(隊長作)

9月9日(土)  15:00   - 123 -    訪問者数

    若杉弘指揮   NHK交響楽団  NHKホール

    ウェーベルン   パッサカリア
    マーラー     交響曲第9番 

  osososososososososososososososososososososososososososososososososo

  ひろしです...。
  恐らくあの語り口で始まるお笑い芸で、多くの「ひろしさん」が多大な
  迷惑を蒙っているのでしょうが、若杉弘も「ひろし」です。
  彼も演奏会後の打上げパーティーなんかであのギャグを使ってるのかな、
  と失礼な妄想を抱いてしまうのは私だけ?
  
  随分湿度の高い一日でしたが、またまた自転車で渋谷NHKヶ丘まで。
  隊長と隊員、なかよく自転車でサイクリング、と言いたい所ですが、
  隊長の自転車は遅いこと遅いこと。
  自転車ってのは速いことがありがたい筈なのに、隊長はスピード恐怖症で、
  小走り程度の安全運転でたっぷり二時間かけて渋谷に到着。
  
NHKホール前では、「お笑いコント」やら「バンド」やら
「ベジタリアン・フェスティバル」やらで、
混沌とした大道芸人の通りみたい。

特に「ベジタリアン」は通りのど真ん中で
トーク・ショーみたいな事を
やってて、邪魔ったらありゃしない。
もうそれだけでイメージ・ダウン。

  今回は開演一時間前に着いたので、珍しくロビーコンサートも覗いて見た。
  プロコとかやってくれんかなぁ、と冗談交じりで話してたら、ほんとうに   (隊長作)

プロコフィエフだったのでビックリ。
  演目は五重奏曲の抜粋で、オーボエ・クラ・ヴァイオリン・ヴィオラ・
  ベースという変則的組み合わせ。
  プロコを採り上げるなんて珍しい筈なのに、そんなプロコの日に限って
  聴きに行こうと思うなんて、不思議な縁です。
  
  五重奏曲はプロコの中でも民族色が濃い作品、かつ駄作。
  隊長は演奏が悪いんじゃないの、とプロコをあくまで庇うんですが、
  流石にあれは作品が悪いと思う。
  これといったメロディやドラマティックも無く、抜粋四曲は終了。
  演奏者達はこの作品が大好きで演奏したというよりは、仲の良い五人の編成で
  出来る曲目を探してたらプロコが見つかった、というのが実態じゃないでしょうか。
  そう思えてしまう演奏でした。   (隊長作)

ただしプロコを採り上げたことは、エライ。
  
  まぁ。思わずプロコの室内楽も聴けた事だし、今日は充分イイ日だったん
  じゃないの、と気分よく演奏会に臨む。
  前プロのウェーベルンは、新ウィーン楽派の割には解り易い楽曲。
  盛り上がりもあるし、メロディっぽい流れもある。
  決して不快で苦痛な新ウィーン楽派では無い曲。
  
  だけどだからと云って、CDを追加購入してまで攻略してみたいとも思えず。
  逆に、今だに新ウィーン楽派を採り上げる意図が不明。
  今回のプログラムはマーラーと近現代音楽を組合わせたものだが、恐らく
  プログラミングをしたのは指揮者若杉宏とその関係者だろう。
  彼ら年配者は若い頃勉強した新ウィーン楽派に思い入れがあり、
  マーラーと云えば彼らを採り上げるのではなかろうか?

  しかし、マーラーは多くの聴衆を虜にしているが、新ウィーン楽派に一体
  どれだけ支持者が集まっているのだろう。
  新ウィーン楽派を聴きたくて、コンサートに足を運ぶ人っているのだろうか?
  (それを言ったらプロコとかニールセンも似たようなものなのか?)。
  NHK裏
さて、ようやく本日の本題、マーラーの第九。
この曲は一つの究極でありまして、
ベトベンの第九を神曲のように崇め奉る人が多いように、
我々もマーラーの第九は何だかんだと言っても
ココロ弾む大曲であります。

それだけに演奏に対する感想や想い、
注文や指摘は言い出したらキリが無いんですが、
  (隊長作)

マラ9演奏会というだけでウキウキしてしまう。
  
  わたし(隊員)と隊長の感想はズレまして、私は大方良かった。
  隊長は第3楽章まで首を傾げ、終楽章はかなり感心したそうです。
  私が大方満足した理由は、大らかな演奏だったこと。
  せせこましい小細工は少なく、特に第1楽章などは大きなフトコロで
  包み込むような度量が良かった。
  言い換えれば、大味な演奏でもあったのだけれど、こういったズバ抜けて
  優れた名曲は小細工が一番悲しく映えると思ってる。
  楽曲にシンプルに対峙して隷従しつつも、曲への愛情が滲み出てれば
  イイ演奏になると思う。
  
  若い頃は、身も心も捧げ切って憑依したような演奏、例えばバーンスタインの
  BPOライブ盤なんかに随喜した私ですが、最近は少し好みが変わってきた。
  前回の外山マーラーは無為無策に怒ったが、今回の若杉マーラーは
  天衣無縫に好感するという、なんとも相反する感慨になった。

  あと、対位法による裏旋律が随所に立ち昇ってくる音量調整は面白かった。
  対位法の妙こそマーラーやブルックナーの真髄で、ここを堪能させてくれる演奏は
  ありそうで少ない。若杉もそこは意識してか、かなり愉しめたが、   (隊長作)

まだまだ金管打楽器に埋もれた裏旋律は多い。
  でも、意外に多くのマーラーの一面がチョコチョコ顕れて、マーラーの
  ちょっとした独り言や仕草が垣間見えてくるようで、こういった演奏は嬉しい。
  
  
  外山が5番で、若杉が9番と云うのは、二人を同列に論ずるにはあまりにも
  材料が違いすぎて可哀想すぎるが、若杉のマラ9はなかなか良い、と云うことは言える。
  ただし、マラ9特有の、体が痙攣するような、泣き震えるような深い感動でもなかった。
  大きなマーラーにほんわりと包まれるような、こういったマーラーもイイネ、
  といったマーラーだった。
  
  N響は頑張ってた。
  特にヴィオラの第2楽章前半、ジャッジャッジャッ、と鱧を刻むように
  喰い込んで来た演奏には、久々にヤル気が感じられた。
  
  
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