(隊長作)

8月11日(土)  18:00   - 151 -    訪問者数

    名古屋弦楽ゾリステン    加藤晃指揮   しらかわホール
  
     シューベルト   交響曲第5番
     グレツキ     ピアノ協奏曲
     チャイコフスキー フィレンツェの思い出(弦楽合奏)   

  ouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuouuo

  私の調べ方が悪いのか、夏の関西ではコンサートが極端に少ない。
  勿論なんらしかはあるのだが、今回選んだコンサートを凌駕する
  楽しいプログラムは見つからなかった。   (隊長作)

だってグレツキのピアノ協奏曲なんだもん、これは行くしかないっしょ。
  (このPコンは原曲は「ハープシコードと弦楽合奏のための協奏曲」)
  
  名古屋駅から地下鉄で一駅「伏見」駅近辺、ということなので
  意気揚々、歩いてみました。
  十分くらいか、とたかをくくってたら、炎天下の中、約三十分も掛かりました!
  
  テルミナ地下街を使って国際センター駅までは涼しい地下街を
  歩けたのですが、そこからは地上に出、一路南西に向かう。
  途中、川があって橋が歩けど、なんだか寂しい。

  名古屋駅は再開発で大賑わい、栄は昔っからの大繁華街、
  伏見はビジネス街ですが、名駅と伏見の間は不思議と
  ビルと住宅が混在していて、不思議な空間。
  池袋と大塚の間のような雰囲気です。
  しらかわホール
今回のホール
「しらかわホール」は初めて、
約七百人収容の中ホール。

最近、大ホールより中ホールの方が
お気に入りでして、
中ホールを選択しているオケの
見識に感心します。

まぁ、弦楽合奏団(一部管楽器含みアリ)なら、
大ホールは変だけど、
強いて中ホールを選別している事に好感。

  ホール内はバルコニ席もある二層式馬蹄型、音響も上々でした。
  
  音がガンガン来たのですが、これはホールもイイのですが、オケこそが凄かった。
  もう認めざるを得ない気がしてるんですが、名古屋の各オケはレベル高過ぎ。
  地域全他のレベルでは、関東関西中部では名古屋が突出でしょう
  (次点は千葉だと思う)。
  今回は弦楽合奏、しかも小規模、中ホール、ということで一人一人の技量が
  化粧なしで丸見えなんですが、滅茶苦茶上手い!
  
  東京にいた頃、室内楽団で圧倒的に驚いたのが、「アンサンブル・ジュピター」。
  大して好きでも無かったメンデルゾーンのスコットランドが、
  かくも素晴らしい音楽だと再発見させてくれた傑作名演だった。

  06年9月16日「アンサンブル・ジュピター」感想
  http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai7/dai125.html

  
  今回はあの感動に匹敵する素晴らしさで、正直こういったハイレベルな
  演奏が名古屋の弦楽合奏でも体験できるとは、全く失礼極まるけれど
  思っていなかった。

  まずはシューベルトの第5番、これからしてメインを演奏するような
  突出振りで、どこぞの音だし序曲みたいな気の抜けた演奏とは全く違う。

  アマにしろプロにしろ、序曲・前プロを軽んじた演奏会は
  観客のテンションを一気に貶め、いくら中プロメインで挽回しても、
  総合的な満足感は損なわれている。

  しかし前プロから猛ダッシュを駆けられると、観客側も何だか得をした
  気分になるし、俄然次の曲への期待も高まる。
  
  本日最も楽しみにしていたのがグレツキ。
  「悲しみのシンフォニー」で一時期ブームを巻き起こした作曲家だが、
  考えたら彼の曲はあの第三交響曲しか知らない。
  グレツキ「悲しみのシンフォニー」
勿体ない話で、交響曲第1番や第2番に
興味を持っても良かったわけで、
今回のピアノ協奏曲(もしくはハープシコード協奏曲)
を聴いて、確かにそう思った。
  
ピアニストが華奢で線の細い女性、
高橋早紀子だったが、
音のデュナーミクの幅の広いこと。

  全体的にミニマム調なんだが、時としてグイっと音圧が加わる。
  それをさらりと弾いているのだが、どうやって音量が上がったのか
  不思議なほどサラリと弾き斬っている。
  十分足らずの曲だったが、これは拾い物のイイ曲。
  各団体さんも、この曲を採り上げてみられてはどうか?
  
  チャイコのフィレンツェは、正直語れるほど曲そのものを知らない。
  キャッチーな旋律が随所に織り込まれ、同じくチャイコの弦セレが
  好きな人には持って来いだろう。
  (隊長作)

ここで感じたことは、セカンドとチェロの上手いこと。
  もしかしたらファーストとセカンドのレベルを均質化したのかもしれないが、
  時としてセカンドの自己主張が余りに美しく、楽曲の内部が格段と
  透明になっている。
  
  指揮者加藤晃の熱血指揮棒も冴え渡り、この人が音楽監督でもあるから、
  ここまで熟成された楽団となったのだろう。
  しらかわホール
さて、ここまで
メチャウマの弦楽合奏団。
しかもこの選曲センスの良さなら、
私のささやかな願いを叶えて下さるでしょう。
ズバリ、次回はイギリス秘曲集を希望。

バターワース「青柳の堤」
ヴォーン=ウィリアムズ「富める人とラザロ」
エルガー「ソスピリ」
パリー「イギリス組曲」もしくは
「ブラームス・エレジー」

  ヴォーン=ウィリアムズやエルガーだと、他にも一杯名曲があるが、
  敢えて「富める人とラザロ」や「ソスピリ」を演奏して欲しい。
  だって、こんなプログラム、お目に掛かったことがないんだもん!
  (途轍もない名曲なのに)
  

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