(隊長作)

7月2日(土) und 7月9日(土)   - 87 -   訪問者数

   ♪7月2日(土)  18:00
    ボレイコ指揮  NHK交響楽団  NHKホール

     ブラームス      ピアノ協奏曲第1番
     フランク       交響詩「のろわれた狩人」
     ストラヴィンスキー  「火の鳥」(1919年版)
  
   ♪7月9日(土)15:00
    ボレイコ指揮  NHK交響楽団  NHKホール

     オラス       沈黙の王国(日本初演)
     モーツァルト    クラリネット協奏曲(Cl:横川晴児)
     プロコフィエフ   交響曲第5番作品100

  axaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxaxax
  
  好選曲だったので7月のN響はAプロ・Cプロともに行きました。
  個別に感想を書くところなんですが、ボレイコそのものについて書く事に
  なりそうなので、いっそ纏めて採り上げようと思います。
  NHKホール
一にも二にもボレイコの 個性が押し出された演奏でした。
ロシアはサンクトペテルブルク出身ですが、
ドイツやカナダのオケを廻って
昨秋からはハンブルク交響楽団の
主席指揮者に就任しています。

ロシア指揮者に望まれる
ストラヴィンスキーやプロコを取り上げつつ、
ブラームスやモーツァルトも押さえ、
オラスの日本初演やフランクの秘曲も
混ぜちゃうというウマいプログラミングです。

プログラミングよりも演奏の良し悪しはどうやったんか、
とはやりなさんな。

  私はプログラミングも指揮者の重大なセンスの一つだと思ってるんですよ。
  
  どんなプログラムにするかで、聴衆をどう思っているかが判りますし、
  日本での自分の路線というのも想定していると思う。
  チャイコでなく、プロコを入れた、という点は注目したいです。   (隊長作)

しかし演奏スタイルが気に入らんな。
  Aプロのブラームスはなかなか堂にいっていて、かなりな大音量系演奏。
  
  正直、プロコ・ナンバー・ファイブの偵察のつもりで聴きに行ったのですが、
  たいして期待もしていなかった「火の鳥」も好演で、   (隊長作)

こりゃぁプロコも結構期待しちまうねぇ、
  などと話してました。
  
  ところが最も肝心の(期待していた)プロコは、うちらにとってはあきませんでした。
  音はでかい。
  堂々としている。
  しかし、遅い。
  とことん遅い。
  いつも遅い。
  最後まで遅い。
  
  なにも遅いプロコ第5番がダメだと言いたい訳じゃない。
  第1楽章は、遅くても大いに結構。
  悠々と迫らず、ロシアの山河を思わせるような流れ出よろしい。
  しかしウィットとキッチュに富む第2楽章まで、
  懇切丁寧にとろいテンポで流すのはどういうわけだ?
  
  隊長はN響の技術技巧に合わせてのテンポ設定じゃないかと推測。
  しかし私は違うと思う。
  ここんとこのN響はかなり頑張っている(と感ずる)。
  そりゃ細かいパッセージなんかは「ブゥーン」と誤魔化すこともシバシバだが、
  数年前よりも弦や打楽器は頑張って弾いていると思う。

  大問題は木管軍団の恐ろしいまでのレベル低下だが、
  木管は数年前のメンバーの方がまだまだマシだった。
  
  プロコは1曲さへも演奏した事が無いので(あ!古典交響曲はやったけど...)、
  聴いている以上にどれほどプロコがクソ難しいのかは想像もつかないが、
  N響メンバーじゃぁこれくらいがお似合いさ、なんて思われての
  あのスローテンポ設定だったとしたら、N響が可哀想すぎる。
  私はボレイコの「遅くしたい&しっかりと弾かせたい」気持ちゆえの
  スロー・インテンポだったんだと、想像したい。
  
  まぁ兎に角、ボレイコのプロコは遅いままに最後まで歩いていったんだが、
  これじゃぁ全然興奮できなかった。
  (隊長作)
プロコフィエフという音楽の楽しみ方は、
ひとえに「ハラハラ&ドキドキ」だ。

  安全運転でしかっり演奏してもらっても、眠くなっちまうだけだ。
  どうせ眠くなるんだったら、酔っ払い運転でフラフラとテンポ揺らしまくって
  ハラハラさせてくれる芸当くらい見せて欲しい。
  
  演奏後はブラボーなんかが飛んじゃったりして、溜息が出てしまうほど聴衆も
  レベルが低かったが、この程度の客にはこういった指揮者がお似合いなのかなぁ。
  ボレイコが手兵のハンブルク響との演奏でもああいった解釈なら、彼には
  プロコフィエフ・センスは無い。
  しかし全く違ったテンポ設定だったら(緩急自在な演奏だったら)、
  N響はボレイコを2度と呼ばないほうがいいだろう。
  
  いろいろ書きましたが、ボレイコの全てが悪かったわけでは無い。
  肝心なプロコが鈍重だったということ。
  それがN響のせいか、ボレイコの好みか、はたまた両者の妥協か。
  
  だれか私をハラハラ&ドキドキさせて!


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