(隊長作)

1月21日(日)  14:00   - 137 -    訪問者数

    京都フィロムジカ管弦楽団   金子建志指揮  京都コンサートホール

     伊福部     交響譚詩
     マーラー    「巨人」
             (2部からなる交響曲様式による音詩:ハンブルク稿)

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  京都コンサートホール
関西東海各県巡りもいよいよ大詰め、
今回は京都です。

滋賀・兵庫・愛知・岐阜・三重と来ましたから、
あとは大阪・奈良・和歌山。

機会があれば福井や石川も行きたい。
静岡や岡山も面白そうだ、
そう考えると未知なる所に暮らすってのは
かなり新鮮だ。
  
  この日は私が生まれ育った近所(京都某所)に寄ったり、
  ベタベタの観光地・清水寺に詣でたり、と観光がてらに廻りました。   (隊長作)

やっぱり、京都はええなぁ。
  心底思いました。
  
  京都が誇る京都コンサートホールは、これが初めて。
  どこへ行っても、初めてのホールはワクワクします。
  関西の人はご存知でしょうが、京都と云うところはかなり革新的です。
  古過ぎるものを大事に護らなあかん、という使命感と共に、ええことは
  どんどん取り入れてかなあかん、という潜在意識が強いんちゃうやろか。
  でもそんなコントラストが絶妙な美的感覚で上手く溶け合わされています。
  京都コンサートホール
このホールも、京都町家の格子細工を
髣髴とされる内壁面であり、
京都のホールらしさが控えめに出ています。

いつもどおり上部の座席に
陣取ったのですが、
ホール内部の通路に余裕があって、
ケルンの大ホールと似てるなぁ
と懐かしく思いました。


  座席後ろに通路があるというコトはそれだけ音響が散漫になるんじゃないか、
  と心配なんですが、それだけが真因ではないんでしょうが、
  ホール音響は最高とは言い難い。

  響き過ぎるんではないので、とやかく言うほどでも無いんですが、
  大オーケストラの爆音が少しどこかへ散ってるんちゃうかな、
  という感じがします。
  
  いろんなホールで聴いてきましたが、ウィーンのムジークフェラインでさへ、
  それほど感激しなかった私なので、あまり参考にはなりませんね。
  逆にベルリンのフィルハーモニー・ホールの方が興奮したのですから、
  ちょっと感覚がおかしいのかもしれない。
  要は自分が「良い」と思えばそれが最高なホールなんだから、
  「良いホール」とは人それぞれ。
  ただし、京都はこれからも何回も通ってみたいホールではあります。   (隊長作)

京都フィロムジカ管弦楽団は私の大好きな選曲方針。
  過去演奏記録を見ても、
  
  00年、ショスタコ「10番」。
  02年、バターワースの「シュロップシャーの若者」。
  同年冬、ショスタコとブルックナーの「第9」。
  03年、プロコ「古典」とニールセン「3番」。
  同年冬、パリー「交響的変奏曲」、ヴォーン・ウィリアムズ「3番」。
  04年、ハーティ、ヒンデミット、伊福部、ペッテション=ベリエル。
  同年冬、エルガー「1番」。
  05年、トゥビン「4番」。
  同年冬、ロット「1番」。
  
  マーラーやショスタコ、ブルックナーを採り上げるオケは普通になりましたが、
  パリーやベリエルにまで食指を伸ばしているオケは...、   (隊長作)

これは凄い。凄すぎ。
  
  更に「ウマイ!」と思うのは、これらの楽曲と組み合わせたり、
  間に入ってる演奏会にメジャー曲を入れていること。
  ベートーヴェンやシューマン、シューベルト、モーツァルト、ブラームス
  あたりですね。

  こうすれば楽団内の偏曲傾向へのアレルギーも緩和されるし、
  メジャー志向の強いお客の食い止めにも効果がある。
  
  次回07年6月24日の演奏会なんて、ブラームス1番と
  ベルワルド第1番「セリューズ」というカプリングですよ。
  ベルワルドは代表作が第3番「サンギュリエール」なんですが、
  これと組み合わせてオール・ベルワルドとせず、
  あえて大名曲と1番繋がりでベルワルドを押し込む。

     ※ちなみに、第3番「サンギュリエール」のCD感想
     http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/cd/cd11.html

  多くの観客はブラームス目当てでしょうが、流れでベルワルドも聴いちまう。
  意外にええやん、と思う観客が出てくるだろうから、プログラマーとしては
  してやったりです。
  
  私としては当日土壇場で、
  「指揮者の意向により演奏曲順を変更させて頂きます」なんて、やってほしいなぁ。
  昔これをスヴェトラーノフがやったそうで、こういう事は反対の立場だったら
  怒るんだろうけど、何も長大・大曲がメインで無きゃいけない法則はない。

  遊び心で、メインを序曲にして、思いっ切り思い込みたっぷりの序曲を
  演奏したって面白いと思う。
  ムラヴィンスキーの「ルスランとリュドミラ序曲」みたいに、歴史に残る
  序曲大熱演があってもいいのになぁ。
  京都コンサートホール
さて、
この日も面白いプログラムでして、
マーラーの交響詩「巨人」と
イフクベの交響譚詩。

ゴジラの伊福部昭と云ってしまえば
実も蓋も無いのですが、こうやって伊福部の曲を
大熱演で聴いてみると、自分も日本人なんだなぁと、
しみじみ感動してしまいます。

  土俗的でかなりプロコっぽいフリカケが施されてますが、それでいて
  第2譚詩のように日本画のような美しい曲もあります。
  彼の「シンフォニア・タプカーラ」だの第2楽章など、絶品なアダージョです。
  こういった曲が毎月のように演奏される日が、早く来て欲しいものです。
  
  この演奏会後、うちの隊長がイフクベに嵌っておりまして、毎日
  イフクベの音楽が流れたり、イフクベのCDを買ってきたりと、取り敢えず我が隊では、
  イフクベ演奏効果は絶大でしたよ。
  この日の演奏で、イフクベに興味を持ったりCDを買ってみたりしてる人
  いるんじゃないだろうか。
  
  マーラーの「巨人」は基本的にはあの交響曲第1番に「花の章」を加えたもの。
  ところがそう言ってしまっては乱暴で、それのハンブルク初演版として、
  微に入り細に入りハンブルク稿に忠実であるわけです。
  京都コンサートホール
特筆すべき相違点は最後の終わり方。
これは現行版であり我々が愛聴しているCDと
全く異なる。

強いて言えば、シベリウスの第5番の終わり方みたいで、
かなりのインパクト。

なおかつ、この方が格好いい。
  
  これだけマニアックな追求をしているオケですから、今更演奏云々は失礼です。
  実に安心して楽しめるどころか、求めてる次元も違うし、何よりも   (隊長作)

情熱がひしひしと伝わってくる。
  プロオケも聴かなきゃ、と思いつつアマオケばかりに走ってしまっている昨今。
  こういうアマオケに出会うとますますアマオケの底深さに畏れ入ります。
  

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