ねこ(隊長作)

7月17日(土)  14:00   - 36 -   訪問者数
    三重野清顕指揮  アニムス=クラールス室内管弦楽団・合唱団
    大村千秋(Pf) 三鷹市芸術文化センター

    ベートーヴェン  合唱幻想曲
    ベートーヴェン  交響曲第9番

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  【 「第九」 幻想文 】

  天の邪鬼な私は、師走の「第九」には絶対行きません。
  三鷹市芸術文化センター

今年はホーネックが読響を振る「第九」があるので
行くかもしれませんが、基本的には行きません。

これは第九が嫌いなわけで無く、年一回、
紅白歌合戦でも聞くようなノリでやってくる
群衆を避ける為です。
  
  年末の第九は国内オケの重大な収入源になっており、この馬鹿げたお祭り騒ぎも
  今さら修正するわけにもいかんのでしょうが、年末だけ狂ったように第九を
  撒き散らしている日本は最低レベルです。
  一年の感謝の意味も込めて選ばれた「第九」は確かに説得性のある選曲ですが、
  こうも猫も杓子も第九第九とは苦笑してしまいます。
  
  私的には、マーラーやブルックナーの第九で一年を締め括れたら喜んで聴きに行きますが、
  合唱付きの感動音楽がお望みならば、オルフの「カルミナ・ブラーナ」だとか、
  マーラーの交響曲第2番「復活」なんてやってくれた方がよほど有難い。
  
  年末のNHK=FMはバイロイト音楽祭のワーグナーを放送してくれてますが、
  日本でも毎年年末は「リング」を舞台形式でもいいから上演しちゃうなんてのはどうでしょう。
  
  最近はオール・ワーグナーこそ集客も上々だし、
  崇高な気分で一年を締め括れるんじゃないだろうか?
  ここまで日本も成長してくれたか、と心底そのオケが好きになっちまうでしょう。
  
  お祭り騒ぎを中心に考えるなら、「ベートーヴェン・チクルス連続演奏会」、
  これはいいですナ。
  日本でもやってましたよネ?
  2つくらいのオケが、交互に9曲の交響曲を「一日」で奏でてゆく。
  楽団員さんは大変でしょうが、聴く方も大変、でも達成感と充実感はあると思う。   うきょ(隊長作)

これを一歩進めて、「ショスタコ・チクルス連続演奏会」なんか滅茶希望。

  二日に別れてもしょうがないかな。
  偶数奇数でやったら面白い。
  奇数なら、5・7・13・15番と良いのがあるし、
  偶数だって4・8・10・14番とヘビーな音楽が一杯。
  
  ショスタコの15曲が多すぎるんなら、シベリウス7曲なんかどう?
  私としてはクレルヴォ交響曲もなんとかしてやってほしいんですが、
  シベリウス・チクルスなんて良いだろうなぁ。
  
  あららら、「第九」からドンドン外れて幻想してしまいました。
  いつもの事で済んません。
  
  araraararaararaararaararaararaararaararaararaararaararaarara
  
  師走の第九は恥ずかしいけど、真夏に第九なんて粋だねぇ。
  しかも前プロに「合唱幻想曲」とは、いかしたカプリングだ。
  第九は大ホール・大合唱団・大音響でやるのが常道だけど、
  その逆の流れを行くとは正に私好み。   金魚(隊長作)

クソ熱い昼日中、えっちらおっちら三鷹駅から
三鷹市芸術文化センターまで歩く事15分。
  途中、中古レコード屋の老舗「パレード」や、有名な餃子屋さん
  「ハルピン」等がある裏通りを歩くと、楽しめながら歩けます。
  
  毎回偉そうに書いてますが、「第九」を生で聴くのは久しぶり。
  いつ以来聴くのかチョット思い出せないくらい。
  自宅でのCD鑑賞なんかでは、ちょくちょく聴いてるんですよ。
  コンヴィチュニー盤がお気に入りです。
  
  「合唱幻想曲」は高校生の頃から知ってます。
  「第九」のプロトタイプみたいな音楽で、こういった「原型」みたいな代物は大好き。
  作曲家が当初はどういったイマジネィションで着想したんだとか、
  その原型がどのように変形・成長してったんだか聴こえてくるようで。
  そんな2曲を並列して演奏してくれるとは、なかなか有難い演奏会。
  
  先日の同ホールでは、舞台近くの2階席に陣取ったのですが、音響や音の聴こえ具合に
  悩まされましたので、今回はホール中間の2階席左端に後退しました。
  2階席ってのは、外せません。
  
  私の文章で、ピアノについて書いた事ってあんまり無いと思うんですが、
  今日はピアノがかなり良かった。
  えーとー、大村千秋さんネ。
  出だしでは若干怪しい所があったんですが、どんどんノってきまして。
  私的には、この「ノってくる」演奏というのが重要。
  いくら上手くっても詰まらない演奏だと意味無いでしょ。
  観衆の前で音楽に没頭し、音楽に取り付かれるのは、一種の才能でしょう。
  
  「合唱幻想曲」自体がどこへ向かってゆくのか分からない、だから幻想曲
  なんですが、スリルと冒険心に溢れている音楽。
  これに同調した嬉々としたピアノが丁々発止と絡んで来るんだから、
  面白かろう筈がありません。
  いよいよ合唱が出てくるとこなんかも感動的で、こりゃ第九もいいに違いない、と確信。   すし(隊長作)

結論を先に、「第九」も良かった。
  こういった名曲はついつい自分の中の名演と比べて感想も厳しくなるんですが、
  古楽演奏風の第九が珍しかったのと、弦の上手さにレベルの安定感が大きかった。
  
  第三楽章が一番好きなんですが、ここはやや惜しかった。
  弦の流れが、こういう所では古楽演奏よりもロマン派奏法の方が自分には好みでした。
  
  キビキビとしたテンポ設定で通してきたんですが、
  合唱が入る大詰めの辺りからテンポが落ちたのは意図的だったんでしょうか。
  こういった「揺らし」のある終楽章は返って面白くもあり、難しい事だったと思う。
  
  次回はオール・バッハ・プログラムだそうで、
  ここの演奏なら期待できんじゃないかな、と思います。
  バッハは日頃トント聴きませんが、生演奏だとマタ味わいも違うでしょう。
  次回が来年5月7日とは、少々先過ぎるんじゃ無いでしょうか。
  
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