間は
ナイス・タイミングだった為、ベルリンに予定より早く着いた。
ホテルは、ツォー(Zoo)駅(←動物園があります。
上野みたいだ)から地下鉄で
2つ目の駅前のホテルに泊まりました。
我が隊のホテル予算は、2人で1万円。
しっかり予算内、しかも駅前で超便利。
ホテルは、大きな駅の徒歩圏内に
取りたくなりがちですが、お値段が高い。
安く済まそうとすると、たくさん歩く羽目になる。
結局、「1日乗車券」を買うので、大きな駅から2〜3駅目の駅前に取るのが、安くて楽チン。
こんな事に、ヨーロッパ旅行4回目くらいの時にようやく気が付きました。
(気が付くのが遅いっスか?)
東京で云えば、新宿で取らずに中野駅前だとか、
東京駅で取らずに錦糸町駅といった感覚ですね。
到着初日は、8時からベルリン・フィル定期があって、
「行けるかな、どうかな?」といった感じでした。
ですが、予約していたホテルは駅前なので迷いようも無く、すぐにチェックイン。
ベルリンには過去1回来たことがあるので、迷わずフィルハーモニーホールまで行けた事も幸い♪
チケットは完売しておらず、トントン拍子で座席に着。
初日から、ベルリン・フィル。
幸先良いスタートでございます。
(次ページへつづく)