(隊長作)

2008年12月3日(水)  19:00   - 237 -    訪問者数

     ロンドン交響楽団    ゲルギエフ指揮
     タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)
     サントリーホール


      プロコフィエフ   交響曲第2番
      プロコフィエフ   交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)
      プロコフィエフ   交響曲第7番

  sensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensensen
  

年に数回、我が隊の「隊員」が東京に
コンサート通いしておりますが、今回は
わたくし「隊長」が久々に東京に帰りました。

ゲルギエフ指揮によるロンドン響という組合せで
来日。それだけなら興味も中くらいだが、
プログラムが全編「プロコフィエフ布教活動」!
人気指揮者&準一流オケの組合せで、
こうまで挑戦的な全編プログラムは
初めてではないでしょうか?

  なんとしてでも行きたい!でも、平日中心。どうする?
  そんな遣り取りが隊内であり、久々に隊長が代表して突撃することとなりました。
  いつもと観点が違うかもしれませんが、よろしくお願い致します。
  
  隊員は年数回東京へ行くんだから各駅列車(青春18切符活用)もしょうがないけど、
  私は数年振りの東京なんだから奮発して、新幹線のぞみ号。   (隊長作)

やっぱ新幹線は速いです、ラックチ〜ン♪
  
  実は速く東京入りするのは、行きたい所があるんです。
  サントリーホールやディスク・ユニオンは勿論ですが、日暮里にも行きたいんです。
  知る人ぞ知る日暮里は布地の問屋街。メーター売りの布地が激安。
  スカートとかにしてもおかしくない生地が、メーター百円から。

  通常安い生地は薄過ぎて活用しづらいんだけど、そこそこの厚手がありつつ
  薄地な生地ってなると、値段もそこそこになるのが普通。
  それが百円くらいからゴロゴロあり。   

もちろん凝った生地は千円くらいになるけど、
それでも製品になったらかなりな値段になってしまう品物。
それを自分で洋裁しちゃえば、数百円でゲットできるし、
デザインやサイズも自分好みになるんだから、
私は日暮里でドカ買いしてました。

今回も久々の日暮里なんで、宅急便で
送るくらい(11メートル)買いました。
布地代金が安過ぎるので、それと同額の
送料がかかった。が、それでも安い。
  
  東京が久々なんだから南北線六本木一丁目駅も久々、アークヒルズ界隈を
  懐かしみつつホール入場。サントリーホールはやっぱり独特な空間があり、
  似ていると云ってもミューザ川崎なんかとはまた違う。特にP席ゾーンの
  奥行きの取り方は独特で、強いて言えばベルリンのカラヤン・サーカスに近い。
  あそことは空間の高低差が違うけど、舞台を中心とした左右前後の
  客席の取り方は最も似ている。
  
  サントリーのP席はよく座った席でして、P席に向かう通路(赤絨毯)を
  歩いていると、ホッとする。この赤絨毯こそ、東京に帰ってきたな、と
  故郷を思い直さしてくれる。東海や関西の各ホールは珍しくて新鮮だけど、
  アウェイ感を抱いていた事に気づいた。やっぱり通い慣れたホールは、
  聴く前から安心できてリラックスできる。
  

さてさて、ゲルギエフ&LSOのプロコや、いかに。
基本的に、ゆるい。ゆったりした旋律はゲルギエフに
合ってるんだけど、キレが必要な箇所はツライ。

ゲルギエフの野獣系容貌から想像すると、
ゆったりした箇所より猛々しいシーンの方を
期待してしまうが、現実は真逆。指揮棒をもたず、
時折ピアノを弾いている様な空気を醸し出す手を
フニャフニャさせる指揮ゆえか、
句読点が明確にならない。

  あの手振りでキレ味は出ないと思う。
  ゲルギエフはプロコフィエフ作品に対し、強烈なキレ味そのものを求めるより、
  柔軟な流れを追い求めているようで、私の求めているプロコフィエフ像と違っている。
  (隊長作)

私はキレ味鋭い、カッコ良いプロコフィエフ様が大好きなのだ。
  
  今回のプログラムは、前プロが第2番、
  中プロがチェロコン、メインが第7番。

  わたし的には圧倒的に第7番より第2番が好きだし期待していたのだが、
  前プロというポジションゆえかちょっと・・・。
  これだけ強烈で重い楽曲を一発目に載せるんなら、テンション上げて
  それなりの演奏をかましてくれないとネ。彼の素手によるゆるやかな指揮法により、
  第2番はかなり混沌とした演奏に・・・。
  
  サントリーP席という座席のせいか、演奏のせいか、細かい構造が埋没して
  聴こえなかった。第2番は豪放磊落にして繊細、強烈無双なのにガラス細工のような
  精緻な音楽。CDで聴くときもスピーカーと聴くのとヘッドフォンで聴くのとでは、
  情報量が違ってくるという音楽の細かさ。普通はライヴで聴くとホールがワンワンでない限り、
  CD以上は詳細に微細構造が聴き取れるんだけど、そんな点でも少しがっかりな演奏。
  (隊長作)

