(隊長作)

2009年6月19日(金)、20日(土)   - 266 -    訪問者数

     日本フィルハーモニー交響楽団  ラザレフ指揮
     サントリーホール

     チャイコフスキー  組曲第4番「モーツァルティアーナ」   
     モーツァルト    ヴァイオリン協奏曲第3番
     プロコフィエフ   交響曲第2番

  oczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczoczocz
  
  注意深い人は、気づいたかな?
  19日の金曜夜と、20日の土曜日昼。二日とも行ってしまいました♪我ながら、あほです。   

サントリーホール

最初はここまでするつもりはなく、
金曜はラザレフ、土曜はアマオケ
を考えてました。

しかし金曜の座席は
あまりに音響的に酷い席で、
一部の楽器ばかり全面に
押し出して聴こえてくるような場所。

それなのに、客入りは両日ともスカスカ。

  当日券という奴は曲者でして、当日空いている席すべてが売っているわけでは無いんです。
  たとえそれが、素晴らしい座席であったとしても。
  
  ちなみに金曜夜はA席6,500円、土曜昼はB席5,500円でした。
  隊長&隊員の二人で両方とも聴いたので、締めて合計24,000円。
  ホテルにも泊まったので、今回の演奏会は総額いくら掛かったか、早く忘れたい。
  お恥ずかしながら、この一年間、もっとも金が掛かったかもしれない。   (隊長作)

大好きな、金が!
  いつもケチケチ行動しているのに、ざまぁ無いやね。
  
  金がかかればかかるほど音楽に対して冷徹になってしまう我々ですが、
  金曜夜は残念、土曜昼の演奏は素晴らしかった(座席も希望通りのゾーン)。
  同じ演奏でも、こうまで座席次第で変わるものかと思った。
  初日がA席なのに座席が最悪、二日目のB席の方が良い座席とは、
  一体どないなっとんねん?
  

サントリーホール

今回はプロコフィエフが主役だから
座席云々はこの辺にしときますが、
A席とかB席とか、ゾーン配分は
もっと慎重に考慮すべき。

たった千円だけど、
何だか後に残るんだよなぁ。
(隊長作)

  ちなみに1階平土間の指揮者かぶりつきゾーンは、プロコみたいな大管弦楽は
  大凶バッド・ゾーン。
  
  
  さてさて、感想。
  モーツァルトとプロコフィエフ、二人の天才を並列する事で、
  何かを訴えようとしているラザレフ。私には解かりましたよ、
  ラザレフの真意(悪意)が。

  どう聴いても、プロコが勝っている。
  いやいや、勝っているなんてもんじゃない、圧勝だね、プロコが。
  そもそもモーツァルトは不利でしたよ、だって、曲が曲だよ。
  モーツァルトなら「レクイエム」とか後期交響曲とかでないと、
  プロコ2番と同じ演奏会に載せるのは可哀そう。
  
  モーツァルトがもし、現代に生まれていたら。
  喜び勇んでプロコもショスタコもストラヴィンスキーも聴きまくって、
  それ以上の音楽を圧倒的な旋律に載せて書いちゃうかもしれない。

  しかし、生まれるのが早すぎた。
  モーツァルトがもっともっとありとあらゆるタガを外した上で勝負できたら、
  どんな音楽を書いたか想像もつかないが、取り敢えずヴァイオリン協奏曲くらいでは、
  プロコの2番とでは月とスッポン。ラザレフの強烈すぎる悪意に感じた。
  

  両曲の橋渡しをしているのが、チャイコフスキー。
  モーツァルト〜モツァルティアーナ〜チャイコフスキー〜ロシア作曲家〜プロコフィエフ。

  だけど哀しすぎるピエロみたいな役割で、モーツァルトという宝石を真似て
  作ったダミーみたいな作品。本物と並べて演奏されちゃぁ、チャイコも浮かばれない。
  あの曲は彼のお遊びなんだから、モーツァルト真作のあとに演奏されたら、
  たまんないでしょ。

  しかもそのあとが、まったく本気モード全開のプロコ2番。
  余興にしちゃ、ちょっとイジメみたいに感じた。
  

多くの人が、モーツァルトというより
美人ヴァイオリニスト、
ニコラ・ベネデッティを堪能し、
チャイコの甘っちょろい音楽に安心し、
最後のプロコで辟易する。

あれ?
(隊長作)



