２月９日（金） １９：００ - 138 -
関西フィルハーモニー管弦楽団 飯森泰次郎指揮 ザ・シンフォニーホール
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
伊福部昭 ピアノと管弦楽の為の「リトミカ・オスティナータ」
ショスタコーヴィチ 交響曲第５番
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関西と云えば、大阪。
大阪と云えば、シンフォニーホール
というくらいなのに、漸くの登場です。
福島駅から辿ってみて、
そういえば学生時代に友人たちと一度来た事を
思い出しました。
しかしホール内に入って見て、
座席シートやホール内部の雰囲気は全く憶えてませんでした。
この十五年くらいで改装でも、したのでしょうか？
まぁそれは兎も角、久々のホールの音響が楽しみです。
よく、大阪の人はこのシンフォニーホールと東京のサントリーホールを
比較します。
勿論、結論はいかにシンフォニーホールの方が優秀か、ということ。
たしかにサントリーより奥行きが狭く、音が最後方まで行って返ってくる
距離がシンフォニーの方が短い。
今回我々は舞台裏のエリア（サントリーで云うＰ席）で聴いたので、
ここんとこはイマイチ判別できなかったんですが、確かにサントリーなら
独奏ヴァイオリンなんかの音は遥か彼方へ消えて行ってる感覚があります。
その点、伊福部のピアノでは音が遠くへ行ってる感覚は小さかった。
要するにホール内の音の分散が小さく、Ｐ席でも割合と良い音響が得られる。
逆に悪い点は、座席幅・座席間隔が狭い事。
Ｐ席だから特にそうだったのかもしれないが、サントリーのＰ席は
もう少しゆったりしているよ。
こういうとこはケチらないでほしいなぁ。
たった一席減らすだけで、各席がどれだけ余裕になることか。
約二時間も座ってるんだから、こういうことは大切だ。
あとそれからトイレ。
サントリーに比べると設置箇所は多いんだけど、各所個数が貧弱。
女性の行列が頗る長い。
演奏開始ベルが鳴っているのに、十人は並んでたもんなぁ。
どうしたんだろ、あの人たち。
用も済ませて、サッパリとした状態で演奏に望みたい。
細かいことだけど、実はとっても重要なこと。
最近完成したホールの多くはトイレが広く個数も多い。
古いホールもなんとか改造してもらえんでしょうか。
伊福部続きなんですが、今回は演奏頻度も珍しいオスティナータ。
乱暴な言い方をすればミニマム・ミュージックを取り入れた伊福部音楽。
１９６１年作曲ですから、このころからこの作曲手法は流行ってたんでしょうね。
しかし弾く方にとっちゃツライ作業だろうなぁ。
選曲会議でブルックナーやシベリウスを反対してらっしゃったお嬢さん方
も、多くは弦楽器系で、理由は一面幾何学模様のような楽譜だったからなぁ。
それでいて音程は微妙に変遷し、音程やアクセントも随所に挿入され、
聴いてる方は暢気なもんだが、弾いてる人は大変だったろうなぁ。
特にピアニスト横山幸雄が大熱演。
泰次郎のタコ５は、一言で云って「一本調子」。
押して押して押し捲る。
関西ではこういうスタイルが受けるんかもしれないが、ちょっとそれだけではなぁ。
演奏前にプレトークがあって、タコ５はジダーノフ批判がどうのこうのと
言っていた割には、心の葛藤部分が表現できてません。
特に終楽章。
「人民よ歩け歩け、笑って歩け」的な解釈は感じられず。
祝祭的な冒頭、何てこと無い中間部、テンポを崩さず一直線に
終わってしまったクライマックス、と勢いだけだったタコ５でした。
タコ５はこの終楽章解釈如何で、どうにでも料理できるだけに、
残念な演奏でありました。
ただし、
関西フィルはどの曲も非常に真摯に熱演。
こう一生懸命頑張って貰えると、
悪く書いたのに後ろめたさを憶えます。
追記。
前プロの「フィンランディア」。
景気付けなんだろうけど、
もうちょっと知恵を絞ってね。
伊福部かショスタコ繋がり、もしくは邦人作曲家の序曲をやるには
持って来いのチャンスなんだし、ショスタコに限らずソ連系で伊福部と来れば
プロコフィエフ。
折角、ピアニスト横山幸雄がいるんだから、Ｒ・シュトラウスの
「ブルレスケ」をやるのにも持って来いだよね。
ブルレスケとオスティナータを続けてやるパワーはないんだろうけど、
欧米人ならなんとかやっちゃうんだよね。
日本人もそろそろそういった組み合わせもアリにして欲しい。
