ツリー(隊長作)

12月12日(日)  14:00   - 64 -   訪問者数

    三河正典指揮  小田原フィル  小田原市民会館
  
    ハチャトリアン    組曲「仮面舞踏会」
    ショスタコーヴィチ  交響曲第7番「レニングラード」
  
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  【 小田原 】   魚(隊長作)

私は海の幸が大好きなので、新鮮な魚が食べられる街が大好きだ。

  学生時代は海の綺麗な街に住んでいたので、大学近くの喫茶店でも、
  今考えると驚くほどピチピチな刺身を食わしてくれた。
  しかもそれをフライにして食わしたりする贅沢さだった。
  卒業後あの街は一回しか行ってないが、今も旨い魚を食わしてくれてるんだろう。
  
  東京さ出て来て、一番に驚いたことは水の不味さだった。
  水道水を何気なく飲んでみたら吐き出してしまった。
  今でこそ笑い話だし、水道水をそのまま飲むようなことが危険なことも解ったが、
  田舎の水はそれだけ旨かった、ということ。
  そして旨い水で作った料理はことごとく旨くなる。
  
  ときどき、あの旨い新鮮な魚を食いたくなり、手近な所で真鶴とか熱海が思い浮かぶ。
  もっとも大田舎の魚にはテンデ劣るけれど、そこそこの新鮮な魚と、
  温泉街のごちゃごちゃした雰囲気が好きだ。
  熱海・箱根・真鶴に近い街として、小田原にも今年2回目の訪問。
  時間切れで中が見れなかった小田原城
一度目は小田原城を見ようということで来たのだが、
天下の小田原城も徳川時代に
随分縮小されたようで、
これじゃぁ官軍の東征から江戸は守りきれぬ、
と諦めるのも止むを得ないな。

あとは蒲鉾と餡パン、かな。

  今回は小田原フィルに突撃すべく小田原再訪したのだが、小田原市内が意外に面白くて、
  「これじゃぁ、うちらの住んでいる街より全然面白いね」と隊長と話したほどだった。
  小田原に住んで、小田急ロマンスカーで特急通勤が許されるなら、
  こっちの方がよっぽど文化的な暮らしが出来そうだ。

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  日々ネット・サーフィンにいそしんでいると、
  ときたま狂喜したくなる様なコンサート情報に出くわす。
  もちろんプロオケや、芸劇・サントリーなどの有名ホールを拝借した演奏会は
  手っ取り早く情報入手できるのだが、地方都市のレア・コンサートで、
  レア・プログラム、というのは滅多に出くわさない。
  
  今回のレニングラード・コンサートというのも、
  相当なご努力・ご尽力の末に結実した演奏会であったろうと察します。
  失礼ながら、どれほど多くの小田原市民が、タコさんの第七交響曲をご存知かと思うと、
  これほど啓蒙的なプログラムはないと思う。
  また、こんな曲目にも拘らず観客は十分集まり、白熱した演奏だった故、
  終演後も万雷の拍手とは斯くの如し、といった大成功だった。
    
  先月、パーヴォ・ヤルヴィ&東京交響楽団の「タコ10」を聴いて、
  私のショスタコ熱は冷めてしまったのか?と不安にさへなったのだが、
  今回みたいな演奏を聴くとやっぱりタコはいい!と熱く高ぶった。

  ショスタコの音楽は、何よりも気迫と情熱だと思う。
  理知的で冷静な演奏も一つの切り込み方だが、ショスタコが持つ豁然と私を
  興奮させる演奏は、やっぱり熱血な演奏が多い。
  小田原市民会館
今回の小田原フィル。
ここは、どうしてどうして。
相当うまい。

ショスタコとハチャトリアンを
カプリングするというセンスもさることながら、
それだけの大言壮語は吐くだけの底力がバッチリ。

  正直、少々見くびっていただけに、ここですっかり驚いた。
  
  それから指揮者・三河正典。
  初めて出合った指揮者なのだが、この人もかなりいい。
  ショスタコやプロコは、その音楽に心酔して初めて語りだせるものだと思うんですが、
  彼にはそれが溢れ出ていた。
  共感しているからこそ紡ぎ出せれる音、分かっているからこそ語り出せれる歌。
  一つ一つの繋がりすごく自然で、それでいて個性的、この人はいずれ世に出てくると思う。
  (こういったツバ付けも、アマ・オケならではの特権)
  
  私のショスタコ悲話はいずれ書きたいと思うんですが、第七番はもうとにかく大好き。
  大好きってな言葉じゃ安すぎるくらいに。
  それだけに私の愛する作品がちょっとでもイケテなかったら、
  それこそボロンチョに今日は書かして頂こうと思っていたのですが、
  幸いにも大絶賛したい演奏でした。
  そりゃプロじゃありませんから、細かい点はママあるんですが、
  共感と情熱は素晴らしいものだった。   (隊長作)

第一楽章のスネア・ドラム。
  この最難関パートを姿勢の美しい女性が受け持っていたのですが、
  女性ならではの繊細さから始まって、激烈な展開部ではバチがしなるほどのドラムで、
  これは決まっていた。
  よく、プロオケの打楽器奏者なんかで、終始一貫お上品にお叩きになっている方が
  いらっしゃられ給うのですが、作曲家と作品を見て、取り組み方も変えて欲しいものである。
  
  第三楽章はやっぱりフルートなんですが、ここのフルートもプロ以上の美しさだった。
  世のアマオケには、名フルーティストが沢山いらっしゃるんですが、
  これほど単独で目立ってしまい、かつ美しくて寂しくて儚そうな歌い方が出来る人も珍しい。
  
  小田原まで、片道2時間半の小旅行だったが、それだけの価値は十二分にある演奏だった。
  都内有名ホールで凌ぎを削っている有名アマオケだけを聴いていては、
  かえって井の中の蛙になるな、と反省したくなるような一日だった。
  
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