ザンデルリンクのブル7 - 26 -
ザンデルリンクが舞台そでから出てくるだけで、もーう感動。
今まで、登場だけで、こんなに感動したのは、
クライバーとザンデルリンクだけです。
チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団を客演するザンデルリンクが振った
一曲は、ブルックナー 交響曲第7番。
演奏は、音がフォルテ以上になる度に、胸がきゅ〜と締め付けられ、
背筋がゾクゾクする。
旅疲れで、カゼをひいてしまったカナ、と思うくらい・・・。
美しくて、じわじわと頭がボーッとしていき、ホント思考が停止する。
曲がコーダに近づくにつれて、「終わらないで〜」と涙が出そうになる。
やっぱり来て良かった〜。
チューリッヒまで来て良かったと真剣に思った。
終演後、いつものフツーのコンサートだったら、
拍手長いよ〜、(アンコールを聴かずにホールを出てしまうこともシバシバ)と
思うコトが多いのですが、余韻に浸りながら、いつまでも拍手していたいと思っていました。
このコンサートを聴く少し前に、
ザンデルリンクのブルックナー7番のCDが発売されてました。
当然(!)、買っていたワケですが、
このCDもとてもとても良い演奏です。(ha"nssler CLASSIC)←"はウムラウトだす。
オケはトーンハレ管ではなく、シュトゥットガルト放送響。
ゆったりしたテンポで、はふ〜とため息をついてしまう、ウットリ天国系な演奏です。
平林直哉さんの著書『クラシック100バカ』の中に、
「BAKA082 ザンデルリンクをほうっておいたバカ」という項目があります。
晩年のザンデルリンクのCDがあまり出ていないというのです。
ほんとだよ!!なんで、放っておいたんじゃ〜ッ!
引退しちゃったじゃないか〜ッ!
この著書によると、ザンデルリンクは結構ウルサくて、
録音のしづらい指揮者だったとか。
音楽を真剣にやってんだからこそ、うるさくなるんでしょーが!!
採算が合わないそうですが、良い演奏は永く聴かれるので、
長い目で見たら採算がとれるんじゃないのかなぁ?
どうなんでしょ?
zmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzmzm
チューリッヒはいい街だ!
と強烈に頭に残っているのは、ザンデルリンクのコンサートのせいではないのかと思う。
良いコンサートを聴いた後は、家(旅行の時はホテル)に着くまでの
街の風景も、ちょっと違ったものに見えたりします。
「生きてて良かった」と真剣に思ったり。
そういった感動を再度求め、中毒患者のようにまたコンサートに出掛けてしまう。
しかし、そんなコンサートには年一回、巡り合えたら幸せなほうで、
なかなかお目にかかれない。
昔は、一流オーケストラと呼ばれるオケのコンサートに行けば、
そういった感動を得られると思い、高いチケットを平気で買っていた。
しかし、そんな簡単なモノでは無い。
と気づくまでに、だいぶ時間とお金がかかりました。
「高いチケットのコンサート=良い演奏」なら、こんな楽なコトはないです。
頑張って働いて、お金を貯めればいいんですもん。
もしくは金持ちほど感動を享受できる構造になってしまう。
その高いチケットは何千万もするものではなく、数万円なのですから。
CDやラジオをたくさん聴いている人ほど、無闇やたらと高額なチケットを買わないのデス。
最新CDから情報を得ていて、
「そのオケとその指揮者のコンビで、この楽曲じゃダメだね」と解っているから。
「3万も出してそのコンサートに行くのなら、
その3万で良いCDを買った方がよっぽど良い」と言います。
しかし、目をつけている指揮者がやってくる時は、
国内オケだろうが、チケットが高かかろーが、買う時は買う。
今は亡きクライバーやチェリのような指揮者だったら、
ヨーロッパまで聴きに行ってしまう。
ヨーロッパまで追っかけ・・・。
とってもクレイジーですが、そこまで熱狂できるコトがあるのは
とても幸せなのかもしれませぬ。
(次ページへつづく)