２００８年１２月３１日（水）　　２２：００　　　-　241　- 　　

　　　　大阪シンフォニカー交響楽団　　トム・ウッズ指揮　　びわ湖ホール


　　　　　Ｒ＝コルサコフ　　　スペイン奇想曲
　　　　　メンデルスゾーン　　ヴァイオリン協奏曲
　　　　　マスカーニ、プッチーニなどのオペラより８曲
　　　　　沼尻竜典　　　　　　祝祭ファンファーレ
　　　　　ヘンデル　　　　　　ハレルヤ・コーラス
　　　　　ホルスト　　　　　　ジュピター
　　　　　エルガー　　　　　　「威風堂々」第１番

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2007年大晦日のびわ湖ジルベスターが素晴らしく
愉快だったので、大いに意気込んで行きました、
びわ湖ジルベスター。

しかし私的には駄目だった、司会者が。
小米朝がＮＨＫドイツ語会話で好きだった事もあって、
０７年ジルベスターは大いに愉快だったのですが、
０８年の司会者は馴染めなかった。
司会者一つでこうも演奏会が左右されるとは、
ジルベスターならではの効能だろう。

前半は、スペイン奇想曲とメンコンで
クラシック・コンサートを全面に。

　　メインは、アリアと合唱でジルベスター定番の華やいだ雰囲気を。
　　名曲ジュピターで盛り上がると、締めは威風堂々やラデツキー行進曲で
　　お決まりのパターン。 　　

ごった煮、なんですな。
　　
　　たしかに万人受けするプログラムってのは、難しい。
　　明るく華やいで、それでいてみんなも知っていて、
　　なおかつピリっと輝く名品でないといけない。
　　そう考えると、前半のスペイン奇想曲とメンコンは大いに疑問符。
　　
　　スペイン奇想曲は冒頭を飾るほどの名曲でも人気曲でも無いし、
　　メンコンはソリスト堀米ゆず子のリクエストだったのだろうか。
　　メンコンのような三十分近い曲にせず、モーツァルトのトルコ風、
　　ベートーヴェンやドヴォルザークのロマンスと言った風に、日頃なかなか
　　採り上げにくいオケ伴奏付きのヴァイオリン小品集なんかにすると面白いのに。
　　ソリストは大変だろうけど、いろんな引き出しがアピールできて、
　　ファンも増えるだろう。 　　

とにかくこういった演奏会は５分くらいの、
名品なのに実演度が少ない曲を
これでもかこれでもかとやった方が、
お得感も多い。

プログラムには作曲家名だけ公表して、
演奏曲目はミステリーにしておくと、
ミステリアス演奏会となって、
玄人も喜ぶ。
　　

問題はミーハー対策なんだよなぁ。
　　こいつらが金を運んで来てくれるんけど、マナーはなってないし、
　　微妙な選曲ではその曲の奥深さが理解出来無いし。
　　いっそ、モーツァルトだけとか、ベートーヴェンだけといったプログラムの
　　ジルベスターの方が、選曲は工夫できるかもしれない。
　　

０７年のカウントダウン後の曲は、コープランド「市民のためのファンファーレ」。
　　これは交響曲第３番にも組み込まれてる、非常に大胆かつ劇的な一曲で、
　　これを年始めの一発に持ってくるセンスは非常に良かった。
　　０８年（今回）は、沼尻竜典「祝祭ファンファーレ」。
　　指揮者沼尻ちゃんの作曲が聴けるってんで、私的にはとても期待していた。
　　
　　感想は少し厳しいものがあり、プッチーニの旋律（トゥーランドット）等を
　　取り込んでゴチャゴチャっと掻き回したような作品。
　　どうしても前年のコープランド（大名曲！）がオーバーラップしてしまい、
　　沼尻さんには厳しい聴き方になってしまった。１階座席に聴きに来ていたので、
　　この曲だけでも飛び入りで指揮棒握れば、面白い余興になったんだけどな。
　　
　　威風堂々のテンポは、速くて良かった。合唱つきの威風堂々。
　　ＴＶで観た「プロムス」の映像を彷彿とさせるようで、これはお得感があった。
　　

今年は、終演後のキャッフィーが居なかった。
キャッフィーが駄目なら、ひこにゃんに来て欲しい。
相当盛り上がるんだけど。

ゆるキャラ大ブームだから、いっそ、
ホール専属キャラを作ったらどうか？
終演後、かわゆくお見送りしてくれる
キャラが居たら楽しい。

いつもいつもだと、そのうち誰も見向きも
しなくなって、それはそれで寂しい光景に
なるかもしれないけど。

　　「びわにょん」（猫ベース）とか、「琵琶びわんこ」（犬ベース）とか、どうか？（隊長の提案）


　　 　 　



　　***　過去の　『１２月３１日』　なコンサート感想。

　　　　*　去年のびわ湖ジルヴェスターコンサート　/　大阪シンフォニカー交響楽団　沼尻竜典指揮

　　　　*　２００４年　岩城宏之指揮　Ｎ響メンバー達による管弦楽団　/　ベートーヴェン　交響曲全曲