(隊長作)

2007年11月10日(土)  17:00   - 161 -    訪問者数

     『ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会プロジェクト2007』 その1
     日比谷公会堂

     井上道義指揮    千葉県少年少女オーケストラ
     ショスタコーヴィチ  交響曲第1番
  
     井上道義指揮    サンクトペテルブルク交響楽団
     ショスタコーヴィチ  交響曲第7番「レニングラード」

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  1ヶ月くらい前、いつものように何か美味しい獲物はないかナとネット検索に
  勤(いそ)しんでいると、我が隊が歓喜に包まれるコンサートを発見した。   

それが今回、1年振りに東京へ
舞い戻った演奏会
「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会
プロジェクト2007」だった。

東京に住んでいたら、本プロジェクトの
土日演目は全て行ってたであろうが、
こう遠いと上京・宿泊だけで
生活が立ち行かなくなる。


  最大の難題は、我が隊のネコ君バルビローリ。
  (隊長作)
  彼を放っておいて、隊長と二人して上京宿泊することは出来ない。
  彼(ねこ)の気性ではペットホテルなぞ耐えられないだろう。
  だって、毎日自由気ままに歩きまわってる奴が、檻の中に閉じ込められる
  んだから、無理な話だろう。

  一晩彼を独りぼっちにしたら、二度と人間が
  住めなくなるくらい部屋は荒らされるだろうし。
  かなり悩んだが、隊長には無理を言って、隊員独りが
  大好きな独り旅を敢行する事となった。
  これもバルビローリのため、我慢してくれ、隊長。

  JRの快速や各駅電車を駆使して、
  乗車券のみで東京まで行って来ました。

  朝は真っ暗な中を出発。
  電車の中で夜明けを迎え、電車はひたすら東海道を東へ。
  少しテツが入ってるのか、長時間の電車旅行、ちっとも苦にならない。
  
  私は京都出身ですが、関西や東海にも随分住みました。
  そして関東も十年以上は住んでいた(一体私は何歳なんでしょう)。
  

タワー新宿

関東・東海・関西と、どれが一番好きか
と自問すれば、圧倒的に東京が好き。

関東ではなく、あくまで東京が好きだ。
趣味が「コンサート」と「古本屋めぐり」と
「中古CD漁り」でして、
この全てを完璧に満足させてくれる街は、
東京以外ない。

お茶の水 吉祥寺 新宿

  横浜や大宮では駄目なのだ。
  大阪や京都も、この三大趣味を完璧に満喫はさせてくれない。
  
  実はこのショスタコ・コンサートの前に、川崎で下車してアマオケを聴いている。
  
  プロコ第5番なのと、時間的にクリア出来たので、
  「川崎のプロコと日比谷のショスタコを梯子」した訳だ。
  やはりこういうゴージャスな事は、この街でないと難しい。
  
  まぁ、東京でも、そうそう無い演奏会梯子だが、一日で
  プロコ5番とショスタコ7番と1番なんて、なんて贅沢な梯子か。

  しかも7番は、サンクトペテルブルクと来ている。
  海外オケなんて、ほんと、いつ以来だろう。

(隊長作)

  更に、翌日はバビ・ヤールと10番ですよ。
  関西の人には申し訳ないけど、特に京都の京都市響の人には悪いけど、
  井上ミッチーは東京でこんな夢のような事をやってるんですよ。
  どうして関西ではこういう事が出来ないのかなぁ。
  出来なくて、いいのか?
  東京は大晦日のベトベン全交響曲演奏会だとか、
  ゴールデンウィークのラ・フォル・ジュルネ・オ・ヤーパンとか。
  東京の奴らに美味しい思いばかりさせといて、
  関西人は腹たたへんのやろか?
  
  話は戻って。
  川崎を4時過ぎに出た私は、懐かしの京浜東北線で新橋へ。
  新橋に4時45分着。
  徒歩10分で日比谷公会堂だが、雨の暗い中、十時間近く各駅列車を
  乗り継いできた身体には、徒歩10分はキツイ。
  プロコ5番も聴いた後だから、本当に疲れていた。
  しかし、しかしです。
  日比谷に行けば、レニングラードが待っている。
  これほど元気が出てくる演目があるだろうか。
  

日比谷公会堂

さて、日比谷到着。
途中道に迷ったりして、
ホールに入ったのは4時58分。
人間、成せば成る。

座席は1階中央から少し左寄り。
昔の映画館みたいな、キツキツな座席配置。
予想以上に酷い座席で、
通路沿いのシートを選んで置いて正解だった。
客入りは大入り満席。

  2階の入り具合は分からなかったが、狭いホワイエはごった返していたので、
  恐らく全席完売状態だったのではないだろうか。
  
  私はネットで事前に、千葉県少年少女オーケストラがショスタコ1番を
  急遽演奏する情報を掴んでいた。
  レニングラード一曲だけなんてプログラムは、ロシア人には温(ぬる)過ぎる。
  結果的には、ロシア人達はレニングラード一曲で終わるんですが、
  その前座だった千葉っ子が凄かった。
  
  曲が曲だけに、上手く聴こえ過ぎたのかもしれないが、アマオケ演奏で
  最高峰の練度、アンサンブルの完成度は日本一だった、
  と言っても言いすぎだと思えない。
  

日比谷公会堂

ズダンッ!と音をブッタ斬る時なんか、
まるで空間を両断するような真空斬り。

瞬時のゼネラル・パウゼは
ブラック・ホールのように深く暗く、
次に奏でられる音がより一層鮮明に響いてゆく。
  
ショスタコーヴィチ19歳が
天才の名を欲しいままにした第1交響曲。
それを千葉の少年少女が、正に真価を提示した。
サンクトペテルブルクを、レニングラードを聴きに
遥々東京まで来たのに、
千葉っ子の奇蹟にぶん殴られてしまうとは

  やはりコンサートとは何が起こるか分からない。
  だから辞められない、堪らん快楽ですわ。
  
  
  【次回予告】
  
  次回は、いよいよ、真打ち、サンクトペテルブルク交響楽団の感想に入ります。
  第7番と、翌日の第10番、第13番を一挙に書きます(予定)。
  これまた意外な展開あり。

  コンサートって、なんて素晴らしいんでしょう。
(隊長作)



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