3月19日(土) 14:00 - 73 -
スローン指揮 東京都交響楽団 東京芸術劇場
ショスタコーヴィチ 交響曲第8番
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珍しい一曲プログラムになってしまった。
ベルティーニ音楽監督の喪に服すべく、カプリングされていた
ショスタコの「喜歌劇『モスクワ=チェリョームシキ』組曲」が
「演奏を差し控えさせて頂きます」 となった。
差し控えなきゃいけい程の音楽だなんて、一体どんな音楽だったのだ。
気になる、かえって気になる。
たぶんショスタコ・ギャロップ満載の「トットコ・トットコ・・・」リズムに
溢れたお馬鹿丸出し音楽だったんだろうか。
楽団の音楽監督死去に際して演奏するには、あまりにも憚りがあったんだろう。
ざんねん。
しょうがないけど。
でもそのお陰でチケット代が半額になってました。
いつもいつも最廉価チケットばかり買っている我が隊ですが、この時とば
かりに奮発して「B席4千円」が半額2千円になりました。
「モスクワ=チェリョームシキ」がどれほどの音楽だったのかは分からないけれど、
一曲プログラムで良い席を安く聴ける事は一興ですな。
楽団員も練習する曲を一曲に絞れるし、演奏の集中度も高まる。
観客だってこの一曲に今日の演奏会は掛かっていると思えば、
真剣に聴くんじゃなかろうか。
前プロや中プロって、どうも演奏者・観客ともに馴れ合ってる時があるもんね。
ベルティーニに捧げるためか、スローンの本来の解釈がそうなのか、
随分とゆったりとした「タコ8」テンポ設定で第一楽章が始まりました。
毎度の事ながら話が逸れるんですが、私が始めて買ったCDがこの
「タコ8(ハイティンク盤)」と「マーラー4番(マゼール盤)」なんです。
ですから、たった2枚しかないCDを毎日毎日最低2回以上は聴いていた
高校一年生でした。
タコ8を来る日も来る日も聴いてる高一って、やばかったなぁと思うんですが、
この2枚を買った後がショスタコの14番なんですから笑えます。
あの頃は、親が随分心配してたもんなぁ。
まぁそんなわけでタコ8にはかなり五月蝿いんですが、
こういう追悼演奏会ってやっぱり外せませんね。
当たるんちゃうかなぁと思ってただけに、予想通りです。
(不謹慎な発言をお詫びします)
強いて言えば、「捧げる」姿勢が全面に出ていて、音楽がハジケテいない。
ハジケテ無くてもいいのかもしれないが、我々はハジケタ(ぶっ飛んだ)
演奏解釈が好きなんです。
ですからスローンの今回のような「摺り足」で「慎重」な曲作りには、
今ひとつ燃えませんでした。
ただし、スローンが師事した一人でもある師ベルティーニへの追悼と感謝の念は
十二分に伝わってき、聴きに来て良かったと正直に思えました。
音楽は第2・3楽章が大音量で目立つんですが、
第1楽章がしみじみと良い音楽です。
「しみじみ」って表現も変なんですが、長時間の緊張感が持続する前半が
終わった後のコールァングレのモノローグがものすごく良かった。
ショスタコはソ連音楽だけあって爆音に次ぐ爆音も格好いいが、
こういった寂しさを謳わせたら天下一品です。
ベルティーニさん、都響は頑張ってますよ!
ありがとう。