(隊長作)

12月31日(金)  15:30   - 67 -   訪問者数

    岩城宏之指揮  N響メンバー達による管弦楽団  東京文化会館
  
    ベートーヴェン   交響曲全曲
  
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  帰りに行った増上寺からの東京タワー

数年前、ヘルシンキにて
巨魁セーゲルスタムが
ベートーヴェンの交響曲全曲演奏会という
ギャグみたいな偉業を果たしていた。

さすがは怪物だなぁと感心していたし、
日本の「第九」演奏会みたいな陳腐さがなく、
さすがは欧州だなぁとうらやんでいた。
  
  日本でも3人の指揮者が振り分けることによって、
  ベートーヴェンを全曲やっていたのだが、安い席のチケットが取れなくて諦めた。
  しかし今年は早くから今回の演奏会情報をゲットし、千円席は逃したものの、
  五千円席は確保。   (隊長作)

非常なる期待を寄せて、今般の演奏会に望んだ。

  しかしこういったお祭りイベント。
  真にベートーヴェンを愛する人以外も参加しているのだ。
  お祭り企画が好きな人、話題性がある演奏会と云う事でチケットを貰った人、
  どれほど今夜の連続演奏会を楽しみにしているかが分かってない人。
  
  さまざまな人々が、さまざまな思惑で集まってきた烏合の衆の会場だった。
  
  C席五千円、というお陰もあって、我々の席は極上の音響が得られる5階席。
  ここはステージから放たれる音が、巧くブレンドされつつ   (隊長作)

音力が衰えることなく轟いてくる絶妙なエリア。
  舞台に居並ぶ演奏者は小さく見えるが、音響面では大変優れた場所なだけに、
  こういった場所がC席になっていることは、ある意味ありがたい。
  いつまでもこういった棚ぼた的な状況が続いて欲しい。
  
  しかしこういった舞台から離れた薄暗いエリアは、マナーがなっとらん輩が
  本領発揮いたす場所でもあり、今回も演奏に喜び近隣のマナーに嘆くコンサートとなった。
  コンサート会場におけるマナー問題は毎度のことだが、大晦日のベートーヴェンまで、
  いや、ベートーヴェンだからこそ、マナー知らずな演奏会慣れしていない人々が
  集まってくるのかもしれない。
  
  最終的には、第九の合唱部分で悔しさと悲しみの余りに落涙までした隊長であったが、
  演奏そのものは落涙したくなるだけの佳さがあった。
  ゲストとして三枝成彰が登場し、第5番の有名な動機について語ったり、
  指揮者岩城氏とのトークがあった。
  ネタばれにも繋がるが、岩城氏は第8番に最も心惹かれているそうで、その逆は第2番。
  正直な人だなぁと感心した。
  
  「第8番がもっとも良い」とは、少し玄人受け狙いがしないでもないが、
  「第2番の緩徐楽章がやっぱり緩慢」とはよくぞ言ったものだ。
  なかなかそう思っていても言えない事である。   (隊長作)

勇気ある発言だ。
  彼の第2番演奏が、やっぱり退屈だったのは残念だったが。
  
  私が好きなベートーヴェンは第4番と第9番の第3楽章。
  しかし、この日の演奏会でもっともハッとさせられたのは、第1番だった。
  
  全9曲を飾るにふさわしい幕開けでもあった名演で、第1番という作品を
  見直すほどの演奏だった。
  通常の演奏会でも時々第1番は採り上げられるが、
  そのほとんどが「付け合せ」的な時間つぶしだ。
  ところが今回は長大な旅へと連なる第1歩であり、
  懸命に取り組めばここまで音楽に輝きが増すのか、と唸った。
  
  全曲終了閉演となった時刻は午前様。
  大晦日から元旦にかけてのイベントだからこそ可能な企画であるが、
  たいへん面白い遊びであった。
  だけど来年は遠慮したい。
  そんな気分が、正直なトコロ。

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ベトベンの全曲演奏会を聴いて思ったこと。

  「ブルックナー全曲演奏会できんかなぁ」
  「チャイコだったら6曲とマンフレッドだし」
  「それだったらシベリウスも7曲とクレルヴォだし」
  「こうなったらショスタコの15曲全曲は迫力があるなぁ」
  「演奏する側も聴く側も、意識朦朧...」
  「プロコ7曲ってのは快挙だね」
  「リヒャルトの交響詩全曲ってのも快挙だろうなぁ」
  「まぁ、いずれにしても、ベトベン以外は不可能だろうなぁ」
  「それが日本の現状だねぇ...」
  
  「あ〜!そうそう!ブラームスを忘れとった」
  「交響曲4曲とPコン2曲にVコンで、全7曲ね」
  「これだったら聴き応えもあるし、バラエティ豊か」
  「作曲順にすれば、ブラームスの軌跡も辿れる」
  「なんてったって、客は集まること間違いない」
  「やればいいのに...」
  「やるんじゃないの?」
  「よぉし!来年はこの線を期待しよう!」

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