リース(隊長作)

11月27日(土)  18:45   - 62 -   訪問者数

    バルシャイ指揮  群馬交響楽団  群馬音楽センター

    マーラー  交響曲第10番(バルシャイ補筆完成版)
  
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  群馬音楽センターの近くのすずらん前のクリスマスツリー
去年まで一度も行ったことが無い群馬・高崎。
なのに今年はこれで、二回目の訪問です。
音楽の力って、素晴らしいね。

一度目は遠くに感じた群馬音楽センターも、
2回目の今回はサクサクと辿り着いた。

  市の商店街ストリートをそぞろ歩きしていたら、十数分で着く。
  いくさ前の腹ごしらえとして、高崎きってのデパート「すずらん」のレストラン・フロアへ。
  折角おそばの美味しい街なんだから、と蕎麦屋をくぐる。
  麺が細目で、独特の味わいがあった、旨い。
  
  日本各地を十箇所余り変転としてきた私の人生だけれど、この高崎はなんだか良い街だ。
  流れ者ならではの勘だけど。
  遠くに山々が見えるのは私の故郷と似ているし、
  音楽を大事にしている市民性も素晴らしい。
  
  群響・高崎と申し分ないのだが、申し分あるのが群馬音楽センター。
  前回も苦言を呈したが(文句とも云う)、今回も言わさして下せい。
  プログラムは貪欲だし、招聘指揮者もハイ・センスな群響なだけに、
  このデッド・ホールはあんまりにも可哀想すぎです。
  
  都内には優れたホールがゴロゴロ転がっており、
  そのほとんどがくだらないカラオケ大会やなんとか発表会に使われている。
  そりゃ、金を払っておとなしく使っているいるんだから勝手なんだが、
  群響のような超優秀な楽団があのホールで名演を繰り広げているのは
  あまりにも勿体無い。
  
  クラシックは優れたホールがあってこそ、その真価が倍増するもんである。
  
  ウィーンのムジーク・フェラインしかり、ベルリンのフィルハーモニーしかり。
  N響もNHKホールでやっているのは可哀想かもしれない。
  
  まぁそんなホールで聴いた訳なんだけど、
  今回は前回を反省してB席二千五百円にランク・アップ。
  前回のC席っちゅうヤツは、ホール端のエリアで自由席。
  その分、前後自由に座れるわけなんだけど、音が来ない。
  モノラル録音を聴いているかのような不思議ワールドなんです。
  変な体験をしたい人には、面白いかも。
  
  前回の「群馬音楽センター感想」はこちら
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai/dai6.html
  
  演奏は良かった。
  まぁ、CDで聴く限りは名演間違いないわけなんですが、
  本番はどうなるか分からない不安があった。
  オケだって違うしね。
  バルシャイの指揮振りは淡々としていて、
  CDから伝わってくるような熱い感情表現がとても少ない。
  
  第1楽章はマーラー自筆のスコアであり、と言う事はバルシャイ自身が手を
  加えた箇所が無いわけなんだが、なんとはなしに想い入れに欠ける様な演奏。   こあら(隊長作)

大丈夫なんか?
  この辺では正直、不安でした。
  2時間かけて来て聴いてんですよ。
  
  しかし自らが輔弼完成した第2楽章からは、手中の珠をころがす様な慈しみ。
  楽団員もバルシャイからみっちり仕込まれているようで、
  楽章を追う毎に熱く反応してくる。
  
  そうした想いを積み重ねながら終楽章に辿り着いたんだが、
  終楽章を聴きつつ思ったこと。
  わざわざ高崎まで来て、ほんと良かった!
  
  男の中の男である私は、残念ながら今まで一度もコンサートや映画で泣けた例が無い。
  今回も落涙することは無かったが、私のつぶらな瞳がウルウルになってしまった。
  バルシャイ版のマーラー第10番そのものがどれほど素晴らしいかは、
  私が以前ご紹介した記事をご覧頂けたら、と思うんですが、
  
  CD紹介「マーラー第10番バルシャイ版」
  バルシャイ指揮 & ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/cd/cd16.html
  
  そのCDでさへ感動極まりない演奏が、今現前で行われているわけです。
  
  しかも群響は何かに取り付かれた様に、陶然と弾き込んでいます。
  これは興奮します、はい、感動しないでいられましょうか。
  そして、この演奏をサントリーで、いや、せめてトリフォニーあたりで聴けれたら
  どんなに遥かに恐ろしい空前絶後なコンサートになっていた事か。
  
  高崎のみなさん、なんとかしてやって下さい。
  
  終演後は、相当長い間、拍手が鳴り止まなかった。
  バルシャイ版のマラ10は、まさに燃焼し尽す最終楽章のカンタービレが白眉であり、
  これをナマで聴かされちゃぁ、よっぽどの朴念仁でも無い限り心動かされると思う。
  
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