６月９日（水） １９：００ - 27 -
大友直人指揮 東京交響楽団
東京芸術劇場
Ｒ・シュトラウス ホルン協奏曲第２番
メンデルスゾーン 交響曲第４番イ長調「イタリア」
ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲第６番ホ短調
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【 ＲＶＷ 】
車の略語じゃ無いですよ。
クラシック中級者が立ち寄る一人、
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの事。
ＲＶＷを知ったのは結構早くて、大学時代だった。
「海の交響曲」とか「ロンドン交響曲」「南極交響曲」なんてニックネーム付きが
好きだったのよね、若い頃は。
最初に買ったのはプレヴィン指揮の「田園交響曲（第３番）」だったかナ。
田園に興味があった訳じゃ無く、ＣＤジャケット裏面の作曲家の写真に目が止まったのだ。
私の母方の祖父に相当クリソツ。
彫りの深いブルドックみたいな顔で、一挙にＲＶＷに親近感を抱いた。
聴いてみると独唱が付いて、メロディアスな音楽に結構安心したものだ。
初めて挑戦する作曲家を自腹で購入する、というのは勇気がいるものです。
気に入ったので少しずつ買い足しており、今ではそこそこのコレクションになってきた。
でもそんなに好きなわけでもないし、嫌いという訳でも全然無い。
しょっちゅう聴くわけでもないし、聴かない訳でも此れまた無い。
いい演奏ＣＤが手に入ったら、集中して聴いているという状態。
昨年、三鷹市管が彼の第５番を演奏したので、聴きに行った。
大友の第５番も聴いたから、去年は第５番を２度も聴いたことになる。
全くなんと希有な１年だった事よ。
９曲の交響曲の中で、第５番が最も美しいと思う。お薦めッス。
攻撃的な曲がお望みなら第４番。
「うた」がお望みなら第８番でしょうか。
第６番は戦闘的だが今一つなのは、ショスタコの第６番とポジションが似てるからかも。
一番好きなのは第８番だが、これはいずれ指揮者の話と
ＣＤプレゼントを兼ね併せて紹介したい。
ｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎｍｎ
大友はここ近年、英国音楽の普及に精力的だ。
ほんまによぅ気ばっとりやす。
英国のほわぁんとした世界を理解できない人には念仏だが、起承転結だけ
が芸術ではないし、いろんな音楽があったっていいわさ。
フランス音楽で言えることだが、一瞬一瞬のエスプリ、女性が振り返った
時の一瞬見せる仕草、そんな美しさを大切にしている世界。
英国音楽は、そんな色気より自然だろうか。
北欧各国は思いっきし大自然だが（人っ子一人いない）、
英国は自然と都市と人間が程よく調和した茫洋とした美しさや軋轢を表わしている。
今回の第６番はＷＷU頃の1944年から1947年に掛けて作曲されただけあって、
直裁的な怒りあり、観念的な瞑想ありのヒトククリにしにくい作品。
それだけにこの曲の真髄を、究めようと熱中している人もいる。
大友ちゃんもそんな一人になったようで、彼の熱中振りは我らオタク連に
とっても微笑ましい段階に入ってきた。
当初は、（どうせウケ狙いなんだろ）と冷静に観察していたが、
ベートーヴェンやブラームスで百羽一絡げで纏められるよりズンと良い。
あと２０年も大友氏が英国音楽を精進してくれたら、決都ホンモノになってるだろう。
楽団員も大友氏の力の入れように承服しているようで、
前半のイタリアとは打って代わった反応。
こういった前半で手ぇ抜いて、メインで全力投球というのは悲しいです。
序曲だろうが協奏曲だろうが、全力投球し続けんと。
客も大した事ない演奏に迄、どうして拍手すんのかね？
イタリアもＲＶＷも同じように拍手してたら、
分かんない奴はいつまでたっても分かんないままだよ。
だけど分かんない楽団員ほど団内で政治力があんだろぅなぁ。
リヒャルトのホルン協、殆ど作品本体のヨサが分からなかったので、書く資格無し。
棄権します。
メンデルスゾーンの「イタリア」は隊長が好きな曲。
今年は３番も、このあと５番も聴いてるのでメンデルスゾーン尽くしな年だが、
名演にはなかなか出くわさない。
大友もＲＶＷに心魂傾けていたようで、
流していたと迄は云わないが感心はてんでしなかった。
客寄せプログラム故の「イタリア」なんだろうが、ＲＶＷがやりたい大友を尊重し、
せめてイギリスもので統一したら良かったろうに。
「イタリア」を楽しみに聴きに来た人が、可哀想である。
あんなイタリアでも満足気にしているお客さんがいるという事を、忘れないで欲しい。