  そうでしょうとも、プロコにうんざりした人が多いんだろう、という事くらい私だって感じてます。

  また、そういう人たちは恐らく死ぬまでそうなんでしょうよ。
  しかし私は、プロコ2番が飛んでもない大傑作だと感じてしまう我々は、
  ウニが気持ち悪い食べ物だと云って堪能しない人なんてほっといて、
  貪り食う。それでいいんだと思う。
  
  もう、プロコみたいな音楽は、解かった人だけが味わい尽くしたらいいんだと思う。
  ちなみに私は、ゲンダイオンガクだとかフランス音楽だとかはちっとも味わいえない
  人間ですから。もう解からない(合わない)音楽はほっといて、貪りたい音楽だけ
  ガツガツ味わっていけばいいんだと。   (隊長作)

最近、思うのです。
  
  うちの隊長はゲルギエフ&LSOが来日したとき、プロコ交響曲の2・3・4・7番を
  ここ同じサントリーで聴いたんだけど、LSO対日フィルはともかく、
  ゲルギエフのふにゃにゃ指揮よりラザレフの方が指揮は圧勝だった
  と言ってます。強い音を締めていき、要所要所での手綱捌きが見事に決まっていた。
  (足をダンッ!と音を出して踏み込むワザはずるいと思いましたが・・・)
  
  
  第2番はどうしてもあの強烈な冒頭(わたしは消防車のテーマと呼んでいる)に
  魅惑されがちだが、実演に接すると、意外や第2楽章が面白いと思った。
  
  延々と続く変奏曲、ヴァリエィションなんですが、交響曲の後半全部を
  ヴァリエィションで終わらしてしまう作品って、他にあったかしら?
  (隊長作)

変奏の中で、亡霊が出てくるようなシーンがあります。
  ここが最もお気に入りで、何度聴いても怖くて恐くて。
  白い靄がかかった深夜、街灯の光だけがたよりで、靴音だけが石畳の街に響く。
  
  オーボエなのかコールアングレなのか分からないけど、少し調子のはずれた旋律が
  無気味に響く。そのあと弦が冷たい風を巻き起こすように掻き混ぜて、さらに
  調子っぱずれな旋律がリピートする。
  
  しかしこのリピートは移調しており、明らかに狂っているように感じる。
  帰ってきた旋律は、もうさっきの旋律ではなく、すっかり壊れてしまっている。
  ものすごく怖い。

  どうしてこんな恐ろしい音楽を、みんなは聴きたいと思わないのか、
  不思議でならない。私が狂ってしまったのか、この音楽のせいで。
  

サントリーホール

アンコールは三つのオレンジ。
初日は指揮者が歩いて拍子を取ったのに、
二日目は歩かなかった。
なんで?



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  *** 過去の 『プロコさん交響曲』 なコンサート感想。

    * ロンドン交響楽団 ゲルギエフ指揮 / プロコフィエフ交響曲第2番 他

    * ロンドン交響楽団 ゲルギエフ指揮 / プロコフィエフ交響曲3番 4番 他

    * 井崎正浩指揮 フライハイト交響楽団 / シベリウス 交響曲第5番、プロコフィエフ交響曲第5番

    * ボレイコ指揮 NHK交響楽団 / ストラヴィンスキー「火の鳥」、プロコフィエフ交響曲第5番 他

    * 金聖響指揮 千葉大学管弦楽団 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * ハルフター指揮 新日本フィル / プーランク ピアノ協奏曲、 プロコフィエフ 交響曲第3番

    * 堤俊作指揮 俊友会管弦楽団 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * 神戸大学交響楽団 奥田恵悟、河合悠吾指揮 / プロコフィエフ 交響曲第5番、ドヴォルザーク チェロ協奏曲 他

    * 名古屋シンフォニア管弦楽団 堀俊輔指揮 / プロコフィエフ 交響曲第5番 他

    * NTTフィルハーモニー管弦楽団 田代詞生指揮 / ベートーヴェンVn協奏曲、プロコフィエフ 交響曲第5番

    * 大阪府立大学交響楽団 加藤美那子指揮 / プロコフィエフ交響曲第7番 他

    * オーケストラ・ディマンシュ 金山隆夫指揮 / プロコフィエフ交響曲第6番 他

    * 吹田市交響楽団 新谷武指揮 / シベリウス交響曲第7番、プロコフィエフ交響曲第5番 他



















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