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コンサート感想


2010年5月9日(日)14:00  三重県総合文化センター
伊勢管弦楽団 / 大谷正人 指揮
 バーンスタイン : ウエストサイド
 ブルックナー : 交響曲第7番

(隊長作)


計画が全く崩れたのは、ホール2・3階の完全閉鎖。
三重県総合文化センター大ホールは、馬蹄型シューボックス3フロア・タイプ。
舞台裏席(P席)は無い。

こういった座席で最も望ましいのは、3階サイド席(チェロベース対面)。
ところが屋根被りの2階はどうでもいいのだが肝心の3階が閉鎖されており、
1階のみ全席自由席。

開演十分前に入場したので、1階サイド席しか空いてなかった(痛恨)。
(隊長作)

1階十列目辺りから最後列辺りまで満遍なく座席は埋まっていたが、
2・3階を急遽解放するほどの大入りでもなく、入場者数と
解放フロア(1階のみ)の予想は見事にマッチしていた。

おそらく、1階のみ解放と、全階解放ではホール利用費用が
結構違ってくるのだろう。しかし、音響にこだわっている我々としては、
音がガッツリ飛んできて、ダイレクトに飛んでくるゆえ
音響が響き過ぎず聴こえる最上階席で聴けれないのでは、もう
演奏会をまともに楽しめないのと同じ事と言える。

開演前からガックリ。こんなことは久し振り。


同楽団のメンバーさん方は、このホールで何回くらい実演を
聴いてらっしゃるだろう?
リハとかゲネプロなど降り番で聴いたよ、なんて駄目だよ。
ちなみに私は、今回で6回目。意外と来ている。

そのほとんどが3階席だったが、今回1階席で聴いてみて、あらためて
3階席の方が音がクリアでダイレクトに音を堪能できる事を再確認した。
演奏の差異というのも多々あるだろうが、今回は金管が響き過ぎて、
弦の音が、かなり小さく聴こえた。

同楽団は伊勢市観光文化会館で2回聴いているので明言したいが、
いつもとサウンドが全然違う。
弦があそこまで埋没して聴こえたのは、はじめてだった。

金管の元気さは過去2回と同じだが、音が響き過ぎて、のろまにさへ聴こえる。
そんな風にしか聴こえない席(1階サイド)なんて閉鎖して、
3階(最上階)を開放すれば拍手喝采措置なのだが、さすがに実際は
無理だと承知している。
(隊長作)

一体、1階のみ利用と、全階利用では、利用費用はいくら違うのだろう?
三重県総合文化センター(三重県文化会館)ホームページで調べてみた。

大ホール、入場料2千円、営利・宣伝目的の土日祝日(PM1時〜5時)
と仮定すると、全階利用152,910円、1階のみ利用94,800円と分かった。
う〜む・・・、その差58,110円。
入場者数から勘案すれば、1階のみ解放で十分対応できていた。
ほとんどの観客は、3階席などに座りたがらない。
一部のマニアのために、58,110円も払う必要はないのだろう。
しかし・・・しかし、残念であった。
センター側もケチ臭い料金設定すんなよ。

それなら、中ホール利用料77,470円の方が良かったのでは?
ちなみに中ホールは一度聴いていまして、座席数968席、
大ホール1階席のみ1163席には及ばないが、中ホールで聴いた方が
よほど音もクリアで爆演に伝わっただろう。

ブルックナーのハーモニーをまろやかにホール内で醸造するには、
中ホールは小さ過ぎると思われるだろうが、大ホールの1階サイド席で
聴くくらいなら、中ホールの方が良かったと思う。


そんな訳で、伊勢管の三重県総合文化センター大ホールは残念だった。
古過ぎるホールとお思いでしょうが、味のある音を響かせてくれる
伊勢市観光文化会館の方が、素晴らしい演奏会を成功させていたでしょう。

次回は、2011年11月27日、愛知県芸術劇場コンサートホールにて、
マーラーの第9番を予定してます。名古屋マーラー・フェスの事実上トリを、
伊勢のオケが担当しちゃうという荒技。

よくまぁプライドの高い名古屋人が、憧れのマラ9を三重県(伊勢管)に
譲ったなぁと思ったんですが、伊勢管はマラ8「仙人」の実演集団なんですよね。

東京ではマラ3が流行って来ましたが、仙人演奏会実現はいつでも険しい道のり。
8番も9番もやっちゃったら、いずれは10番全曲版に進むんですかね?
ちなみにマラ9は、意外と「演奏」は出来るもんですが、
「感動」させられるかは別問題。

どうすれば「感動」させられるか、練りに練った作戦で
「三重に伊勢管あり」とブち上げて下さい。
楽しみにしてます。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

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