4月10日(土) 14:00 - 15 -
スクロヴァチェフスキー指揮 N響
NHKホール
ベートーヴェン 交響曲第3番「エロイカ」
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
ベートーヴェン 「フィデリオ」序曲
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俺のハートをブロウクンしやがったのが、
今回のコンサートです。
今までも、期待しすぎたコンサートは、碌な事が無かった。
永遠に忘れないだろう、アバド&BPOの「復活」日本公演。
期待に期待を重ね、2日併せて6万円。
クラウディオ、返して下さい。
あの頃は感想が噛み合わず、隊長とひどい口論になったもんな。
ある意味、私の方がアバドへの期待と要求が強すぎたんだよ。
今回のスクロヴァも、隊長とは感想が割れました。
もともとN響相手の演奏なんだから、大目に見てやんなきゃ、という珍しく菩薩心の隊長。
しかし、ここんとこ作曲家・指揮者・演奏者の三者について考えている私は、
感想も厳しくシビアになっている。
素晴らしいコンサートがあったとする。
例えば、クライバー&バイエルンでベートーヴェンだとする。
この三者のうち、誰が一番絶賛されるだろう?
ベートーヴェンの楽曲がそもそも良かったから?
バイエルンの演奏が良かったから?
いーやいや、やっぱクライバーでしょう。
実際、クライバーの力が大きいんだろうし。
しかし、これが信じられない迄の駄演だったとする。
どうした!?クライバー!
長いブランクのせいで腕が鈍ったのか?
いやいや、そんな事がある筈が無い!
戦犯はバイエルンにあり!とんでもないオケだ。
クライバー様に振って頂きながら何たるアリサマ。
管が吼え過ぎなのも、弦が揃ってないのも、全部リハ不足のせい。
名指揮者の指示はあくまで貴く、これがウィーン・フィルだったら上手くいってたのに...。
だけどね、ここで、よぉく考えよう♪
お金が大事、じゃなくて、何かヘンじゃない?
名演の名誉は指揮者に与えられ、駄演の叱責は名指揮者に及ばない。
こんな事ってあっていいのか?!
たとえ名指揮者だろうとも、所詮は人間。神様じゃない。
体調の悪い日もあれば、乗れない日だってある。
ましてや幾ら教導しようにも、半民半官のお役所楽団では、やる気もうせるでしょ。
この日のN響は、N響にしてはかなり良く頑張った、という感想がネットで多かった。
なんでN響はそれで済むのよ。ズルいよ。
N響相手にあそこまでスクロヴァの独創溢れる解釈を表出できたんだから、
スクロヴァもN響も善戦したじゃないか、とも言う。
しかし、そうじゃ無いと思う。
スクロヴァはN響を完全にコントロールできなかった。
なぁにが天下の大指揮者だ、N響如きを完全制圧できなくてどうする。
N響団員の全員の眼をハート・マークにして、無我夢中で
むしゃぶりつかんばかりの演奏にして欲しかった。
爺さんがやろうとしていた事そのものは、コクと苦味があって面白そうだった。
それを演奏に仕上げ切れる魔力が、爺さんにはあると思っとったのに。
柳生石舟斎みたいな秘技魔剣があると。
私はそれほど、あの爺さんに期待してたんです。
「だから、いつもいつも期待し過ぎや!っちゅうねん」と隊長は言う。
それほどN響は、腐ってもN響なのだ。
NHK放送受信料払ってるから、愛着も期待もより一層育まれている。
国内オケ最高の招聘指揮者群を揃え、多くの熱きN響至上主義者に取り囲まれ、
名声にも観客にも不安の無い日々を過ごす。
抜群の環境の中で紡ぎ出す音楽は...
ホールの音響には同情してますが...