チューリッヒ湖のほとりのトーンハレ - 23 -
チューリッヒの石畳をトコトコ・ガラガラ。
坂の上にあるホテルに着いた時には、息は完全に上がり、
風は涼しいのにうっすら汗すらかいてる始末。
そんなに苦労して辿り着いたのに、ホテルは半分改装中。
ガーガーなんかスゴイ音をたてている。
しかもお向かいには、アダルトなお店が・・・!
「大丈夫なんか?、ココ・・・」
と思いましたが、すぐ近くには教会があったりして、安全?っぽい。
ホテルの前を歩いている人達も安全っポイ。
ホテルも改装されたばっかりの部屋だったし、
朝食を食べる所もすでに改装済みで超キレイ。
ある意味、ラッキー?
都市移動で半日ほど使ってしまっているので、もう夕方です。
なにはともあれ、今夜の予約してあるザンデルリンクの
チケットを貰いに行かねばッ。
この為に、チューリッヒに来たのですから!
早速、ガイドブック片手に「トーンハレ」に向かう。
トーンハレは、チューリッヒ湖のほとりにあった。
すごくステキな所です。
さっきは、あんなに天気が良かったのに、夕立のような雨がサーッと降り、
夕方の湖とその向こう側の山に、モウモウと霧が立ち込めていました。
「にゃんて、キレイなんじゃ〜、じゅるる。」
ヨダレを垂らしてしまいそうな美しさデス。
時間早いけど、チケット引き換えできるんだろうか?と思いつつ、
トーンハレのドアを開けて入ってみた。
tonhalletonhalletonhalletonhalletonhalletonhalletonhalletonhalletonhalletonhalle
窓口には、若くてカワイイおねいさんが座っていました。
ここで隊長、予約の際にやり取りしたメールのコピーを
持ってくるのを忘れた事に気づく。
ぎゃーーーん、言葉で伝えなければならない、予約した事を!
ちなみに隊員は世界主要国の言語のほとんどを自由に操りますが、
たまたまこの日はのどの調子が悪いんダナ。(by 隊員)
思いつく単語を並べてみた。しかし、おねいさんは理解してくれない。
「おー、イエーース、トュナイト、おっけー、オッケ〜♪」と
嬉しそうにパソコンをたたこうとする。
「待って、待って、待っッてーーーーッ!!ノーッ、ノーうっ!」(超必死)
わしらは予約してるんだよ、どう見ても新規で打ち込もうとしてる(汗)
過去ウィーンで犯してしまった二重購入になってしまう。(←やり取りの
行き違いで2重購入してしまった過去を持つ我が隊。)
すると、おねいさんは、こうのたまった。
「英語以外の言語はしゃべれないの?
例えば〜、ドイツ語とか〜、フランス語とか〜、イタリア語とか?」
どがーーーーーん。
マーラー交響曲第六番「悲劇的」って感じですヨ。
ハンマーで打たれちゃったショックですヨ。
「アルファベット=英語」という日本で生まれ育ってきてしまった
隊長には、考えられない。
その英語すら、おぼつかない無理無謀な海外旅行者ふたり・・・。
(注:隊員は喉の調子が悪いだけです)
するってぇと、おねいさんは少なくとも4つは、理解できるワケかい?
そういうヒトがいる話は、よく聞くケド、いるのね本当に・・・。
さすが四つの公用語を持つスイス連邦。
ドイツ語、フランス語、イタリア語はまだしも、ロマンシュ語って何?
あうあうあう。
隊長、言葉を失う。
auauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauauau
言葉が分からずとも、二重購入だけは避けにゃ!と必死にネバる隊長と隊員。
ねばっている最中に次のお客さん(おばちゃん二人組)がやってきてしまい、
さらにアセる。
時間がエライかかっているから悪いので、「お先にどうぞ」というジェスチャーをしたのだが、
「いいわよ〜どうぞ」と、逆にジェスチャーを笑顔で返されてしまいました。
スイスの人、ええ人や〜。
あーだこーだ言っていると、ピンときた様子で、小さな木の箱を取り出す、
おねいさん。
そこにチケットとクレジットカードの控えが、並べられていた。
「やったー、通じたぁ♪」
「これ?」とおねいさんが差し出す。
1枚のチケットと、日本人の名前が記入されていた。
へ?1枚??
よく見ると、私達の名前ではない。
「おぉ、わが同志よ!旅行者だか現地に住んでるヒトだか不明だが、
キミもザンデルリンクが聴きたいんだね!」と、ちと感動に浸ってしまった。
「ノーノー、2枚です、トゥーですよ。」
「あぁ」 おねいさん、残念そう。
結局はその木箱にありました。
クレジットカードで確認し、無事2枚ゲット!
あー、ホントに良かった。
あれ?冷静に考えるに、予約してなくても買えたワケ?
チケットを失くさないように、かばんのチャックがついたポケットに入れとこーと思い、
開けてみると、そこに予約の際のメールのコピーが入っていた。
あっ?持ってきてたジャン・・・あははは...。
結構、英語で奮闘していた隊員には、このことは言えなかった。
そっと、無言でチャックを閉める隊長なのでした。
(次ページへつづく)