チューリッヒへ - 22 -
今でも、コミッシェオーパーのボリスの演出は、私の頭の中に、強烈に残っています。
ドイツも不況で、一時「ベルリンに三つもオペラハウスが必要なのか?」
と騒がれていた様ですが、こんなに面白いオペラハウスを潰してしまうのは、
ホントにもったいない事だと思います。
このオペラハウスは、大通り(ムダに大きいく、スゴクだだっ広い)から、
ちょっと入った裏の通りに面しています。
表通りの人通りの多い所に宣伝用モニタが置いてあり、近日上演される演目などが、
真っ暗闇の中、コウコウと流されていました。
終演後そこの前を通ると、プロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」が、
流れていました。
「かっこいい〜♪メチャ観たい〜」と思いましたが、
「そうそう、三日後にケルンで違う演出だろうけど、観れるんだったワ〜、るんるん」
とその時はノン気に想像し、天に昇ってしまうかのような幸せに浸っていた。
その幸せが自分には「理解不能なコンサート」にすり替わるとは、
この時は微塵とも思わずに・・・。
ホテルに帰り、熟睡。
明日はもう、チューリッヒに移動です。
ベルリンはまったく良い街で、
「このまま、ココに暫く居たい。」と思ってしまう所です。
もし、「世界中、どこでも好きな所に
住んでいいよ、ただし一箇所。」と
言われたら、私は、迷うことなく
「ベルリン」と答えてしまうことでしょう。
後ろ髪を引かれながら、
次の日、チューリッヒ行きの飛行機に乗りました。
zuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzuzu
ザンデルリンクを聴く為に、スイス・チューリッヒへ移動です。
スイスは初めて行く国なので、ベルリンに後ろ髪を引かれながらも、
ややワクワク感あり。
空港に着き、そこからは電車でチューリッヒ中央駅へ向かいます。
よく解らず、一等席と二等席の値段がそんなに変わらなかったので、
座れなかったらヤだなと思い、一等席のキップを購入。
しかし、二等席はガラガラ。
やられた・・・ガックリ。
しかも、すぐ駅に着いちゃうしぃ〜。
空港から中央駅までは近いので、二等席で十分かも。
チューリッヒ中央駅から出ると、空はキレイに晴れ上がり、
駅のすぐ近くにある川(リマト川と言うらしい)がキラキラと光り、眩しい!
駅前広場にて、予約してあるホテルへの道筋を地図で確認してみると、
タクシーに乗るには微妙に近い。
歩くには、ちょっと遠いけど、トラム(市電)に乗るのも面倒くさい様な、
ホントに中途半端な距離。
「う〜ん、天気も良いし、歩いてみよう」と、
スーツケースをガラガラしながら、歩き始めた。
が、すぐ後悔することになる。
実際、街をウロウロしてみて解ったのですが、
どうやらヘコんだ(土地が低い)所に中央駅があるらしく、坂だらけ!!
例えるなら、渋谷のような街です。
年寄りにはキビしい若者の街・・・。
NHKホールに行くのは、疲れちゃうのよ!上り坂だからッ!
タワーレコードに寄らないなら、原宿から行きたいのよッ!!って感じデス。
しかもですヨ、途中から、古き良きヨーロッパ特有の情緒ある
「イ・シ・ダ・タ・ミ」の路に。
ココで本来なら、「きゃ〜♪ ステキっ」などと、喜ぶべきところですが・・・
「石畳」な上に「坂」なワケですよ。
重いスーツケースをガラゴロと引っ張って歩くこと10分程度。
このホテルまでの道のりで、隊員のスーツケースのタイヤが破損(涙)。
がびよーーーん。
お金ないのにィィィ!
(次ページへつづく)