(隊長作)

2008年1月18日(金)  19:00   - 179 -    訪問者数

    京都大学交響楽団   円光寺雅彦指揮     京都コンサートホール

     ボロディン      歌劇「イーゴリ公」序曲
     ストラヴィンスキー  バレエ組曲「火の鳥」
     ブラームス      交響曲第4番

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久々の京都。
京都、大阪、神戸と来りゃぁ、京都に最も足を
運ぶだろうと思ってました。

が、現時点、京都・大阪が各5回、滋賀4回、
兵庫3回、奈良2回となっております。

京都コンサート・ホールは美しいから
しょっちゅう行くでしょう、と思ってただけに、
我ながら遺憾。
  (隊長作)

その理由はひとえにコンサート・プログラム。
  革新的な京都が、こと演目に関しては実につまらん。
  今年の京大にしたってメインは名曲。
  昨冬のアルペンとは、比ぶるべくもない。
  そうは言ってても、聴いてみなけりゃわからない。
  ブラ4だって、京大なら感動するかもしれない。
  まぁ普通はブラ4ってだけで感動するんですが、4回も本番乗ってりゃ
  免疫も出来た。
  ブラームスなら、第3番とかPコンで勝負して欲しいな。
  
久々の京都なので、京都駅のデパ地下を
探索したり、教えて頂いた小粋な
カフェレストラン「ドルフ」に行ったりと、
神社仏閣じゃない京都も満喫しました。

特に国際会館駅近くにある「ドルフ」という
お店は洒落てました。

京都コンサートホールにも地下鉄でなら近く、
北山駅界隈に飽きた人なら「ドルフ」はお薦めです。

店の雰囲気はパーペキだし、
味もなかなかしっかりしていて、
グルマンな私でも納得のお店。

  京都コンサートホールは外観も内部もホワイエも、流石
  風流な京都だけあって素晴らしいの一言。
  東京代表にサントリーホールを挙げるなら、京都だってコンサートホールを
  対抗馬にしたくなるのが、京都っ子の偽らざる気持ち。
  京都コンサートホール
ただし音響が苦しい。
サントリーだって座る位置によっては千差万別。
だが、京都には数回訪れているものの、
未だ理想的な座席を見つけられない。

あれだけ抜群なデザインに仕上げられた内部も、
音響は完璧にはほど遠い。

座席配置も理解し難い構造が一部あり、
大改装したって良いのではないか。
  
  京大響は昔一度聴いた事がある。
  京都田中のあたりを車で走ると必ず金管の練習音が聴こえる、
  というくらい京大響の練習は有名だ。
  昔聴いた時の感想は忘れてしまったが、今回の演奏はいつまで憶えているだろう。
  カフェレストラン「ドルフ」は憶えているだろうが、ブラ4と火の鳥は
  憶えているだろうか。
  
  2004年2月、慶應ワグネルのマーラー第9番。
  2004年7月、東大音楽部管のブラームス第2番。
  そして今回の京大響、ブラームス第4番。
  あとは早稲田響さへ聴けば、日本を代表する四大學オケを制覇できるわけだが、
  今のところ三大學とも、のけぞるような演奏はナシ。
  
  特に東大、京大、阪大など超一流大学オケに共通している事は、
  パッション不足。
  どこも演奏技術は頗る優秀だが、ギラギラした強烈なメッセージや、
  ナイフのような尖(とん)がった突っ張った凄みがあるわけでもない。
  そもそも大学オケはどこでも未熟だし、十回聴いて一回当たれば
  イイ方なのだが、偏差値に比例して演奏技術も高いのは否定できない。
  
しかし偏差値が高いほど感動できるのか
と言えば、それも即座に否定したくなるわけで、
今まで例外だったのは神戸大だけ。

ちなみに神戸大はキライな奴が進学した
学校なので、印象は頗る悪い。
だから先入観は悪かっただけに、
あの押し寄せるような感動の嵐には、
ムカツキつつも認めざるを得なかった。
  
  京大の火の鳥もブラームスも、演奏自体は非常に秀逸。
  特にブラームスのクラリネットは上手かった。
  あれだけの演奏をして文句を言われる筋合いは感じ無いだろうが、
  あれだけの演奏に到達していながら、マニアに感動を授けられないのは
  勿体無さすぎ。
  あと少しのエッセンスやきっかけさへあれば、一瞬にして化ける可能性を
  感じるだけに、これは残念だ。
  
  いくつか原因は考えられるが、最大要因は指揮者だろう。
  非常につまらん。
  学生やアマオケの人達は、もっともっと多くの実演を聴いて、
  どんな指揮者がどんな演奏をしているのか、リサーチすべきだ。
  そこそこのギャラを払うんだから、人選は慎重にすべきだ。

  この人は名前は知っていたが、実演はあまり聴いてない。
  それだけに今回だけで、とやかく言うのは失礼だろうが、京大を以ってしても、
  ああいった結果しか出せないという事は、大した技量が無い。
  学生たちをノリノリに出来なかったわけだから。

  この楽団が、熱狂的な演奏より冷静で正確な演奏を目指しての上で、
  この指揮者を選び、こういった演奏を提示しているんなら、もう私には
  何も言えないが・・・。
  
  正しい音程、正しいパッセージ、そういった基本動作はしっかり出来たかも
  しれないが、あれは観客を感動させれるかどうかという真剣勝負なわけだから、
  いくら正しくセオリー通りできたって、感動させれなければ
  なんにもなら無いんじゃないかナ。

  逆に音程もテンポもガタガタだって、不思議と感動させてしまう演奏、と
  いうのは実際に「たまに」ある。
  そういった時の演奏者の目はイっちゃってるし、演奏後は奏者全員が
  興奮状態で、客席の反応や拍手も尋常で無い。
  演奏者も観客も、とんでもない世界を聴いてしまった、といった
  会場全体がトランス状態。
  「興奮の渦」なんて野暮なセリフがあるが、あれは実在する。
  そんな演奏会は百回に一回(数年に一度)だが、実際あきらめかけた頃に
  出くわすんだから、コンサート通いはやめられない。
  
何てことも感じられなかった事は、
演奏者の方々には申し訳無いが、
そんな感想を抱いた人もいるって事を、
ここに記しておきたい。

上手い演奏と感動させる演奏との壁は厚いな、
とあらためて感じた京都
でした。


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  ●過去聴いた 『ブラームス交響曲第4番』 なコンサート感想●

   2004年2月7日 ホーネック指揮 読売日響
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai/dai1.html

   2004年6月12日 河地良智指揮  三鷹市管弦楽団
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai2/dai29.html

   2004年7月25日 長田雅人指揮  フライハイト交響楽団
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai2/dai37.html

   2004年10月16日 玉置勝彦指揮  コンセール21管弦楽団
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai3/dai49.html

   2006年12月17日 名古屋大学交響楽団   武藤英明指揮
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai7/dai133.html

   2007年12月17日 大阪市立大学交響楽団  滝本秀信指揮
   http://rede200402.hp.infoseek.co.jp/dai8/dai142.html













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