(隊長作)

2009年11月17日(火)  19:00   - 283 -    訪問者数


     札幌交響楽団   尾高忠明 指揮
     東京オペラシティ・コンサートホール

      エルガー   序曲「フロワッサール」
      エルガー   チェロ協奏曲
      エルガー   エニグマ変奏曲


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前回に続いて今回も東京。
インフルエンザが本格的に大流行する中、
私はインフルエンザには掛からなかったが、
酷い風邪にはかかった。

そんなわけで、十月下旬から十一月中旬まで
コンサートに行けず。風邪の人は大勢の人が
集まる密閉空間(コンサートホール)に
入らないほうがいいしね。

世の中には、風邪を二三日で快癒する人がいるけど、
あれって凄い体力だと思う。
私は一度引いたら決まって二週間は直らない。
いつまでも鼻が出てセキも出る。

  だからコンサートにも行けないから、風邪を引かないように非常に気をつける。
  約2年間ほど風邪とは無縁だったし、体調管理には気をつけていたのに、
  引いてしまった悔しさよ。この半月程の期間に行けなかったコンサートを思うと、
  やっぱり健康が一番ありがたい。

  さてさて、昨年09年を振り返って、コンサートは49本行った。
  最近は厳選して行っているので大ハズレは減ったが、大々感動も減った。
  不思議と上期と下期に一度づつ来るようで、09年もその通りになった。
  

09年の「大々感動」演奏会は2本。
一つは、1月の新交響楽団(アマオケ)による
ショスタコーヴィチ交響曲第4番。

そしてもう一つが、今回11月の
尾高&札響(プロオケ)の
エルガー「エニグマ」がそれ。
(隊長作)

  新響は、タコ4という大好きな曲をどう演奏してくれるのかとATフィールド全開で
  聴き挑んだのだが、こちらの挑戦的姿勢を見事に打ち砕いてくれる大名演だった。

  一方、今回のエルガーは隊長が大好きな「エニグマ」&「尾高」という組み合わせ
  だったので行った次第。私は交響曲が好きなのであって、管弦楽曲は二の次。
  「エニグマ」は名曲なのでそこそこ聴いてはいるが、やはりエルガーと言えば
  交響曲。

  隊長がワイワイ言うほど好きではない。
  そんな下地にも拘らず、今年もっとも感銘を受けた演奏会2本のうちの一つ、
  プロオケとしては最高のコンサートだったのだから、どんな演奏会が当たるか
  聴いてみないと分らない。

  片や自分の好きな楽曲で、片や指揮者で選んだ演奏会で、とコンサートとは
  面白いもの。

今回は序曲からガチだった。
プロオケとしてもっともがっかりなのは、
手抜き演奏。

序曲、中プロ(協奏曲)は当然のこと、
メインも第3楽章までやる気の無い羅列。

終楽章でようやく取って付けたかのように
アッチェレランドして、
はい拍手〜♪
(隊長作)

  終楽章がいくら本気モードだったって、それまでの演奏は忘れませんよ。
  ところがどういうわけか、多くの聴衆はこのパターンに騙される。
  終楽章だけ意図的に盛り上げただけなのに、なんだか凄い演奏会に
  巡り合えたかのような錯覚(マジック)に陥る。

  本当に素晴らしい演奏会と言うのは、序曲、第一曲目から猛烈な事がある。
  逆に、序曲からして異様なテンションだと、たいてい当たり演奏会だ。
  新響(09年1月)も芥川の没後二十年を記念したトリプティークで幕を開き、
  壮絶な弦のうねりで開演したものだった。

  今回のエルガー・プログラムも序曲が珍しい「フロワッサール」。
  ほとんどの観客が未聴じゃないかしら(私もほとんど聴いていない)。

  札響は毎年、ホクレンの協賛を得て東京公演を行っている。
  ホクレンクラシックスペシャルと題して、今回が第22回。
  私は第17回(04年)のマーラー第6番を聴いているが、ホクレンの
  お土産(砂糖)とともにいまだに覚えているコンサートだ。
  札響としては、東京での腕試し、札幌の力自慢といった趣もあるのだろう、
  大いに力の入った演奏会となる。

東京公演という経費のかかる
演奏会を少しでも成功させようと
しているのだろう、
幕間のホワイエではCDや
様々なグッズが売られていた。

札響の特製ボールペン(一本二百円)が
売ってたので購入。太鼓バージョンと
弦楽器バージョンがあり、色も三色。


尾高&札響のエルガー第3番のCDが
売ってたので買いたかったが、2500円はちと高い。
諦めた。1800円なら買っただろう。

最近のドル安もあって、輸入盤CDが
安いので2500円には躊躇してしまった。
今に思うと、あれくらい買えばよかった。

  関西でも名古屋でも、観客の質の低さにイライラしているが、東京はスマートだよね、
  と思っていたらそうでもなかった。

  札響に対して嫌がらせでもしたいのか?と思うくらい雑音が多い。
  途中、ケイタイが鳴ったのには呆れたのだが、ケイタイをパキッと開けたり、
  音を消した後またパキッと閉じる音がホールに変に響いた。
  要するに弱音部のときのアクシデントであり、いったいどういう人間が
  やってるのかと悲しくなった。

  そんな嫌な事があると演奏への集中が途切れる私なのだが、今回のような
  名演の前では子供だましのような雑音は忘れてしまうものなのか。
  尾高忠明は名フィル客演などで何度かエルガーを聴いていたので、
  彼のエルガー演奏には期待していた。

期待以上の演奏は間違いないと
思っていたが、ここまで掘り下げた
演奏をするとは。

まず、私がもっとも関心高いテンポ。
自由自在に変化するテンポで、これは
相当入念に練習を重ねないと出来ない
テンポ変化。当然デュナーミクも生き物の
ように変化に富み、生演奏だからこそ
味わえる面白さがある。

  それに何といっても札響の団員たちのひたむきな演奏姿勢と言ったら。
  プロオケでここまでのめりこんで弾いている姿勢は滅多に見れないし、
  その姿勢に伴うだけの音がゾクゾクするほど飛んでくる。
  あまり絶賛すると来年のホクレンクラシックの当日券が無くなると
  困るんだけど、この企画は大変お聴き得。

  札幌でも東京公演と遜色ない演奏だとしたら、札幌に暮らすのも悪くない話かも。
  ただし、尾高さん在任時に限るかもしれない。

  東京オペラシティは久し振り。
  ステージ横の3階席だったのだが、音が「野太く」ガッツリ来る所だった。
  我々の嗜好には非常に合っていて満足。

今回も退館時ホクレンさまの砂糖(てんさい糖)
をお土産に頂く。

バブルの頃はいろんなお土産があったものだが、
世知辛い昨今、こういった嬉しいプレゼントは
滅多にない。

こんなプレゼントがあるのなら、
CD2500円も買えばよかった。
来年も是非、東京公演やって欲しい。


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  *** 『 尾高忠明 & 名フィル 』 なエルガー過去コンサート感想。

    * 交響曲第1番 他

    * 交響曲第2番 他





















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