ガァ(隊長作)

3月6日(土)  18:00   - 10 -   訪問者数

    大友直人指揮 東京交響楽団 東響コーラス 他
    東京芸術劇場

    エルガー  オラトリオ「使徒たち」

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  【 エルガー 】
  
  前回のシベリウスといい、今回のエルガーといい、私はドイツ以北の音楽が好きです。
  ドイツのワーグナー、R・シュトラウス、ブルックナーを始め、デンマークのニールセン、
  ロシアのプロコやショスタコ、そしてヴォーン・ウィリアムズやブリス、ブリテン等を
  輩出したブリティッシュ。
  
  同じ島国の為か、日本では英国音楽愛好家が多そうだ。
  特にエルガーの荘厳に満ちた音楽は、「威風堂々」や「エニグマ」ですっかりお馴染み。
  また薄幸の天才女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレが壮絶な演奏を
  残しているチェロ協奏曲あたりがメジャーなんだろう。
  アマノジャク(隊長作)
アマノジャクな私としてのエルガーといえば、短い曲ですが、
「ソスピリ(ため息)」をお薦めしたい。

  我が隊はバルビローリの大ファンなために、英国音楽とも浅からぬ縁が深まっているのですが、
  バルビのCDの1曲としてこの「ソスピリ」が収められています。
  弦楽合奏のこの曲は「悲しみ」というか「美しさ」といったものを寂々と歌っており、
  それでいて表現の仕方が日本的情緒に馴染んでいる。
  きっと多くの日本人の心に響く楽曲だと思います。
  そう言う点ならシベリウスも負けていないが、
  今日はエルガーの日なので、エルガーを持ち上げたい。
  「ソスピリ」と同じ路線の「エレジー」も素敵だ。こういった系統は
  「好きな人」と「眠たくなる人」に分かれそうだが、
  我が隊の隊長は後者。十人十色ですなぁ。
  
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  エルガーの楽曲をCD予習もせず、ぶっつけ本番というのは初めて。
  この曲をCD屋で買おうか買うまいか何度も迷ったのだが、
  家の棚に鎮座しているオラトリオ「神の国」
  「ゲロンティアスの夢」を聴き込んでからでも遅くはあるまい、
  この2曲が良かったら「使徒たち」も買おうと決めて、
  いつの間にか当日となってしまった。

  おかげで?前2曲は我が家で愛聴されたが、
  「使徒たち」も似たようなもんだろう、と
  エルガー様を冒涜した様なノリでコンサートに挑んでしまった。
  ただし、前2曲のおかげでエルガーのオラトリオ形式は
  感覚的につかめていたと思うし、これから述べるような感想も
  当たらずも遠からずだと思っている。
  お叱りのご意見が来そうで怖いなぁ...。
  
  全2部形式の計130分。正直つらかった。私は正直者です。
  それ見た事か、無知でコンサートに望むからじゃよ、
  というエルガーの声が聴こえてきそう。
  でも、でも、エルガー様よ、
  何で今日まで日本で1回も演奏されて無かったのですか?
  そう、実は今回の演奏は記念すべき日本初演だったのです。
  確かに6人もの独唱と大規模な合唱団と管弦楽団を必要とする、
  しかも2時間以上を要するこの大曲はそう簡単に演奏されるものでもない。
  しかしそれだけで、世界初演(1903年)後、101年も経つまで
  日本での紹介が難しかったのでしょうか。エルガーなのに。
  
  近頃の大友直人は実によくやっている(私が偉そうに言ってもね)。
  シベリウスやヴォーン・ウィリアムズ、そしてこのエルガーと、
  自分の進むべき道をはっきり追求しだしており、
  彼はきっとそのうち大化けするだろう。
  そんな彼が、エルガーの大曲オラトリオの日本未演奏曲を知った。
  よし!ボクが日本初演をしてやろうじゃぁないか!
  こんな感じで直人ちゃんがこの曲を取り上げなさったんじゃないかな、と邪推したくなる。
  
  私はよく、意気に通ずという事をよく言う。
  その心意気を大切にしたい。困難に立ち向かう姿勢に痺れるのだ。
  しかし「困難」にはそれなりの深い理由が大抵あるのだ。
  今回は「なぜ」101年も日本で演奏されなかったのか?
  多くの大友ファンとエルガー・ファンは、
  この日本初演を諸手を挙げて大賛辞で迎えるだろう。
  しかしアマノジャクは首を捻ってしまう。
  
  いっつも首を捻ってると、そのうちねじ切れてしまうので、この辺にしときましょう。
  また、そんな事ばかりいってたら、
  日本未演奏のフロンティア・スピリットにも水を注してしまう。
  いかんイカン、それだけはいけません。
  前人未到の世界に勇気溢れる一擲をなした、大友氏とその仲間達にエールを送りたい。

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