(隊長作)

10月13日(月・祝)  18:30   - 229 -    訪問者数

    ソフィア国立歌劇場  エミール・タバコフ指揮  三重県文化会館

     プッチーニ  「トゥーランドット」
  
  
     トゥーランドット : バイサ・ダシュニャム
     リュー      : ラドスティーナ・ニコラエヴァ
     カラフ      : ボイコ・ツヴェターノフ      他

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今回は実に久しぶりに、オペラ。
しかも外来です。

我らもクラシックに目覚めた頃には、
せっせとプロオケや外来オケを聴いていました。
特にうちの隊長は、平日だろうと休日だろうと、
ウィーン・フィルだろうがベルリン・フィルだろうが
金と時間の許される限り、溜池山王の底沼へ
金品を捧げ奉っていました。

クラシック道を歩む者は、
やはりこういった過渡期は必要。
クラシックという魔物がどんなものか、
その概要を掴むまでは金と時間は
無限に奪われてゆきます。

  ただし、いつまでも奪われ続けられる財力を得られるだけ出世してしまうのも
  一手ですが、成果に見合わないブランドものを飽く事なく
  大枚はたきゃぁいいってもんでもないという事に気付いてしまう。
  
  幸いにして、地位も名誉も掴んでいない我々は、数少ない軍資金と限られた時間内で、
  いかに幸運なる名演に遭遇するか、について真剣に検討を重ね、吟味と実践を繰り返している。
  
  我々の土日休日のコンサート記録を見て、「暇とカネがあってええなぁ」
  とお思いの方もいらっしゃろう。
  しかし我々のラインナップをごろうじろ。
  プロオケと云えば名フィルやN響。
  VPOやBPOの来日公演なんぞ、気にも留めていない。
  (こう見えても、昔は行ったんですよ。行って聴いたからこそ、   (隊長作)

行かなくなったんですけど)
  
  そんな我々が、実に久方ぶりに、外来オペラ公演と洒落込んだ。
  しかも、「トゥーランドット」!!!
  わたし(隊員)は20世紀音楽が好きなんですが、このプッチーニだって20世紀。
  
  彼の良いところは素晴らしい旋律(メロディ)を忘れていないのに、
  管弦楽も20世紀の息吹が込められていて、ワーグナーとは異なりながらも
  オペラの醍醐味を最大限に発揮していること。
  プッチーニでは「マノン・レスコー」が好きなんですが、その次はやはり
  この「トゥーランドット」が大好き。
  
  外来オペラの最大のネックは、チケット代。
  安い席は大体5千円から10千円というイメージがあるので、どうしても
  「これは!」と思う演目でもない限り、検討さへしない。
  しかし今回目をひん剥いたのは「三重公演、D席3,000円」というのが目に止まったから。
  しかも発売開始前に気付けたものだから、電話予約も万全なる準備態勢で挑めた。

  ちなみに東京では最低席が6千円くらい、名古屋でも5千円だった。
  三重県がどうして、一気に3千円にまで値下げてしているのか不思議だが、
  三重県文化会館に何度か足を運んでいた我々は、あのホール環境で
  3千円なら「実に安い」と考えた。
  

うなぎ

折角三重県津市に行くのだから、
「うなぎ」を食べようと言う事になった。

津市は全国で最も人口あたり鰻が
食されている都市だそうで、たしかに
「鰻」のお店がかなりある。

今までも鰻屋に何店か行っているが、どの店も
身が厚く、値段に似合わずボリュームが多い。

  東京の頃も無理して鰻を食っていたが、安くて旨い店だと鰻の切り身が
  2切れなんて事もあった。4切れも望むなら、千五百円とか二千円する店が、
  東京ではザラだろう。しかも身が薄いときたもんだ。
  
  某・グルメ系サイトで「三重県うなぎランキング」一位になっていた
  「うなふじ」へ向かう。ここは亀山市の西、関インターチェンジから
  津市中心部へ向かう伊勢別街道沿いにある。   

うなぎ丼(上)でも1,330円。
(写真は上。右上のは追加注文した半助150円)
最高値メニューのうなぎ丼(特上)が1,740円。
うなぎ丼(並)だと920円。

うなぎ自体の厚みが素晴らしく、
(上)でも十分な分量であり、かつ安い。
タレは甘くなく辛くなく、個性は無いが
鰻の旨味をアピールする事を邪魔だてしていない。


  津市の外れにあるが、それだけに味一点で勝負している事が伺われ、
  それでいて17時ごろから混んでいた。ちなみにこの店、
  かつて紹介したパスタ店「マリオネット」の斜め向かいにある。   (隊長作)

