(隊長作)

2009年5月9日(土)  18:00   - 262 -    訪問者数

     NHK交響楽団  指揮・ピアノ オリ・ムストネン
     NHKホール


     ムストネン     3つの神秘
     ベートーヴェン   ピアノ協奏曲(ヴァイオリン協奏曲の作曲家自身の編曲)
     シベリウス     交響曲第6番
     シベリウス     交響詩「フィランディア」

  mnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmnsmns   (隊長作)

読者諸兄に「アタリ」を予告し、自らも大いに
期待しまくって聴きに行った、N響ムストネン。
  土曜夜ということもあったので、パーク&ライド作戦をやってみました。
  

自宅から関東近郊まで東海道(国道1号線)を
ひたすら突っ走り、箱根の山の手前(三島)から
各駅JRに乗り換えて上京する作戦です。

かつてインバル&都響の「アルペン」コンサートを
この作戦でチャレンジしたのですが、
初めてという事もあって静岡県沼津市に
着いたのが夜6時。

コンサート開演は、サントリーホール夜7時。

  絶体絶命って時に、自家用ジェットに乗り換えて間に合った、
  ってのはウソで・・・。

  コンサートに間に合わなかった腹いせに隊長と喧嘩しながら、
  御殿場のアウトレットに行ったのが悲しい思い出。
  チケット2枚で8千円がパーになった。
  いまだにインバルのアルペンがどんな演奏をやってたのか、
  淋しく想像してしまう。
  

  そんな悲劇はもうコリゴリ。   (隊長作)

今回は計画的に行こう。
  早朝に出発し、ブックオフが何軒あろうと寄り道せず、ただひたすら直進。
  岡崎の八丁味噌も、浜松のうなぎも、静岡おでんも、富士やきそばも我慢。
  とにかく箱根の山まで、ひたすら急ごう!
  
  箱根手前(三島)でパーキングし、JRに乗り換えるのがキーポイント。
  箱根の山越えは道が悪く、そこへ渋滞が重なったらどれだけ時間が掛かることか。
  
  どうせ小田原や藤沢あたりで、高い駐車料金払って停める位なら、
  三島は新幹線停車駅なんで駐車場も沢山あるだろうと考えた。
  実際三島駅北口は駐車場がたくさん、一日千円ちょっとで停めれました。
  

ただし三島から原宿(NHKホール)まで、
JR普通乗車券片道2,210円!

二人が往復したら8,840円です。
首都圏ホリデーパスがあると
思ってたのですが、東海道線最西は
平塚駅だったんです。

リサーチが甘かった。
次回は平塚駅近辺に駐車して、
上京したいと反省。
  
  東京にお住みの方は、「ご苦労なこった」とお思いでしょう。
  私もこんな馬鹿げた計画をああでもない、こうでもないと呻吟していると、
  時々無性に腹立たしくなって、一刻も早く東京に戻りたいと思う。

  しかし、しかしですよ。
  このシンキング・タイム、それに苦難を乗り越えて馳せ参じる過程(旅程)が堪らん。
  旅とは目的地に着く事より、それを計画している最中や、あたふたしながら
  旅している最中こそが醍醐味。

  なぁんて紀行文ではもっともらしく書いてありますが、本当だね、これは。
  ハラハラドキドキは海外旅行に勝るものはないけど、国内旅行でも
  格安旅行はやっぱり面白い。7月はハモン・コンサートを、この平塚作戦で
  成功させたいと願っております。   (隊長作)

乞うご期待。
  

まあ、そんなわけで渋谷に着きました。
しかも開演2時間前に。

久々の渋谷、ということで
タワーレコード渋谷店。

ディスク・ユニオンはしゅっちゅう
行ってますが、タワーは久しぶり。

  久しぶりだと、欲しいものも結構出ている。
  この日最大の収穫は、モツレク。
  
  何をいまさら、モーツァルトのレクイエムだなんて、言うなかれ。
  弦楽四重奏版ですよ、ドビュッシー四重奏団による演奏。
  かつてクイケン四重奏とかも録音したそうですが、兎にも角にも、
  まずはドビュッシーSQ。

