ケルンのホール - 31 -
ホールは、ケルン駅の近くにありました。
ケルシュで、すっかり顔が赤くなってしまっていたので、ホール入り口で
止められたらどうしよう?とドキドキしながら入るも、別に問題なくすんなり入場。
ホワイエで、
「ケルン・フィル グッズ?」が
いろいろ売られていたので、
ケルン・フィルのマークの入ったペアのグラスを買った。
超〜観光客である。
100円均一で買ったコップは、ぜんぜん割れないのに、
このケルンのグラスは、使ってたらその後割れた。ひびが入ってしまったのです。
大事にしているモノほど、壊れやすいような気がするのは私だけでしょうか?
もうそろそろいい時間かなと思いつつ、ホールに入って愕然。
「売り切れカモ〜」なんて思って走っていたコンサートなのに、
ものすごーーーーい、ガラガラなんである。
えー?ホールがでかいのか?
ケルン市民は、ベートーヴェンに興味がないのか?
それとも今日、大事なサッカーの試合があったとか?
アルバン・ベルクSQが、実は不人気??
それとも、「大ホールで四重奏なんか聴けるかーッ!小ホールでやれっつーねん!」
と思ってるとか???
なんだか、よく解らないのですが、最終的に半分くらいしかホールは埋まらなかった。
演目はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番。
演奏は予想通り、隊長にとっては未知の世界。
さーーっぱり理解できず、熟睡!
「ケルシュのせいです」と言い訳。
同時刻、ウィーンでは、「3つのオレンジへの恋」が上演されてるんだろーなー(涙)
と思いつつ、ケルンの夜は更けてゆく。
綺麗なホールの印象が、強く残っています。特に天井がかっこイイ!
ケルン・フィルのホームページにホールが360゜見れるモノがあります。
http://www.koelner-philharmonie.de/de/04_philharmonie/04_04_philharmonie.php
ドイツ語です。
「英語のページもあり」です。
ouououououououououououououououououououououououououououououououououououououououo
終演後、帰るのが大変なのである。
なにせ宿は、ボンにあるから。
ほんとにメッセ(見本市がケルンで開催中だった)、うらめしや〜。
ホテルの最寄り駅が、Uバーン (U-Bahn)の駅なので、素直にUバーンの駅へ向かった。
もう夜も遅いせいか、電車はすいていて、やや心細くなる。
5駅くらい進んだところで、乗客達がトボトボとすべて降りてゆく。
我々の目的駅までは、まだ三分の一ほどしか過ぎていないのに。
隊長&隊員「ん???」(キョロキョロ)
どうやら終点らしい。
えーーー!?
八王子まで行きたいのに、中野で降ろされるようなもんだ。
でも、みんなそのままホームで待っているので、電車がくるのカナ?
降ろされたその駅は、駅前にいきなり一軒家や草むらがあるような駅で、
ここで電車が無くなったら、「マジ、シャレになんないよ〜(汗)」と想像し、
ゾゾゾッとした。
ふと横を見ると、不安でたまらない顔で時刻表をのぞきこんでいる隊員に、
指揮者&作曲家のセーゲルスタムによく似たおっさんが話しかけてきていた。
セーゲルスタムはフィンランド人ですが、おっさんは思いッきりドイツ語で
ベラベラと話しかけていた。
隊員、フムフムといった顔でうなづいているも、実は全く理解していない。
この巨漢、私達から尋ねたワケでもないのに、困っているのだろうと察してくれ、
話しかけてきてくれている「とても良い人」。
だが、幾分お酒が入っているようだ。
大丈夫かいな?
ワケのわからん駅で降ろされ、必死なので、「ボン、ボン」と言っていると、
彼の返答は、
「アインシュタイゲーン、アインシュタイゲーン、アインシュタイゲ〜ん!」
と連呼(3回目はフォルテ)。
「 einsteigen 」= 「( 乗り物に )乗る 」
身振りと状況から考察するに、何回か乗り換えたら、
ボンまで行ける らしい・・・?
とりあえず、更けゆくドイツの田舎駅で、しばし待つ...。
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しばらくすると、おっさんの言うとおり、電車が来た。
乗り込み、ホッとするのも束の間で、3駅くらい進んだ所でまた降ろされた。
ぐえ゛え゛ーーー!
隊員がつぶやく
「セーゲルスタムがいない・・・」
あーっ!あの親切なおっさんがいなくなってしまっていた。
この駅の住民なのか!?
一気に不安が増す。
どよどよどよ。
すると、また別のおっさんが話しかけてきてくれた。
ええ人が多いな〜。ドイツって。
しかし、またしてもドイツ語である。むむむむ。
初めて行ったヨーロッパ旅行。
ウィーンの国立オペラの立見席で、
そのエリアを仕切っているおじいちゃんが居た。
それまで、
「ヨーロッパに旅行に行くにしても
英語ができればいいんだよ、
共通語なんだから」と周りから言われていた。
そうだよな、フランスでもドイツでも英語で済むよなと思っていた。
なので、「トラベル英会話」なんて本を買って、ながめていたりした。
ところが、その「立見席の主」のようなおじいちゃんは、
容赦なくドイツ語でべらべら話しかけてきて、
「自分の場所を確保するには、ハンカチをバーに結んでおくんだ!」と教えてくれた。
おじいちゃんは、70代後半から80代かなといった感じだった。
そのおじいちゃんを見て、私は、
「わーッ、この人絶対、ウィーンのクラ・ヲタ(クラシック音楽ヲタク)だよ!!
フルトヴェングラーとかワルターとか〜
クレンペラーとかクナッパーツブッシュとか、生で聴いてそ〜!!かーーッ」
と思ったら、めちゃくちゃ話してみたいー!と心底、思いました。
が、ドイツ語がわからない・・・というか英語も解らないんだが・・・。
この時、英語じゃだめだ!(←しゃべれないくせにダメ出し)
ドイツ語を勉強しなくちゃ!と思い、ちまちまと勉強しだした。
その勉強の成果はいかに?
この時、いろいろと電車について、丁寧に教えてくれたおっさんが発する
単語で聞き取れたものは、
ツヴァイ ウント ツヴァンツィヒ
zweiundzwanzig = 22
と、
カイン プロブレ〜ム!
Kein Problem! = 大丈夫!問題ない!
この二言だけだった。
ぜんぜん、ダメダメじゃ〜ん!ぴー。
(次ページにつづく)