(隊長作)

11月12日(日)  14:00   - 130 -    訪問者数

    堤俊作指揮   俊友会管弦楽団  ミューザ川崎

    チャイコフスキー  バレエ音楽「眠りの森の美女」より(抜粋)
    G.タキーラ    「ヘルム峡谷の大角笛」
    L.モーツァルト  シンフォニア・パストレッラ
              (アルプホルン独奏: カルロ・トルロンターノ)

    プロコフィエフ   交響曲第5番

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  ミューザ川崎
プロコフィエフの交響曲第5番。
当日はいろいろと事情もあったのですが、
これは聴かずにおけない、
と川崎へ行ってきました。

プロコの5番は本当に良い曲で、
これ程のものがどうしてバンバン演奏されないのか
納得いかないのですが、
その理由は実際の演奏に接すると、
解ったりもします。
  (隊長作)

この曲は2つの面で難しいと思う。
  一つは曲を知ってる人なら、なぁんだとお思いでしょうが、
  テクニカルな面。

  弦は細(こま)いは、金管はキツイは、木管のソロ多数、打楽器爆裂。
  普通に弾けれてようやくゼロ地点。
  ここからがこの曲の出発点だと思う。
  
  そう、もう一つは、普通に弾くところから、
  どこまでこの曲を深く掘り下げれるのか。

  そのためにはメンタルな面がテクニカル面と対峙するくらい重要になってくる。
  なんだか面倒臭い曲だなぁとお思いでしょうが、考えても見て下さい。
  ベートーヴェンの交響曲だって、そう云われるでしょ、特に第九とか。
  弾けれるところから、どこまで進めるか。
  いな、どこまでその曲にのめりこめるか、愛せるか。
  ミューザ川崎
第九なら大好きな人も多いだろうし、
弾いてゆく中で好きになってゆく人も
多いと思う。

しかしプロコの5番は独特のクセが強い。
最初から好きになれる人は少ないだろうし、結局
最後まで好きになりきれない人も多いんじゃないか...。
そんな淋しい感想を抱いた。
  
  今回の演奏は、練習もこなして、途中危なかったところもあったけど、
  それなりに演奏は出来た。
  そこまでで演奏会当日が来てしまった、というように感じた。
  これはプロコ・マニアとしては、実に歯痒い。
  申し訳ない、プロコ・マニアが要求し過ぎてることは頭では解っている。
  (隊長作)
でも、大好きなプロコの、しかも久々にありついたプロコ実演なだけに、
こっからもうひと彫り、えぐって欲しいのです。
  
  私が感動してしまう演奏はこうです。
  何と言っても第1楽章。
  終盤で徐々に音量が増してゆきますよね。
  途中、少し音量的に小休止がありますが、このあとのクライマックスが
  どこまでイッチャエルか。
  この音量構成はバカバカしいけど、人間の原始的な恐怖心を煽ります。
  これ以上の音量はない、もう音は上がらない、そう思っているのにまだ音が上がる。
  ヘッドホンの音量がジワジワ上がり続ける恐怖のような感覚。
  それがタマランのです。
  しかし、そこまで音量を構成できるには、全楽団員のシンクロが400%を
  超えないと暴走しないでしょう。
  ミューザ川崎
もう一点は最終楽章。

どのCD演奏もそうだけど、
これが生っちょろい。
ロジェストヴェンスキーのプロムス・ライブを聴いて欲しい。
アッチェレランド駆け捲くりですわ。

これはプロのライブならではの瞬間芸なんでしょうが、
こういう演奏に出会える事は
人生に一度あったら幸運なくらいなんでしょうね。

  というより、こういった攻め方があるとさへ、知らない指揮者が多いんじゃないか
  と穿った考えをしてしまう。
  それくらいロジェヴェンは異質だけど、一度この演奏は聴いて欲しい。
  
  物凄い苦労の末に、プロコ・ナンバー5をメインに据えたプログラムを
  拵えた挙句、名もなきメルマガで酷評されたら割があわんすぎだけど、
  このプログラムを作ってくださったご苦労は大変感謝しています。
  そもそも演奏されなきゃ感想もへったくれも無いもんね。
  
  プロコの生演奏を聴いて、あーだこーだ言える幸せ。
  そして更に上を望んでしまう幸せ。
  これに懲りず、早々にまた難曲珍曲に取り組んで欲しい。   (隊長作)

演奏技術は、特に弦楽器部隊は、都内屈指なんですから!


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