太鼓(隊長作)

2月11日(祝)  14:00   - 4 -   訪問者数   

    長田雅人指揮 オーケストラ・ダスビダーニャ その2
    東京芸術劇場
    ショスタコービチ/映画「馬虻」の音楽による組曲 (L.アドヴミャーン 編)
    ショスタコービチ/交響曲第5番

    アンコール
    映画「コルジンキナの出来事」から「追跡」
    (現存するピアノ曲を団長白川氏がリオーケストレション)

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  【 池袋西口 】

芸劇外観 芸劇が池袋駅西口にあるばっかりに、
最近この界隈にしょっちゅう来てます。

東武や芸劇周辺は幾分小洒落ているが、
少し歩けばダーティーな街になる。

  そんな中に行きつけの鰻屋さんがあるので
  よくぶらつくが、その途中、池袋演芸場が目に止まった。
  一度みてみたい。

  私は関西出身なので、お笑い・特に落語や新喜劇など昔ながらのスタイルが大好き。
  鶴光師匠も玉に出てるみたいで、オールナイトニッポン世代としては、
  どんな落語をやるのか興味もある。
  でも、ここに来る時は決まってコンサートがあるから
  「またそのうち...」と通り過ぎてしまう。
  その日も私が演芸場前で立ち止まってたら、3〜4人の老人が入って行く。

  クラシックと落語。
  人生どちらにのめり込んでる方が、幸せなんだろう?
  
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  ロビーコンサートですっかり盛り上がった私は、更に活き込んでホールに入る。
  「馬虻」は初めて聴いた。全12曲からなる映画音楽の組曲。
  ショスタコって他にもいろいろフィルム・ミュージック書いてるのよね。
  会場のみんさんも同感だと思うが、1・7・12曲が良かった。
  最初と最後は打楽器もオケも大活躍して、ショスタコ・ワールドばっちり。
  真ん中の第7曲はなぜか「序奏」という名だけど、サックス3本が粋なメロディを奏でる。
  
  他の9曲は...。う〜〜ん...
  でも「馬虻」を、こうやってみなさんにお披露目することが、大切なんだよね!
  プログラム作りって難しいと思う。
  やっぱり自分達がやりたい曲を実現したい。

  でも、お客様あってのコンサートだから、あんまり独りよがりな曲ばっかりだと集客が難しくなる。
  集客中心にプログラムを考えると、名曲路線のどこででも
  やってそうなありきたりなプログラムになる...。
  うちは演奏の質で勝負!こういう考え方もある。
  ベートーヴェンやブラームスは何度やったって、その真髄に到達しがたい。
  そんな高い山だから、俺達は何度でも挑戦し続けるんだ...
  こういう人々は、違った山や、たまには海でも行こうとはしない。
  人の行き方って、選曲ひとつとっても違うんだよね。
  ちなみにダスビは「選局会議」と言うらしい。出てみたぁい。   たこ(隊長作)

さて、本日のメインディッシュは「5番」でございます。
  私はかなりのアマノジャクなので、名曲「5番」はそんなに思い入れがない。
  逆にショスタコのコンサートといえば、この5番をやるオケが多くて、
  「他の交響曲もやってよぉ」と言いたくなる。5番がキャッチーでお手ごろ演奏時間な
  ばっかりに、4番や7番の演奏チャンスが逸してるのではないか、と。

  そんな5番だから一番好きな楽章は終楽章じゃなくて第3楽章。
  泣けるんだよねぇ、悲しい。ほんとにこの人の心は悲しいよ。
  愛とか恋とかで悲しくなっちゃう、という悲しさではない。
  「あいつは消えた。こいつもシベリア送り。俺もどうなることやら分からねぇ。
  真実を歌うことが俺には許されねぇってのか。」
  いやぁ、時代小説が好きなので、どうもショスタコが江戸っ子になっちゃいます。
  でも、こんな気持ちが終盤には熱く煮えたぎる。弦楽合奏曲の白眉ですよ。
  最後はやっぱりダメか...とチェレスタが寂しく呟く。
  「今日は殺されずに済んだ。」
  
  それにつけても今日の終楽章は良かった。
  タコ5の終楽章は解釈によって演奏方針もテンポもまちまちなんですが、
  われらがダスビは私と同じ考えでした。
  「強制された歓喜」このコンセプトで進めると、楽章終結部は
  引き摺るような思い足取りテンポになっていく。
  また、それが第3楽章への強烈な反抗とも空しい抵抗とも取れて、胸が熱くなってくる。
  タコちゃぁ〜ん!分かったよ〜って。
  
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  【 団長白川氏編曲による「追跡」 】
  
  これは面白かった。白川団長が日ごろ何をしてらっしゃるのか
  存じませんが、プロ級の編曲だった。
  なおかつ打楽器や金管を効果的に活躍させて、演奏効果は抜群。
  私も作曲のまねごとをするんですが、かなり年季の入った力作だと思いました。
  ダスビでの再利用は勿論のこと、J・シュトラウス中心のニュー・イヤーコンサート
  なんかに混ぜたって十二分の作品だと思いました。
  
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