どちらの店に行っても、絶対間違いなし。
  
  さて、久々のオペラ鑑賞。
  「ソフィア」ってたまに聞くけど何か知らなかったが、ヨーグルトの国「ブルガリア」の首都。
  「明治ブルガリアヨーグルトスペシャル」って冠が付いていて、明治乳業が特別協賛。

  明治乳業様のお蔭で、我々は3千円でソフィア国立歌劇場の「トゥーランドット」が
  観劇できているわけだ。本日の公演はS席でも13,000円、我々のD席だと3,000円、
  学生席なんか1,500円である。
  学生の分際で、外来オペラなんて贅沢じゃないか?
  しかも、当日学生席を販売する掲示あり、三重の学生はなんと無知なのか。
  東京ならこんな勿体無い事は、万に一つも起こらないだろう。
  
  ちなみにこの三重県文化会館大ホールには、「立ち見席」という制度がある。
  腰掛け程度の、公園のベンチみたいな席がある。オペラに限らず
  コンサートでも是非、全国のホールで取り入れて欲しいナイス・システム。
  

「トゥーランドット」と云えば元から有名オペラで
ありましたが、2年前の冬季オリンピックの
フィギアスケート(荒川静香、金メダル)のおかげで、
普段クラシックを聴かない人にも、一気に広まった。

その他、イイ味を出してくれる「ピン」「ポン」「パン」
というおチャラケ三人組が出てくるんだが、
この諧謔性があるからこそ、このオペラに
深みが増している。

  トゥーランドットと云う或る意味殺人狂のような我がままお姫様と、
  真実の愛(召使のリュー)に気付かずに美姫に心奪われるカラフ。
  そんな味気ない話に、要所要所に諧謔で茶化してくれるピンポンパンの存在は大きい。
  
  歌手は詳しくないが、今回の三重公演、飛び抜けて上手い歌手は
  いなかった反面、下手な歌手もいず、安心して聴けた。
  「トゥーランドット」の愛聴盤は豪華絢爛壮大音響なカラヤン盤なので、
  いかに生オペラとは申せ迫力は乏しかった。三千円という3階の奥地で
  聴いたせいも大きいのだろう、音量が減退してしまったのかもしれない。
  
  本作「トゥーランドット」はプッチーニ最後のオペラで、プッチーニ自作は
  リューの自死の場面まで。それ以降のスケッチを弟子アルファーノが補筆して完成。
  
  そのリューの美しいアリアの後、リューは自死し、舞台に倒れる格好になった。
  ステージは中央の丸い舞台が回転するようになっており、リューはステージを回ってゆく。
  ところが舞台後方には木製の縄暖簾があり、リューの亡骸は縄暖簾に突き進む。

  「愛するカラフ皇子の為に死んで行く」という深刻な白鳥の歌を歌い終えた
  リューは倒れ込むが、泣きっ面に蜂のように、死者の顔面に木製の縄暖簾が
  ガコガコ当たり、とっても悲しい場面なのに笑いを堪えるような状況
  になってしまい、お笑いコントを見ているようだった。
  
  女殺しのプッチーニ(有名作の女主役は、ことごとく死亡)としては異例ながら
  トゥーランドット姫は死なないんですが、姫も回転舞台に倒れ込む場面が来る。
  
  観客は即座に思うのですね、「あ!トゥーランドット姫の頭がやばい!」
  回転舞台は容赦なく回り、姫の顔面もガコガコ、木製縄暖簾が当たっていた。   (隊長作)

もしかして、笑いを取ろうとしている?
  笑ってもいいんだよね?!
  
  お笑いには「天丼」や「かぶせ」など、同じギャグを敢えて繰り返す手法がある。
  志村けん(ドリフターズ)がバケツが落ちてくるのを予想できているのに、
  その場所に足を踏み入れて行くような、規定路線のボケ。
  演出はプラーメン・カルターロフ氏でした。   

どうしても、オケ中心で聴いてしまうのだが、
ソフィア国立歌劇場管弦楽団は
弦がとてもキレイだった。

弦の美しい曲を並べて、オーケストラ・コンサートを
開いても良かったのでは?と思う。
良い演奏になりそうだ。


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  *** 『プッチーニ』 な CD感想

    * 「マノン・レスコー」 / シノーポリ指揮 フィルハーモニア管
      ↑オケ作品は好きだけど、どうもオペラはワカラナイ・・・という人には参考になるカモ?!

    * 「ジャンニ・スキッキ」(ドイツ語盤) / ヘルベルト・ケーゲル指揮 ライプツィヒ放送響














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