(隊長作)

1月20日(土)  17:00   - 136 -    訪問者数

    三重大学管弦楽団   兼重直文指揮  伊勢市観光文化会館

      ニコライ      「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
      チャイコフスキー  ピアノ協奏曲第1番
      ブラームス     交響曲第2番

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非常に難しい選曲である。

どこが?とお思いのあなた、甘いですよ。
この3品で、お客を感動させることは至難の技だ。

まず序曲。
これほど下らない曲も珍しい。
果たしてこの曲を聴いて、
「ああ!なんて運命的な音楽なんだ」
と思う人が何人いるのだろう。

  いな、そう思わなくてもいい、でも、この曲が少しでも好きな人がどれほどいるのだろう。
  そこまで言うほど悪い曲じゃないじゃん、という弁護も聴こえてきそうだ。
  
  しかし、それを言うんだったら私はこう言い返したい。
  これをやるくらいなら、もう少しでもマシな曲はあるんじゃないのさ。
  そんなワケで、そんな曲を冒頭に持ってきて、ほんと凄い出だしだよなぁ
  と思った。
  (隊長作)

コンチェルト。
  これほどハッタリの効いた曲は無い。
  そしてその後に永遠と続く冗長なおしゃべり。
  私は耐えられないほどこの曲に芸術を感じない。
  あれほどの冒頭、あれほどの武器を授けられて、チャイコはどうして
  ここまでの駄曲を書き上げたのか。
  クラシック最大のミステリーだ。
  
  しかし居るんだよなぁ、チャイコのPコンが好きな人は。
  逆にこの曲が好きな人は、プロコやショスタコのPコンは好きになれないだろうから、
  私とは会話が平行線のままだろう。
  うーん、と言うことは、この演奏会には私は来るべきではなかったのか。
  (隊長作)

でも、次の曲は好きだぞ。
  ブラ2。
  爽やかで軽やかで、取りとめの無い最もブラームスらしくない名曲。
  この曲が大好きな人は多い。
  それだけ多くの人がこの曲は本腰を入れて聴く。
  それだけに、かなりの成果が求められる。
  演奏会に採り上げるだけで賞賛されるほどでなく、まともに演奏できることは
  必須項目だろうし、ある一定以上先からどう料理するかが求められる曲。
  
  つぶさに考察すればそこそこ難しい曲なのに、曲調からどうも難曲とは認められない。
  それだけに、いっぱしの演奏まで漕ぎ着けた努力は軽んじられ、それどころか
  そこから先にケチを付けられてしまう。
  普通に普通な解釈で、安全運転していたんでは、ブラ2はかなり面白くない曲になってしまう。
  
  近鉄宇治山田駅
この日は、お伊勢さんに行こうと出発した。
ところが伊勢って、遠い遠い。
予想をはるかに超える距離で、
こんな事だったら近鉄で行くべきだった。

伊勢神宮近辺には「おかげ横丁」という
お土産やを中心としたエリアがあるそうで、
そこにこそ行きたかったのだが、5時で閉園。

急遽折角伊勢まで来たんだからと調べて、
今回の演奏会に飛び込んだ。
  
  先月12月に同じ大学のベートーヴェンの後期弦楽四重奏を聴いていただけに、
  このあまりに普通な演奏会に、逆にいろいろと考えてしまった。
  最近重たいプログラムを聴く演奏会が多かっただけに、こういった曲で
  プログラムを組む事は返って高水準な演奏が求められてしまうのではないか、
  と。
  
  やっぱり私は選曲にこだわって欲しい人間だが、大名曲を採り上げるにしろ、
  例えそれが水準的演奏にまで持ってゆくのが大変だろうと、
  やっぱりどこかでヒトクセ、伊勢ならではの味わいを込めて欲しかった。
  こういった事こそが最も難しいんだろうな、と最近分かってきたが、
  やっぱり残念であった。


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