  「レクイエムは、やっぱ合唱ですよ」という声が大勢でしょうが、
  なんとまぁこの弦楽四重奏の哲学的な調べ。
  冒頭キリエの腹に染み込むようなチェロの低音。
  綾が織りなすような、旋律と旋律の絡み合い。
  透明ゆえに四声部の流れが明瞭で美しいことと云ったら。
  

ネットで検索しても、相当聴き込んでいる
マニアしか採り上げていないようです。

さすがマニアは採り上げているんですが、
これほどの名演が話題沸騰にならないとは、
なんたることか。(隊長作)



  N響聴きに行った話なんか霞んでしまうくらい、この弦楽四重奏版レクイエム、
  絶品ですよ。
  
  
  さてさて、N響。しかもムストネン。
  これは絶対アタル!と言い切ったわけですが、どうも失礼しました。
  N響はむかしに比べると随分頑張るようになったけれど、私がアムステルダムで
  聴いた時のムストネン指揮するシベ6みたいな演奏とは程遠かった。
  N響、頑張ってたけど、ヘタなんだよね。
  
  ムストネンの指示するような高速になるとアンサンブルが・・・。
  ゆったりと弦が歌うところなんかはウットリできたのに、
  シベ6の精緻さが半端じゃないんです。
  精緻なオーケストレィションを軽やかに走り抜こうとするには、
  天下のN響もまだまだワールド・スタンダードには至ってない。
  
  ちなみに、私がアムスで聴いたムストネンが振ってたオケは、
  ヘルシンキ・フェスティバル・オーケストラだった。
  自国モノという得意技ではありますが、妖精が舞い降りてるような
  演奏だったんですよ。シベ6というのは、本来そういう曲なんです。
  
  最初の曲「3つのミステリー」はムストネンの自作。
  なんと我々がアムスで聴いた演目にも入っていた。
  おそらくムストネン会心の自信作?
  しかし聴く前も、聴いた時も、聴いたあとも、まったく思い出せなかった。
  

そして今、もうどんな曲だったか
思い出せない。アムスと東京で、
2回も聴いた事があるって云うのに。

不協・不快音楽ではなく、
ちゃんとした曲だったような。
北欧っぽくて、夏が涼しくなるような
爽やかな曲、だったような・・・。

ベトベンの協奏曲。
試みとしては面白いよね。

ムストネンは素晴らしいピアニストでも
あるわけで、単なるPコンやるんじゃ
詰まんない、と思ったのでしょう。

  ピアノとティパニの掛け合いが面白かったし、ベートーヴェン自身による編曲という
  折り紙つきなんだけど、ヴァイオリン版の方がイイ。
  だってヴァイオリン協奏曲だもんね、もともとは。
  
  演奏はムストネンの攻撃的な性格ゆえか、アクセントがきつく、美音派では無いようだ。
  オケにも強く速い伴奏を求め、N響も結構着いて行っていた。
  なんだか変わってきたなぁ、と改めてN響を思う。
  
  メイン、シベ6。
  これも速いテンポ。
  弦は綺麗で、アンサンブルに目を瞑ればそう文句は無い。   (隊長作)

ただ、金管が、ときどき絶叫。
  フォルテは大きく吹くもんだけど、音質までセーブして吹いて初めて
  シベリウス・サウンドとなる。
  包み込むような、暖かく大らかなフォルテが欲しいのよ。
  そんな音質まで含んだフォルテを、そろそろN響もやっちゃって欲しい。
  最近のN響なら、きっと名演も出てくると思うから。
  

P.S.

ちなみに8時頃終演となったコンサート後、
三島駅に着いたのは11時半。

そこから車で国道1号線をひたすら西へ。
休憩しながらゆっくり帰ったんですが、
帰宅できたのは朝の9時。
面白かったけど、疲れた〜。



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  *** 過去の 『シベ6』 なコンサート感想。

    * アンサンブル・オレイユ  北爪道夫指揮

    * 名古屋フィルハーモニー交響楽団  リントゥ指揮

    * 六甲フィルハーモニー管弦楽団  松井真之介、森康一指揮
















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