最もガッカリだった点は、CDを聴いて想像していたより音量が小さかった事。

  録音で聴いていた時は、生で聴いたらさぞかし爆音だろうと期待していたのに、
  音が意外と小さかったのでガッカリだった。サントリーホールは表向き
  音響はいじらないという改修をしたそうだが、音響も変わったのでは?
  という意見もあるので、私も変わってしまったんじゃないの?と、
  P席は爆音ではなくなってしまったのか?と思ったが、あとでアンコールの
  ロメジュリが爆音だったので、何が何やらよく解からぬ。
  
  今年6月、日フィル&ラザレフ指揮がプロコ第2番を準備しているので、
  そちらに期待したい。それも聴いたら、座席やホール音響が悪いのか、
  演奏そのものによるのかハッキリするしね。ゲルギエフ&LSOが
  ラザレフ&日フィルに負けるって事は、実際起こりうると思うんですもん。
  
  チェリスト、カワイイ女性なんだけど、ケッコー演奏が良かった。
  女性なのにガツガツと弾いてくれるのに、オケが緩いんだよなぁ。
  オケも等しくガツガツ弾いてくれたら最高だったんだけど。
  プロコの交響的協奏曲は余り知られていないし、私も今回の演奏会に
  備えて予習しまくった。この曲、終楽章のチマチマ構造が実演では非常にグレイト!
  心臓がバクバクしたお♪
  かつて第4番をライヴで聴いて一気に好きになったように、
  今回の交響的協奏曲も実演で開眼してしまった。面白い。
  これからも、じっくり聴きこみたい名曲。
  

メイン第7番は、さすがにオケもテンション
やや上がり、弦も綺麗にうなってきた。
ゲルギエフの素手ぷるぷる&ふにゃふにゃ指揮には、
攻撃的な第2番より、叙情的な第7番の方が
合っていると思った。

ゲルギエフの野獣的面容とはウラハラに、
ナヨナヨしたセンチメンタルな楽曲の方が
お似合いってのは、かなり意外だった。
でもね、私は第2番を聴きにきたのだ。
  (隊長作)

第7番は、あまり好きではないのだ。
  
  サントリーホール内部の改修については、正直、音響面はよく分からない。
  こんなだったカナ?という感じ。少しシャープになったような気がするが、
  オケにも曲にもよると思うので、正直わからん。

  あからさまに変わってたのはトイレで、なんか狭くなっていた。
  ウォシュレットがついたりして、グレードアップはしていました。
  ホールのおねいさんが、ちゃんとこっち開いてますと
  案内をしていて、あれは今までわかりづらかったので、良い。
  
  客が半分くらいしか入ってない。
  選曲が渋すぎたよね。
  帰りに出入り口のトコロで、スタッフが「ツィクルスまだやりまーす!!」
  と売り込みに頑張って叫んでいて、今日の客の入りを考えると、
  後のプログラムもまだだいぶ残っているのかな?とかわいそうになった。

  今回のオール・プロコ(第2&7番、交響的協奏曲)では、やはり選曲がマニアック過ぎる。
  そこがマニアには堪らんほど挑発的で革新的な、殴り込みプログラムだったんだけど。

  ゲルギーじゃなくて、ロジェヴェンさんだと、
  もっとエキサイティングだったかもね。


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  *** 過去の 『プロコフィエフ交響曲』 なコンサート感想

    * 2月26日 井崎正浩指揮 フライハイト交響楽団 / シベリウス 交響曲第5番、プロコフィエフ交響曲第5番

    * 7月2日&7月9日 ボレイコ指揮 NHK交響楽団 / ストラヴィンスキー「火の鳥」、プロコフィエフ交響曲第5番 他

    * 12月 3日 金聖響指揮 千葉大学管弦楽団 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * 3月18日 ハルフター指揮 新日本フィル / プーランク ピアノ協奏曲、 プロコフィエフ 交響曲第3番

    * 11月12日 堤俊作指揮 俊友会管弦楽団 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * 12月10日 神戸大学交響楽団 奥田恵悟、河合悠吾指揮 / プロコフィエフ 交響曲第5番、ドヴォルザーク チェロ協奏曲 他

    * 7月22日 名古屋シンフォニア管弦楽団 堀俊輔指揮 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * 11月10日 NTTフィルハーモニー管弦楽団 田代詞生指揮 / ベートーヴェンVn協奏曲、プロコフィエフ 交響曲第5番

    * 11月24日 大阪府立大学交響楽団 加藤美那子指揮 / プロコフィエフ交響曲第7番 他

    * 4月 6日 オーケストラ・ディマンシュ 金山隆夫指揮 / プロコフィエフ交響曲第6番 他

    * 5月 6日 吹田市交響楽団 新谷武指揮 / シベリウス交響曲第7番、プロコフィエフ交響曲第5番 他













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