10月24日(日) 15:00 - 51 -
アシュケナージ指揮 NHK交響楽団 NHKホール
チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」
チャイコフスキー 交響曲第4番
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私は日曜日の演奏会に行ったんですけど、上記のプログラムの土曜日演奏会では、
大変なハプニングがあったそうですねー。日曜日のアシュケナージは至って普通で、
前日にそんな事があったなんて全然気づきませんでした。
我々のポゥル・ポジション3階E席からでは、彼の手に包帯が巻いてあるのかも
気づきませんでしたし、大きな頭を乗っけた小さな体は元気一杯に動いてました。
まだ御存知の無い方にもご説明いたしますと、23日(土)のNHKホールでも地震が多発。
演奏時間も若干遅れたそうです。
そのうえ演奏中に指揮者アシュケナージが、自らの指揮棒を左手に刺してしまい、
後半のチャイ4はコンマスの弾き振りに急遽変更になったとか。
「モーストリー・クラシック」の記事
http://uranus.excite.co.jp/r.asp?3408442&0007FP&0011&0001 ←もうリンク切れしてます。
いえいえ、別に私は指揮棒を刺して苦しんでいるマエストロを見たかった
なんて、悪魔のような事を言ってるんじゃありませんよ。
ただ、そういった千載一遇のハプニングに出くわしたかった...と。
いやいや、チャイ4という大掛かりな曲を弾き振りでやってのけるという
エキサイティングに出会いたかった...と。
前回でも書きましたように、私はアシュケナージはちょっと肩入れしています。
それだけにピアニストでもある大切な手を怪我された、その事には純粋に
心配でもあり一日も早く完治なさって頂きたいと思います。
手術は即日行われ、翌日の元気な指揮姿からも大事には至ってないようで
すが、指揮棒が改めて危険な道具であることを実感しました。
以前、TV番組「トリビアの泉」で、
「そのむかし、リュリという作曲家兼指揮者は、
指揮棒を自らの足に串刺してしまい、それが原因で死んでしまった」
という「へぇへぇ」話を放映してましたが、今回の椿事も
「これって、トリビアになるんでしょうか?」と投稿したくなります。
冗談ですよ。
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前述したとおり、前日にこんなハプニング&大怪我を
なさったとは思えない、いい演奏&指揮でした。
こうやって2回目のアシュケナージ&N響を
聴いてみると、私は彼の音楽と合うのかもしれません。
逆に言えば、あれだけN響を書き散らしていた過去は、
音楽監督デュトワにあるのかもしれませんね。
12月にはデュトワがN響とベートーヴェンやストラヴィンスキーを披露
してくれますので、確認してみます。
驚くことに、今年初めての我々のチャイコフスキー・コンサートでした。
チャイコはクラシックおたくとしては、避けては通れぬ大御所重鎮です。
我々もかつては散々お世話になった作品なんですが、
最近はあんまし(全然)聴いていなかった。
それがこんなカタチで聴けれるんだし、やはり珍しいチャイコの3番ですから、
CDを引っ張り出して「予習」もやりました。
チャイ3はアバド&シカゴ響で予習したんですが、
CDの演奏がいいんでしょうね、もの凄く惚れ直しました。
それ以来、私のMP3はチャイコフスキーばかり入ってます
(今はロメジュリと悲愴)。
少し前までは、名曲といわれるもには、それだけで白眼視を投げつける狭い心だったんですが、
今年はベートーヴェンやチャイコなんかも心から楽しめます。
どうなったのかなぁ?
これが大人の遊び心というヤツでしょうか。
いい音楽を、世評に惑わされること無く、じっくり愉しむ。
素直な心で音楽(芸術)に向き会うと、得られるものが違います。
まぁそんな「にわか?」ファンであり、あつあつチャイコ・ファンなだけに、
演奏に対しては意気込んで向かい合ったんですが、アシュケナージ、
いい演奏です。
前日の椿事があっただけに、楽団員さんも彼の「手」をより注目してたんでしょうね。
また、じっくりチャイ3を聴き込んでみると、この曲っていい曲ですねぇ。
チャイコの曲といえば、「悲愴」や「チャイ5」ですよね。
最近の学生オケは「チャイ1」も何故だかよく採り上げてますが、
この「チャイ3」は実にいいですよ。
チャイコが後期交響曲を書くに至る、試行錯誤が溢れています。
そのサマは、ブルックナーの5・6番のようでもあるし、ベートーヴェン
の4番のようでもあり、美味しいエキスがたっぷりありながら、
それがマーブル状態で未完成な初々しさがあります。
チャイ4は手堅い演奏、と申しましょうか。
金管群大活躍のこの曲は、下手するとお下品な演奏に成り下がりがちなんですが、
まさに「手堅く」手綱を絞った演奏でした。
もう少し、個性というかお遊びというか、「あれ?」という解釈も聴きたかったですが、
曲が派手なだけに、中途半端にいじくるくらいなら、
こういった普通の取り組み方のほうがいいのかもしれない。
とにかく、チャイコフスキーはいいんじゃない!
そんな気分になってしまった、楽しいコンサートでした。