(隊長作)

2010年2月6日(土)  14:00   - 291 -    訪問者数


     読売日本交響楽団   セーゲルスタム 指揮
     東京芸術劇場

      シベリウス    交響詩「フィンランディア」
      シベリウス    ヴァイオリン協奏曲
      シベリウス    交響曲第1番

  aowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaowaow
  

昨年11月17日の札響、オペラシティで
エニグマを聴いて以来の東京。
今回は土曜14時&18時、日曜14時の
3本トリプル・ヘッダー。

国内プロオケとしては、最も信頼の置けるオーケストラ。
ロジェヴェンやスクロヴァを招聘してきた眼力だけでも、
そのセンスは圧倒的。

同じように世界的指揮者を続々と投入してくる
N響があるが、プレヴィンやサヴァリッシュを呼ぶのと、
ロジェヴェンやスクロヴァを呼ぶのと、
どちらが後世、歴史的評価が上がるだろうか。

今後は年齢も考慮してスクロヴァ招聘が無くなりそうであり、
カンブルランにどれだけ後任力があるのか懐疑的。
今回のセーゲルスタムとか、ライナー・ホーネックでは無く、
兄マンフレート・ホーネックを是非呼んで欲しい。

(隊長作)

   (隊長作)
  フィンランディア。
  静謐で清らなかな歌い出しが見事で、それでいて中盤からの自然の脅威を
  感じさせる荒々しい表現も全く見事。

  これぞフィンランドというような大自然が彷彿されるような
  包み込むような演奏。序曲ではあるが、「フィンランディア」という
  国歌的重要曲だけあって、完全に自家薬籠にしている。

  一点、新発見した箇所があり、中間部の弦による静かで美しい最中に、
  大太鼓によるおどろおどろしいトレモロが一回入ること。
  打楽器奏者の人は当然知っているのだろうが、CDなどでは
  ほとんど聴き取れない。そこをセーゲルスタムは程よい加減ながら
  大太鼓のトレモロを印象付け、謎めいた雰囲気に仕立て上げていた。

  Vコン。
  第1楽章は緊張感が持続した入念な演奏だったので、思わず
  ヴァイオリニスト(松山冴花)のプロフィール等をプログラムから
  参照したりしてしまったが、楽章を追う毎に演奏への関心が薄れていった。
  スタミナ不足によるものか、終楽章はお疲れ演奏のように聴こえた。
  やっぱりアンコールも無く、スタミナ・バランスに欠いたものに感じた。
  素質は良いだけに、リサイタルやスタジオ録音CDなんかだと良い演奏を
  聴かせるんじゃないかな。
  

シベ1。
ここぞというところで
ネチっこい節回しで歌うので、
大袈裟な巨匠風演奏を
面白いと思える人には、
いまどき珍しい稀有な指揮者。

朗々と歌うところを明るくしみじみと歌い、
音が広々と拡散する。

  サウンドが爽やかで、聴いていても疲れないし、聴き終わった後の充足感が
  心地よい。

  今年66歳となる指揮者としては乗り切った年齢、
  白髪の髭仙人のような風貌だが、この人は若々しい感性の人なのでは無いだろうか。
  明確に個性的な演奏してくれて、セーゲルスタムならではの演奏が聴けた。
  「この人ならではの演奏」が出来るから、また次回も聴きに行きたい、と
  思わせるのだ。


osxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosxosx

(隊長作)

2010年2月6日(土)  18:00

     NHK交響楽団   ビシュコフ 指揮
     NHKホール

      ショスタコーヴィチ    交響曲第1番
      ストラヴィンスキー    バレエ音楽「春の祭典」
  

私が初めてビシュコフを聴いたのはCDであり、
ショスタコの第11番だった。その後、コンドラシン盤の
ショスタコ第11番を聴く事によって、ビシュコフは
飛んでもないヘボ指揮者だと決め付けてしまって、
全く聴かなくなってしまった。

今回は、土曜昼のセーゲルスタムと、
日曜昼に演奏されるアッテルベリを
聴きたいばかりに上京したのだが、
折角のサタデーナイト。

  何か演奏会があるのなら、聴かずにはいられない性格。
  N響は安いし、ほとんどの演奏会は当日自由席(1500円)が残っているので、
  ついつい行ってしまう。
  今回もプログラムが珍しいタコ1があるし、ライヴだと俄然面白いハルサイ。

  しかし、ビシュコフが最大の難点なんだよな・・・と思いつつ、
  原宿からNHKへと向かった。

  N響の感想は今回でなんと29回目。
  出来るだけ多くの楽団を聴こうと心掛けているんですが、どうしても
  上記理由によりN響は行ってしまう。

  土日の演奏会機会が圧倒的に多いこともあるし、これは仕方が無い。
  そうは言ってもN響演奏会、昨年5月(ムストネンのシベ6)以来だから、
  我ながらよく我慢した。
  いや、行きたい演奏曲目が減ったのかな?

  久々にN響演奏を聴いて。
  正直、随分頑張っている。
  むかしはやる気が感じられないと大いに怒っていたが、どうしてどうして、
  いつのまにか随分頑張る演奏をするようになったじゃないの。
  ビシュコフのお陰でたまたま熱演になったのだろうか?

  小難しいタコ1と、難曲春祭りだから、手抜き演奏どころでは
  なかったからだろうか?
  それにしても、随分良い演奏をするように変わってしまった。
  読響を聴いたばかりの梯子で、これだけの熱さを感じられるわけだから、
  相当アツイ演奏だった。
  

終演後の観客の拍手もそれに応えたもの。
コンサートにしょっちゅう行っている人は
解かると思うが、終演後の拍手って
様々じゃないですか。

普通の拍手、アンコールねだりの拍手、
心底感動した拍手、
聴衆全体が熱狂している拍手、
スタンディングオベィション。

  今回は心底感動した拍手、といったレベルではあったが、なめて
  かかっていた指揮者ビシュコフだっただけに、個人的には随分驚きの演奏だった。

  お昼のセーゲルスタムだけで今日は十分もとを取れた、と思っていたのに、
  夜も同じくらいの満足を得られようとは。
  こういう事がたまにあるから、演奏会って面白い。

  特に春祭り演奏が素晴らしく、一生忘れられないとまでは言えないけれど、
  家でCDを聴いているくらいならよっぽどビシュコフの生演奏の方が面白い。

  激しいリズムに体が右に左に揺れてしまい、音楽にノってしまうなんて、
  クラシックでは珍しい。誰も見てなかったと思うけど、少し恥ずかしかった。


   前へ  HOMEへ  次へ



  *** 過去の 『シベリウス1番』 なコンサート感想。

    * 名古屋大学交響楽団  角田鋼亮指揮

    * 新田ユリ指揮  アイノラ交響楽団


  *** 過去の 『ショスタコーヴィチ1番』 なコンサート感想。

    * 『ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会プロジェクト2007』 その1























inserted by FC2 system